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更新日:2022年10月5日(掲載開始日:2022年7月1日)

2022年度夏季における需給ひっ迫時の広域機関の対応

 供給計画のとりまとめの結果、2022年度夏季において、猛暑H1需要(※1)に対して東北から中部エリアにおいて予備率が3.1%と厳しい需給見通しとなったことから、当機関は、電気事業者に対する計画的な供給力確保に関する通知を行いました。

 東京エリアにおける気温の上昇により、6月26日(日)時点での広域予備率を踏まえ、6月27日(月)を対象に需給ひっ迫注意報が発出されました。当機関は、電力需給改善のため、6月26日(日)に警戒態勢発令及び需給ひっ迫警戒本部設置の後、以下の各項目に記載のとおり必要な対応を行いました。なお、電気の需給状況に改善が見られたことから、6月30日(木)に当該注意報が解除され、当機関においても警戒態勢を解除し、需給ひっ迫警戒本部を解散いたしました。(※2)

 電力需給状況が悪化している供給区域の一般送配電事業者に必要な電気の供給を行うよう、累計24回の融通指示を行いました。

 今夏の厳しい需給状況において、電気事業者の皆様、自家用発電設備をお持ちの皆様、ご家庭、工場・オフィスなど電気の使用者の皆様におかれましては、電気の安定供給確保のためにご対応、ご協力いただきまして、改めて厚くお礼申し上げます。なお、当機関は、需給状況に応じて今後も必要な対応を行ってまいりますので、今後も準備情報・注意報・警報等を参考にご協力いただきますようお願いいたします。

 ※1 猛暑H1需要…供給計画における各エリアの各月最大3日平均電力(H3需要)をベースに厳気象(猛暑)の影響を考慮した需要想定

 ※2 需給ひっ迫警戒本部の解散後においても、必要に応じて電力需給状況の改善を目的とした融通指示等の必要な対応を実施いたします。

1.広域機関の対応の概要

 当機関は、計画的な供給力確保に関する通知(下記3.参照)を行った後、需給ひっ迫状況に応じ、電気の安定供給確保に万全を期すため、電気事業法や業務規程に基づき、以下の対応を実施しています。

  • 一般送配電事業者に対する指示
  • 発電事業者及び小売電気事業者に対する通知

 等

2.対応の経緯

 当機関は上記の対応について、以下のように取り組んでいます。それぞれの詳細は、次項以降をご覧ください。

  • 電気事業者に対する計画的な供給力確保に関する通知(2022年4月27日)
  • 電力需給確認の取り組み(2022年6月10日~)
  • 警戒態勢発令、需給ひっ迫警戒本部の設置(2022年6月26日~30日)
  • 需給ひっ迫警報・注意報にかかる広域予備率の算定・公表(2022年6月26日~30日、計6回)
  • 需給状況改善のための一般送配電事業者に対する融通指示(2022年6月27日~9月13日、計24回)
  • 当機関会員に対する需給状況改善のための発電設備焚き増し・電力需要削減への協力の依頼(2022年6月26日~30日、計6回)
  • 地域間連系線の運用容量拡大(2022年6月27日~30日、計3回)
  • 経済産業省の電力需給に関するブリーフィング資料(2022年6月28日~30日、計6回)

3.電気事業者に対する計画的な供給力確保に関する通知について

 当機関は、供給計画のとりまとめを行い、需給バランスが厳しくなることも想定される見通しを公表し、発電事業者、一般送配電事業者、小売電気事業者に対し、確実な供給力確保に向けた取り組みの呼びかけを行いました。
 具体的な内容については、「2022年度夏季及び冬季の確実な供給力確保について」からご確認ください。

2022年度夏季及び冬季の確実な供給力確保について

4.電力需給確認の取り組みについて

 今夏の高需要期に向けて、kW及びkWhの両面において、今後の需給変動や電源トラブルなどによる需給バランス悪化を早期に捉え、情報発信や対策を講じることが重要であり、当機関ではkW及びkWhの需給バランスモニタリングを定期的に実施・公表しています。

2022年度夏季における電力需給モニタリングについて

5.警戒態勢発令、需給ひっ迫警戒本部の設置について

 需給状況の悪化を踏まえ、当機関は6月26日(日)に警戒態勢を発令し、需給ひっ迫警戒本部を設置し、必要な対応を行いました。その後、電気の需給状況に改善がみられたことから、6月30日(木)をもって警戒態勢を解除、需給ひっ迫警戒本部を解散しています。

警戒態勢発令及び需給ひっ迫警戒本部の設置について

警戒態勢の解除及び需給ひっ迫警戒本部の解散について

6.需給ひっ迫警報・注意報にかかる広域予備率の算定・公表

 2022年3月に発生した需給ひっ迫(※)での対応を踏まえ、以下の2つの取り組みが始まっています。
概要説明資料PDFファイル

 ※2022年3月に発生した需給ひっ迫…福島県沖を震源とする地震の影響により、東北・東京エリアの火力発電所が一部停止している中、東日本における気温の低下と悪天候により電力需給が極めて厳しい状況に陥りました。

<警報・注意報>

 資源エネルギー庁において、前日16時目途に、需給ひっ迫警報・注意報が公表されます。そのために、当機関では、需給ひっ迫が予見される場合には、速報的に広域予備率の算定・公表を行います。

1.東京電力パワーグリッド株式会社

1) 6月27日(月)対象  6月26日時点 最小予備率3.7%
2) 6月28日(火)対象  6月27日時点 最小予備率3.9%
3) 6月29日(水)対象  6月28日時点 最小予備率3.5%
4) 6月30日(木)対象  6月29日時点 最小予備率3.2%

<参考:準備情報>

 各一般送配電事業者において、前々日18時目途に、準備情報が公表されます。そのために、当機関では、需給ひっ迫が予見される場合に、速報的にエリア予備率の公表を行っています。

1.北海道電力ネットワーク株式会社

1) 6月29日(水)対象  6月27日時点 最小予備率4.1%
2) 6月30日(木)対象  6月28日時点 最小予備率4.9%

2.東北電力ネットワーク株式会社

1) 6月29日(水)対象  6月27日時点 最小予備率4.1%
2) 6月30日(木)対象  6月28日時点 最小予備率4.9%

3.東京電力パワーグリッド株式会社

1) 6月29日(水)対象  6月27日時点 最小予備率4.1%
2) 6月30日(木)対象  6月28日時点 最小予備率2.5%

 

それぞれの公表内容の詳細については、「需給状況悪化時の対応」からご確認ください。

7.需給状況改善のための一般送配電事業者に対する融通指示について

 電気事業法第28条の44第1項第1号及び第3号並びに業務規程第111条第1項第1号及び第3号の規定に基づき、電力需給状況が悪化している供給区域の一般送配電事業者に必要な電気の供給を行うよう、累計24回(東京エリア向け22回、九州エリア向け2回)の融通指示を行いました。

それぞれの指示の内容の詳細については、「需給状況悪化時の対応」からご確認ください。

1.東京電力パワーグリッド株式会社

  1) 6月27日(月) 10:30~20:00(最大 91.21万kW)
  2,3) 6月27日(月) 15:00~20:00(最大 86.87万kW)(※)
  4) 6月27日(月) 20:00~24:00(最大 134.63万kW)
  5) 6月28日(火) 15:00~18:00(最大 96.59万kW)
  6) 6月28日(火) 18:00~22:00(最大 109.73万kW)
  7) 6月29日(水) 2:00~ 6:00(最大 60万kW)
  8) 6月29日(水) 6:00~ 8:00(最大 60万kW)
  9) 6月29日(水) 8:00~10:00(最大 60万kW)
 10) 6月29日(水) 8:00~12:00(最大 55万kW)
 11) 6月29日(水) 10:00~18:00(最大 60万kW)
 12) 6月29日(水) 12:00~14:00(最大 55.86万kW)
 13) 6月29日(水) 14:00~18:00(最大 73.9万kW)
 14) 6月29日(水) 18:00~24:00(最大 87.64万kW)
 15) 6月30日(木) 7:00~10:00(最大 60万kW)
 16) 6月30日(木) 10:00~18:00(最大 60万kW)
 17) 6月30日(木) 10:00~18:00(最大 16.45万kW)
 18) 6月30日(木) 18:00~24:00(最大 65.16万kW)
 19) 7月 1日(金) 9:00~14:00(最大 60万kW)
 20) 7月 1日(金) 16:30~17:00(最大 60万kW)
 21) 8月 2日(火) 16:00~24:00(最大 125.95万kW)
 22) 8月 3日(水) 16:00~17:00(最大 72.38万kW)

 ※融通指示2,3)は同時間帯対象の融通指示を2回に分けて行っています。

2.九州電力送配電株式会社

  1) 9月12日(月) 16:30~20:00(最大 70万kW)
  2) 9月13日(火) 16:30~19:00(最大 40万kW)

8. 当機関会員に対する需給状況改善のための発電設備焚き増し・電力需要削減への協力の依頼

 ひっ迫エリアの電気事業者の発電余力を活用しなければ、電気の需給の状況が悪化するおそれがあるため、当機関は、当機関会員に対して以下の内容の協力依頼を行いました。

  • 以下に記載のひっ迫エリアにおいて、各会員が所有している、又は他者から電力買取契約(経済DR契約を含む。)により電力を調達している電源Ⅲ・自家用発電設備等について、可能な範囲で出力を上げた焚き増し運転をすること。ただし、当該電源等が、他の小売電気事業者等と電力買取契約(経済DR契約を含む。)を締結している場合は、当該契約に従うことを優先し、その上で可能な範囲で出力を上げた焚き増し運転をすること。
  • 以下に記載のひっ迫エリアにおいて、各小売電気事業者は、それぞれが締結した経済DR契約や需要家への節電依頼等により、可能な範囲で電力需要を削減すること。ただし、他の電気事業者等と相対契約等を締結している場合は、当該契約に従うことを優先し、その上で可能な範囲で電力需要を削減すること。
  • 焚き増しや電力需要の削減等によって生じた余剰電力は、卸電力市場(時間前市場)への供出を行うこと。小売電気事業者等との相対契約(経済DR契約を含む。)を持つ場合には、当該契約に従い電力の受け渡し又は需要削減を行うこと。なお、精算については、卸電力市場での取引又は相対契約に基づき行うこと。

1. 6月26日(日)時点

対象日:6月27日
ひっ迫エリア:東京電力パワーグリッド管内

2. 6月27日(月)時点

対象日:6月28日
ひっ迫エリア:東京電力パワーグリッド管内

対象日:6月29日
ひっ迫エリア:北海道電力ネットワーク、東北電力ネットワーク及び東京電力パワーグリッド管内

3. 6月28日(火)時点

対象日:6月29日
ひっ迫エリア:東京電力パワーグリッド管内

対象日:6月30日
ひっ迫エリア:北海道電力ネットワーク、東北電力ネットワーク及び東京電力パワーグリッド管内

4. 6月29日(水)時点

対象日:6月30日
ひっ迫エリア:東京電力パワーグリッド管内

9. 地域間連系線の運用容量拡大について

 地域間連系線の管理は、電気事業法第28条の40第8号に規定する当機関の業務です。当機関は、業務規程第126条の規定に基づき、地域間連系線ごとに、運用上流すことができる電力の最大値である運用容量を設定しています。

 一般送配電事業者に対する融通指示(上記7.参照)を行うにあたり、一部の地域間連系線の空容量が不足しており当該地域間連系線の運用容量を拡大しなければ電気の需給の状況が悪化するおそれがあったため、緊急措置として、当該地域間連系線の運用容量を拡大しました。

東北東京間連系線(順方向:東北→東京)

 1) 6月27日(月) 15:00~18:00 (55万kW)
 2) 6月29日(水) 8:00~22:00 (55万kW)
 3) 6月30日(木) 8:00~22:00 (55万kW)

それぞれの指示の内容の詳細については、「需給状況悪化時の対応」からご確認ください。

10. 経済産業省の電力需給に関するブリーフィング資料

 当機関は、経済産業省において行われている電力需給に関するプレスブリーフィングにおいて、以下の資料を公表しました。

 1) 6月28日(火) 11:30PDFファイル(200KB)
 2) 6月28日(火) 16:30PDFファイル(325KB)
 3) 6月29日(水) 11:00PDFファイル(205KB)
 4) 6月29日(水) 17:00PDFファイル(568KB)
 5) 6月30日(木) 11:00PDFファイル(475KB)
 6) 6月30日(木) 17:00PDFファイル(283KB)

11. 関連情報

本件に関するお問い合わせ先

 電力広域的運営推進機関 総務部 広報担当
 電子メールアドレス:koho

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