容量拠出金について

小売電気事業者と容量市場の関係

すべての小売電気事業者は、電気事業法によって、供給能力の確保が求められています。供給能力の確保には、供給電力量(kWh)の確保だけでなく、中長期的な供給能力(kW)の確保を含みます。容量市場は、中長期的な供給力(kW)の確保を達成するための手段として位置づけられています。

   (参考)電気事業法

(供給能力の確保)
第二条の十二 小売電気事業者は、正当な理由がある場合を除き、その小売供給の相手方の電気の需要に応ずるために必要な供給能力を確保しなければならない。
2 経済産業大臣は、小売電気事業者がその小売供給の相手方の電気の需要に応ずるために必要な供給能力を確保していないため、電気の使用者の利権を阻害し、又は阻害するおそれがあると認めるときは、小売電気事業者に対し、当該電気の需要に応じるために必要な供給能力の確保その他の必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 

容量拠出金とは

容量市場では、国全体で必要な供給力(kW価値)を市場管理者(広域機関)がオークションによって一括して確保します。国全体で必要な供給力の算定は、小売電気事業者をはじめ、すべての電気事業者が毎年提出する供給計画などにもとづいておこなわれます。詳細については、需要曲線の算定方法をご確認ください。国全体で確保した必要な供給力(kW価値)への対価(容量確保契約金額)は、供給能力の確保が求められている小売電気事業者と一般送配電事業者が費用負担することとなります。この費用を容量拠出金と言います。容量拠出金の負担額は、小売電気事業者については需要シェアの比率に応じた金額となります。また、一般送配電事業者は、託送料金に参入されている部分(H3需要×6%相当分)を負担します。

  1. <容量拠出金と容量確保契約金額のイメージ>
  2. 図 容量拠出金と容量確保契約金額のイメージ
  1. <費用負担のイメージ>
  2. 図 費用負担のイメージ
  3. ※供給計画における各エリアの各月最大3日平均電力

 

相対契約との関係

容量市場の市場管理者(広域機関)から小売電気事業者への費用の請求は、小売電気事業者が発電事業者などと相対契約を結んでいるか否かに関わらずおこなわれます。このため、小売電気事業者は相対契約による支出に加えて、容量市場への支出が発生することとなります。一方、容量市場で落札した発電事業者などは相対契約による収入に加えて、容量市場からの収入を得ることとなります。容量市場は、電源投資に関する一定の投資回収の予見性を高めることで、供給力不足、電気料金の高止まり、調整電源を確保できないなどの問題に対応するため導入されます。したがって、既存の相対契約については、制度導入趣旨を踏まえ、適切に見直される必要があります。既存契約の見直しをおこなうにあたっては、「既存契約見直し指針」を参考としながら、必要に応じて協議をおこなってください。

  1. <容量市場を踏まえた、発電所などと電気供給に関する相対契約を締結時のイメージ>
  2. 図 容量市場を踏まえた、発電所などと電気供給に関する相対契約を締結時のイメージ

 

算定方法と支払いスケジュールについて

算定方法

(1)全国の容量拠出金の総額をエリア別のH3需要比率に応じて、各エリアに配分します。

  1. 図 全国の容量拠出金の総額をエリア別のH3需要比率に応じて、各エリアに配分

(参考)エリア別のH3需要
2020年メインオークション向け(対象実需給年度:2024年度)

 

(2)エリアごとに配分された金額から、経過措置対象電源の控除額と一般送配電事業者の負担額を引いた金額が、当該エリアの小売電気事業者の負担額となります。各社への毎月の請求額は、(エリア別の小売電気事業者の負担総額 ÷ 12) × 各社の毎月の配分比率で決定します。

  1. 図 エリア別の小売電気事業者の負担総額

(3)各社の配分比率は、需要実績(実需給年度の前年度)を用いて算定します。4月から9月分は夏季ピーク実績(7~9月)、10月から3月分は冬季ピーク実績(12~2月)を基準として算定します。さらに、実需給年度のシェア変動に応じた補正をおこないます。

  1. <小売電気事業者の配分比率の算定イメージ>
  2. 図 小売電気事業者の配分比率の算定イメージ

 

支払いスケジュール

請求額の算定は、小売電気事業者や容量提供事業者の実績集計が必要となるため、1回目の請求(4月分)は実需給年度の7月(例:2020年度メインオークションの場合は2024年7月)を予定しています。7月以降、月次請求がおこなわれます。

  1. 図 経過措置対象電源の控除額と一般送配電事業者の負担額を引いた金額が、当該エリアの小売電気事業者の負担額

 

FAQ

  • Q1.なぜ、すべての小売電気事業者が容量拠出金を市場管理者へ支払う集中型を選択したのか。
  • A1.
    容量市場は、国の審議会におきまして、必要な供給力(容量)を市場管理者などが一括で調達する集中型と、小売電気事業者が相対や取引所取引などの市場取引を通じて自社に必要な供給力を確保する分散型という類型などさまざまな要素を比較検討された結果、必要な供給力(容量)を市場管理者などが一括で調達する集中型が適切であると判断されました。
    経済産業省ウェブサイト
    第3回電力システム改革貫徹のための政策小委員会 市場整備ワーキンググループ外部サイトに移動します 資料4 容量メカニズムについて をご覧ください。
  • Q2.容量拠出金の負担(支払)が発生するのはいつからか。
  • A2.
    メインオークションの4年後となる実需給年度よりおこなわれます。
    例えば、2020年度実施のメインオークションの実需給年度は2024年度となります。
  • Q3.自社の容量拠出金がいくらとなるか知りたい。
  • A3.
    対象実需給年度の約定結果公表後となりますが、以下の資料を参考にご自身の4年後のシェア比率をもとに試算することが可能です。
    広域機関ウェブサイト
    容量市場 制度詳細説明会資料 第6章 容量拠出金 をご覧ください。
  • Q4.容量提供事業者にペナルティが科されて交付額が減額となった場合、容量拠出金も減額されるのか。
  • A4.
    ペナルティ相当額は容量拠出金の算定額から差し引かれます。したがって、小売電気事業者が負担する容量拠出金の算定額は減額されます。
  • Q5.容量拠出金を滞納した場合は、指導など受けるのか。
  • A5.
    国の審議会においても、(広域機関の定款または業務規程にもとづき、広域機関による当該会員の名称の公表や、当該会員に対する指導または勧告若しくは制裁などをおこなうこととする。それでもなお、改善が見られない場合は、必要に応じ、電気事業法にもとづく経済産業大臣による供給能力確保その他必要な措置をとることの命令、あるいは、業務改善命令の発出が検討されることになる)、と示されています。
  • Q6.容量拠出金を支払うための契約は必要となるか。
  • A6.
    容量拠出金の精算に関する契約の締結は不要です。