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更新日:2019年6月27日

2018年度第3回評議員会議事録

1. 日時

2019年3月25日(月曜日)14時00分~15時40分

2. 場所

電力広域的運営推進機関 会議室(東京都江東区豊洲6-2-15)

3. 議事

(1) 議決事項

  • 第1号議案 2019年度供給計画の取りまとめについて

(2) 報告事項

  • 容量市場の概要及びルール策定の考え方について

4.出席者

(1) 評議員(17名中12名出席)

野間口評議員会議長、江﨑評議員、大高評議員、倉貫評議員、鈴木評議員、夏目評議員、松岡評議員、松村評議員、村上評議員、山内評議員、山地評議員、渡辺評議員

(2) 電力広域的運営推進機関

金本理事長、佐藤理事、遠藤理事、寺島理事、内藤理事、山田総務部長、進士企画部長、竹内運用部長、藤岡計画部長

5. 議事の経過及び結果

●佐藤理事

只今から、2018年度第3回評議員会を開会します。本日は12名の評議員の方が出席のご予定ですが、現時点で10名になります。しかし、定款45条第1項に定める過半数に達しておりますので、始めさせていただきます。本日の議事は議事次第に記載のとおりです。また、ご発言の際は、お手元のマイクスイッチをオンにしてから、ご発言されますようお願いします。それでは、議事進行を野間口議長からお願いいたします。

○野間口議長

それでは、ご指名でありますので、わたくしが議長を務めさせていただきます。では、議案に先立ちまして、定款52条に定める議事録署名人を指名いたします。鈴木評議員と松岡評議員にお願いしたいと思いますがいかがでしょうか。よろしいでしょうか。はい。お願いします。第1号議案は「2019年度供給計画の取りまとめについて」であります。事務局から説明をお願いします。

●藤岡部長

はい。それでは第1号議案の説明をさせて頂きます。まず、資料の確認ですけれども、クリップを外して頂いたほうが分かりやすいかと思いますが、右肩に第1号議案-①と記載してあります、こちらが供給計画の取りまとめの送付書になります。それと、第1号議案-②、こちらが2019年度供給計画の取りまとめに対する大臣への意見書でございます。これが資料になりますけども、説明はその後ろについてあります、右肩に別紙お手元限りと書かせて頂いておりますパワーポイントの資料でご説明したいと思いますので、よろしくお願いいたします。それでは、別紙のパワーポイントの資料になります。3ページ目をご確認ください。供給計画については広域機関で取りまとめて国に届け出るものでございますけども、内容につきまして意見がある時は、意見を付して国に提出するということでございますので、本日は供給計画の取りまとめ・概要をお示しするとともに大臣意見の内容についてご確認頂きたいと思ってございます。まず、実績の振り返りになります。5ページ目、6ページ目がそれぞれ夏と冬の実績を表したものでございます。2018年の夏の実績は折れ線グラフにあります通り、実績において最低限必要な予備率3%以上を確保できていたということでございます。6ページ目が冬の実績でございますけども、こちらも同様に3%以上を確保できていたということでございます。次のページ、7ページ目、こちらが2018年度供給計画の取りまとめで抽出された課題で、8、9、10に記載しておりますのが、前回、大臣意見として提出したものでございます。まず、1つ目です。容量市場創設時及びその先を見据えた安定供給確保が必要という点でございます。こちらは前回、必要な供給力の8%を下回ったということを受けまして、1つ目のポツに在ります通り、旧一般電気事業者が離脱需要の増に応じて保有する供給力を減少させていく一方で、シェアを増やした中小規模の小売電気事業者は調達先未定などにより自らが確保する供給力の割合が低いということで、結果的にエリアの予備率が減少しているという風に分析しました。この傾向が今後も進むという風に想定しておりまして、容量市場による容量確保が開始される前に需給がひっ迫することが現実的な問題として懸念されるということで、前回出したものでございます。そのために本機関としましては、容量市場が機能するまでの間の供給力を確実に確保するため、国とも連携をとりながら制度的な措置を含めた具体的な方策について検討を進めていくという風に意見したものでございます。これに対しまして、下側が対応状況でございますけども、今年も供給力については厳しくなるという風に予想しておりましたので、2018年の12月に本機関から「供給計画における供給力確保に関する要請について」を文書で出してございます。これによりまして、ピーク時を極力避けた設備補修と、小売電気事業者へは可能な限り調達先を確保する、電源の調達先を確保するということを要請したということでございます。あわせて2019年の4月からは、発電設備等の情報に関する掲示板の運用を開始しまして、発電事業者の多様な供給力の確保による電源の退出防止を図ったという対応をとってございます。9ページ目が冬季を含めた残余需要最大時の需給バランス評価の必要性についてでございます。こちらの対応状況につきましては、特にH1、厳気象需要に対する需給バランス評価について、最大需要発生時だけではなくて残余需要最大時の需給バランスも確認するということで対応をとってございます。10ページ目が中長期的な調整力の確保についてでございます。こちらは再生可能エネルギーの増加を踏まえると、いわゆる供給力の確保に加えて調整力の確保というのも非常に重要な要素となってございます。これに対しましては、偶発的需給変動の量、7%が妥当であるということを整理するとともに、調整力が不足する可能性がある場合には電源Ⅱの事前予約によって対応するということを可能としまして、事後検証において妥当性を評価するといった取り組みをしてございます。以上が前回の大臣意見に対する取り組みでございます。11ページ以降が取りまとめの内容に入ってまいります。まず今回集約した事業者数でございますけども、13ページ、発電事業者、小売電気事業者を中心に事業者数が増えてございまして、トータルで1300者近い供給計画を取りまとめた結果でございます。それでは取りまとめの内容に入って参りますけども、まず需要についてでございます。18ページをお開きください。まず主要な経済見通し、中段側にGDPとIIPと人口の表がございますけども、経済指標GDP、IIPともにほぼ横ばいですけど微増の想定をしてございます。一方で人口につきましては、減るという予想をしてございまして、その結果、下側にグラフがございますけども、黒いグラフが実績でございます。足下、2018年の夏までの実績は非常に景気も良くて好調だったわけですけれども、やはり先行きは経済指標の伸びの水準が低下することと、省エネの進展等の影響によりましてほぼ横ばい、発射台が高いという関係もありまして、若干下がるという想定をしてございます。次に、需給バランスの評価に移りたいと思います。途中飛ばしまして24ページをお開きください。まず供給計画の評価断面についてでございますけども、これまで最大需要が発生する断面で評価してございましたけども、最近は再エネの導入も進んでおりまして最も厳しい断面というのは最大需要断面ではなくなってきているという分析を、前回からこういう分析を加えております。赤い線で書いているものが最大需要が発生している時刻でございまして、青い線が予備率が最小になっている時刻でございます。東京エリアは、まだ最大需要が発生している時が予備率が最小になるという風に完全に一致していると思いますけども、例えば25ページの関西のグラフを見て頂きますと夏場、7月、8月、9月このあたりが15時に最大需要が発生するところが、予備率最小時刻は17時になってきているということでございます。特に顕著なのが九州エリア、特に太陽光が非常に多く入ってございますので、太陽光出力が無いときが一番予備率が低いということで、特にここは点灯帯に予備率最小時刻が移ってきているというのがお分かりいただけるかと思います。それらをまとめたものが26ページでございまして、各エリア8月の最大需要発生時刻が15時でございますけども、予備率が最小になる時刻は17時、九州エリアでは19時に移ってきているということが分かってきてございます。次に27ページをお開きください。前回の供給計画で、非常に供給力が厳しくなるということを予想してございましたので、今回の供給計画においては、要請文を出してございます。ちょっと小さくて見にくいですけれども、全ての事業者に対しまして大きく2点の要請をしてございます。まず1点目が、需要ピーク期を極力避けた電源の補修計画をしてくださいという内容でございます。それと2点目は、小売電気事業者に可能な限り電源の調達先を確定してくださいという内容。この大きく2点を要請するとともに、主要な事業者に対しては個別に会社に伺って強く協力を要請した。さらに、供給計画のヒアリングでも、その状況を確認したという対応をとってございます。その結果、28ページ、発電機の補修計画です。青色が2018年度供給計画でオレンジが今回の供給計画でございますけども、補修計画につきましては特にピーク断面、7~9月、12~2月において大きく補修量が抑えられているというのが確認できるかと思います。かなりの協力が得られたという風に考えてございます。一方で29ページが小売電気事業者の確保済供給力の状況を表したものでございます。こちらのグラフ、一般送配電事業者の想定している需要、いわゆるエリア需要の想定が赤い線でございます。それに対して小売電気事業者が確保している供給力というのが青い線でございます。ご覧いただけて分かる通り、2019年以降というのは、エリア需要に対しまして供給力が下回ってございます。上にパーセントが書いてございますけども、エリア需要に対して供給力というのは100%を下回っているという状態が後年度続いておりますけども、これはいわゆる供給計画段階では電源の調達先を確定していないということでございまして、実運用段階でSPOT市場で調達するといった対応をとっているということでございます。こちらは折れ線グラフを見て頂けますと、オレンジの点線が前回の供給計画の比率でございます。それに対しまして今年度が緑の線でございますけども、若干ですけれども前回よりも悪化してきているというのがお分かりいただけるかと思います。これは、要請はしたものの、やはり調達先未定というか調達先を確定していない傾向が今後も続いていっているというのが確認できたということでございます。こういった要請をしたという前提で、今回供給計画をまとめたものでございます。30ページがそのステップを表したものでございますけども、まずは短期、長期ともに各エリアで需給バランスを積み上げて評価します。先ほど申し上げましたとおり、最大需要発生時刻だけでなく予備率最小時刻も評価してございます。その後で、地域間連系線を活用しましてエリア間で均平化をしてどうかという評価をしまして、特に長期の場合は供給計画に記載されていない電源計画、極めて蓋然性の高い電源計画というのがございますので、それらを更に積んだ評価も実施してございます。最後に、その結果について分析を行うというステップで実施してございます。 それでは、まず短期からの評価結果でございます。31ページ、こちらが第1年度目の各月の予備率の評価でございます。8月が9.3%で一番厳しくなっていますけども、通年で8%以上を確保できているということでございます。32ページは、エリア別の予備率を記載してございますけども、エリア別で見ると8%を下回るエリア、赤い字のところが下回っていますけども、33ページにあります通り、連系線を活用することによりまして、相互に応援をするということで、8月の一番厳しい断面でも9.0%となっておりまして8%以上の確保ができてございます。こちらは短期の評価でございます。次に35ページ以降が長期の評価になりますけども、長期につきましては前回の供給計画の振り返りをしておきたいと思います。前回の供給計画においては、2021年度に8%を下回るという結果が出てまいりました。それで、先ほど冒頭にありましたとおり、大臣意見のほうでこういう傾向が続くと容量市場が機能する前に需給ひっ迫が懸念されるという風な意見を提出したということでございます。その後、36ページ、関西エリアで原子力の再稼働があったということ、38ページがそれに更に九州エリアでも原子力の再稼働があったということで、最終的には今年度の9月の段階では8%を下回ることがないと、一番厳しい2021年度で8.4%という予備率で、一応8%を確保できる見通しになったということでございます。こういう経緯はあるものの、今回の結果がどうだったかというのが39ページ以降になります。まず電源の供給力をまとめたものが39ページでございます。グラフがございますけども、一番上の緑、こちらが再生可能エネルギーの供給力でございます。お分かり頂ける通り、再生可能エネルギーにつきましては順調に伸びていっている状況でございます。一方で、赤い棒グラフ、これが火力の推移でございます。右下のグラフを見て頂きますと、2022年が一番ボトムとなってございまして、そこから後ろは立ち上がっていっている、大きく増加しているというのが見えると思います。これは見方がいくつかございまして、足下、下がるけども後年度は新設火力が出来て増加していっているという風な見方も出来ますけども、一方で短期は休止火力が具体化してきているということで、具体化してくると当然下がってきて、長期の2023年度以降というのは休止というのが具体化していない電源が相当あるという意味で、V字で回復するかというのは今後よく見ていく必要があるということでございます。昨年は実は2021年がボトムになってございまして、今年は見てみますと2022年がボトムになってございます。これはいわゆる休止計画が具体化してきたというところが、1年ずつ具体化してくると、この様に減ってくるというのが分かってきたということでございます。40ページのグラフは、真ん中より上側が新増設分、真ん中より下側が休廃止の分でございますけども、少し見づらいんですけれども、至近2021年、2022年辺りの休廃止が少し膨らんでいるのが確認できるかと思います。こちらは、至近で新たな休廃止が計画されてきているということでございます。こういった状況はあったものの、41ページ、長期の需給バランスの結果がこちらでございまして、先行き10年間において8%以上は確保できているという風な結果になってございます。ただし、こちらは最大需要断面、8月の15時断面でございます。ページ飛びますけども、46ページが8月の15時断面の結果でございます。15時断面では2022年が一番少ない結果になっていますけども、10.4%ということでこちらは8%以上を確保できる見通しになってございます。次に47ページ、こちらが17時、予備率が最小断面になります。こちらのほうが当然厳しくなってきまして2022年は8.7%という数字になってまいります。こちらも8%以上を確保できるということでございます。48ページは19時断面もやってはございますけども、こちら九州が一番厳しい時間帯になりますけども、他のエリアが大丈夫ですので全体的には十分な供給力があるという状況でございます。更に49ページにあります通り、供給計画に計上されていない電源開発計画、こちらは一般送配電事業者に系統アクセスの契約申込みがなされて、更に電気事業法48条(工事計画)の届出がなされている電源、これはほぼ電源開発がされるだろうというものを積んでございます。全国で130万kWの電源があるということが分かってございまして、それらを積み上げた結果が50ページ。一番厳しい状況であった8月17時断面で先ほど8.7%であったものが9.0%まで回復したということでございます。このように51ページにまとめでございますけども、短期、中長期ともに安定供給の基準とする予備率8%が確保できる見通しとなってございます。数字としてはこのようになってございますけども、少しこれ以降分析を加えてございます。まず52ページが全国の予備率、昨年の供給計画と比べてどうであったかというのを比べてございます。昨年度の供給計画が点線でございまして、今年度の供給計画が実線でございます。足下の3カ年は、予備率が前回よりも上昇していることが確認できるかと思います。もう少しそれについて分析したものが53ページでございまして、50Hz地域と60Hz地域で傾向が異なります。50Hzの方は、全体的に予備率が上昇していることが分かると思います。こちらは、特に厳気象の影響もありまして50Hz地域が厳しくなるだろうと我々も想定しておりました。その関係もありまして、特に50Hz地域につきましては補修の調整をかなり強く要請したというのもございまして、かなり補修計画を改善して頂いたことが大きいと思います。更に、長期的にも需給を万全にするという風なことで一部、休止計画を見直しされたということもございまして、先行きを見てもかなり予備率が上昇しているのがお分かり頂けると思います。一方で60Hz地域につきましては、足下の補修計画に協力は得られたものの新しい休止計画が追加されたということがございまして、昨年よりも若干下回るという風な結果となってございます。それらを総合的にまとめたものが55ページでございます。電源が足下増えたということでございますけども、その内訳を示したものでございまして、灰色で書いているものがその他となってございますけども、これは主に原子力の再稼働によって増えた供給力になります。青色が要請等によって協力をして頂いた補修計画を抑制して頂いた部分です。補修の抑制によって供給力が増えた分でございます。一番下のオレンジが休廃止が追加された量でございます。これをよく見て頂けますと、原子力が動いた分、休廃止がされていると見ることもできると思います。一方で、やはり補修計画の抑制が無ければ、原子力の再稼働以上の休廃止と結果的にはなってございますので、この補修の協力が無ければ、かなり供給力としては厳しくなってきたのではないかと予想されるということでございます。昨年度の大臣意見におきまして、今後休廃止が進んで供給力が厳しくなるという風に予想しましたけども、やはりその傾向は続いているのではないかと、ここからも読み取れるかと思います。各事業者がどういう行動をしているか分析をしたものが56ページ以降でございます。56ページが、旧一般電気事業者の小売部門が自分のエリアでどれだけ供給力を持っているかを示したものでございまして、まず需要につきましては赤色の棒グラフでございます。これも先行きを見ていきますと、かなり大きく下がっていっているというのが分かると思いますけども、旧一般電気事業者は販売電力につきましては、かなり減るという予想をしてございます。青いグラフが、小売電気事業者が確保している供給力になりますけども、これも需要の減少に合わせて供給力を減らしていっているというのが確認できるかと思います。更にその上に水色のものが積んでありますけども、こちらが発電余力でございます。小売電気事業者が確保している供給力がどんどん減ってきますので、当然、発電余力は持っているということになりますので、これがいわゆる休廃止の候補になってきているものでございます。新電力がどういう行動をしているかというのが57ページでございまして、いわゆる新電力というのは2つグラフがあるうちの右側でございます。新電力の需要につきましては、昨年も同じでしたけども大幅に増えるという想定をしてございまして、一方で供給力につきましては青色の線で、かなり長期的には供給力を確保していない状況が続いているということでございます。今回新たに評価したのは、旧一般電気事業者が他エリアに今かなり進出してございますけども、旧一般電気事業者の他エリアでどのくらいの供給力を確保しているかというのを見たものが左側のグラフでございます。こちらを見てみますと、旧一般電気事業者も他エリアで獲得しいる需要に対しては供給力は確保していないということが分かってまいります。58ページは参考に、56ページのグラフと旧一般電気事業者の他エリアを合わせたものでございます。需要に対して、発電余力も含めた供給力はほぼ一定の水準の量を確保している状況。これを見ると、離脱が進んで発電余力が増えているという状況では無く、一定水準の余力を確保している状況が分かるかと思います。次に59ページ。こちらもヒアリングで確認した内容になりますけども、休廃止が進むと言っている中で休止電源というものが結構なボリュームがございます。棒グラフにありますとおり、1800万kW~2300万kWほど休止火力というのがございます。これは廃止になっていない火力でございます。実はこれも確認をすると、大きく2種類に分類することができまして、灰色の部分につきましては廃止を前提とした休止でございまして、これはほぼ廃止に向かっているということでございます。別な言い方をすると、容量市場が出来たとしても、これを立上げるというのはかなり難しいだろうなという風に考えられる電源。これに対しまして、下側のオレンジ色のものにつきましては、1年程度で立上げ可能なもので、いわゆる経費を抑えるために一旦休止にしているという風な位置づけのものです。これはヒアリングにおいても、需給が厳しくなれば立上げるという風な表明をしたものでございます。ここで分かった事は、休止をしているものの立上げを念頭に置いた電源というのが相当量あるということが確認できたというものでございます。60ページ目がそれらの電源を合わせてみたもの、あくまでも試算になりますけども休止火力でも立上げられるものがあるということ、それと今回、要請においてかなりの補修調整が得られましたけども、こういった最大限の補修調整がされた場合というのを考えますと、60ページにあります通り、結構、供給力としてはあるだろうなという風に思ってございます。足下でも12%なりの水準があるという風に考えてございます。一方で61ページ、今、再生可能エネルギーの供給力(kW価値)の見直しを評価しているところでございまして、これで大体2~5%程度、予備率が下がるだろうなと試算しております。更に、厳気象や稀頻度リスクに備えて必要供給力の見直しというのを行っておりますけども、先ほどの60ページと比較しますと、適切な補修調整や休止電源を有効活用すれば必要な供給力は確保できるのではないかという風に考えてございます。これらの分析結果を受けまして、第1号議案-②が大臣意見になりますけども、こちらをご覧頂きたいという風に思います。先ほどの分析を受けまして、1.容量市場が機能するまでの間の確実な供給力の確保に向けてという風に、まずは1つ目意見を付しております。最初のパラグラフは、昨年からやはり供給力が下がっていくという傾向が続いているというのが改めて確認されたということでございます。加えて、今回の供給計画では新たな傾向が確認できたということで、まず供給力を積み増す方、こちらは先ほど広域機関からの要請もありましたとおり、夏季・冬季の補修量の抑制というものが図られたということでございます。これが非常に今回、供給力をクリアした要因としては非常に大きかったという風に思ってございます。ただし、ヒアリングを通して聞いたことで言えば、作業員の制約や経済的な理由により、広域機関からの要請だけではこれ以上の抑制は期待できないという風な声もありまして、実際そうなのだろうなという風に思っております。50Hz地域につきましては、分析で申し上げましたとおり、一部の休止を見直すなど、需給に万全を期す動きがあったということでございます。一方で供給力を減らす方の動きでございますけども、これは昨年の傾向と同じで、特に旧一般電気事業者は、自分のエリアでは大きくシェアを落として発電余力が増えていますので、新たな休止を計画してるということでございます。ただし、休止電源も廃止に向かっているというわけではなくて、短期で立上げ可能な状態を維持しているということをヒアリングを通じて確認できております。以上のような傾向の下で需給バランスを評価したところ短・長期ともに適正予備率の8%を確保できる見通しという風になってございます。一番最後のまた以降ですが、こちらは、最後に言いましたけれどもレジリエンス強化の観点で、厳気象や稀頻度リスクに備えた供給力の見直し、再エネの供給力の評価見直しが議論されておりますけれども、現時点では、適切な補修調整や休止電源の有効活用が図れれば、必要な供給力は確保できるという風に考えております。しかしながら、容量市場による容量確保が開始される2024年度までに、電源の休廃止がさらに増加する可能性も否定できないというのは、分析の内容でも申し上げたとおりでございまして、もし小売電気事業者が必要な供給力を確保できないという場合には、容量市場までの移行期のやむを得ない対応としまして、一般送配電事業者が主体となって供給力を確保せざるを得ないということになります。本機関としては、適切なタイミングで電源の補修調整や休止時期の後ろ倒し、再立ち上げなどの供給力確保が確実かつ機動的に実施できるよう、電源のリクワイアメントをはじめ、供給力の確保に向けた仕組みの詳細について検討していくということでございます。国においては、電源確保に伴う費用負担なども含めた制度的措置のあり方について検討願いたいということでございます。こちらが1点目の内容になります。次にちょっと関連しますけどその次に2点目の内容、容量市場創設後の供給計画のあり方について意見として付したものでございまして、供給計画というものは、ご説明しておりますとおり、必要な供給力が確保されているかどうかということを確認しているわけでございます。他方で容量市場も実は同じ位置づけのものでございまして、容量市場で供給力の確保を確認するというものでございます。第2パラグラフ目のまた以降にございますけれども、容量市場が創設された後の供給計画においては、その目的・役割が重複するところがあるというものでございまして、それぞれの目的・役割を整理しつつ、将来の供給計画のあり方をより効率的・効果的な仕組みと変えていく必要があるという風に思ってございます。本機関としましては、容量市場の仕組みの中で担保すべき情報を整理した上で、需給調整市場や、国の審議会で検討されているインバランス料金制度の見直しの検討状況等を踏まえつつ、供給計画において把握すべき情報やその目的について検討していく。国においても本機関と連携して検討を進められたいという意見として付してございます。こちらが主に容量市場の前後における供給計画に対する意見ということで示したものでございます。もう一つ3点目に再エネ大量導入の下でのレジリエンス強化に向けた調整力についても意見を出しておりまして、そちらについては、すいません、もう一度パワーポイントの方に戻っていただきまして、92ページをお開き下さい。一番後ろの方でございます。こちらにつきましては、2019年1月10日の中部エリアの需給状況についての内容でございます。これは、再エネの予測誤差によりまして需給がひっ迫したという事象でございまして、そこに2つグラフがございますけれど、右側のグラフを見ていただきますと赤い線がこれが前日の17時断面で予想した太陽光の出力の予想値でございます。それに対しまして、1月10日の当日の実績が黒い実線で示したものでございまして、最大345万kW太陽光の出力が下がったということでございまして、これはいわゆる予測誤差と言いまして、これだけ供給力の見誤りがあったということでございます。これによりまして、中部電力が一応火力の立ち上げをやめていたものがありまして、当日になってこれの立ち上げが間に合わなかったというものでございます。もう1つ93ページにその時の需要を表したものでございますけど、かなり冬の厳しい時期でございましたので太陽光が出ないときというのは、気温も当然下がりますのでそうなると需要は逆に上がるということになります。そこでの予測誤差、太陽光がでない更に需要が上がったということで、その需要が上がった量というのは、約180万kWということでこれがダブルで効いてきたということで需給ひっ迫に至ったということでございます。こちらは電源はあったと、火力なんかの供給力は十分にあったわけでございますけれど、ただそれを停止していたということで当日需給ひっ迫となったとそういう事象でございます。これに対しまして、先ほどの大臣意見、すいませんまたワードの方に戻りますけれど3ポツ目、再エネ大量導入の下でのレジリエンス強化に向けた調整力についてというのを加えてございます。一方以降になりますが、本年1月の中部エリアにおける厳寒による需要増と曇天による太陽光の供給力減少により需給がひっ迫した事象につきましては、アデカシーの確保が十分になされているだけでは不十分であり、調整力の確保および運用も重要であることを考えさせられるものであった。これら事象に関連しまして、国においても今後のあり方について議論されているところでございますが、当面は電源Ⅰ´の通年運用への見直しによる確保、それと需給調整市場創設後は三次調整力②のΔkW調達による確保を行い、これら確保した調整力を運用していくことになります。本機関としましては、需給調整市場創設に向けて再生可能エネルギーの大量導入を踏まえた調整力の確保および運用のあり方について引き続き検討していきますが、国においても、インバランス制度、費用負担のあり方など関連する制度見直しについて、引き続き検討願いたいという内容になってございます。いわゆる供給力ではなくて調整力も非常に重要になってきているという事を示したものでございます。以上で分析結果と大臣意見になりますけど、もう少し最後に流通関係の状況も捕捉で説明させていただきます。先ほどのパワーポイントの71ページをお開きください。こちらが、需給ではなくて送配電設備の増強計画についてまとめたものでございます。まず、全国の主要な送電線路の設備計画こう長というものがありますけど、新増設が549km、一方で廃止が108kmというようにございます。再生可能エネルギーの導入に伴いましてかなりの新増設もございますけども需要が減っていることもあって、108km減っております。こちらはスリム化の計画も進めて行っているということを確認しております。変電設備もその横に表がございますけど同様な傾向でございまして、廃止となっているものにつきましては、いわゆる変圧器等を統廃合してスリム化を進めて行っているというところもございます。次に72ページがその増強計画の内訳を示したものでございます。昨年のデータがありませんので少しわかりにくいですけど、赤色の電源対応と書いてあるもの、電源対応によって増強したものが赤色のところになりますが、これが送電設備につきましては、実は倍増してございます。かなりまだ、風力・太陽光をはじめとした再生可能エネルギーによる増強計画というものは増加しているというのが分かります。変電設備は、昨年に対し、1.1倍になってございますけどこちらも増加傾向は続いているということでございます。はい、以上で供給計画の説明になります。

○野間口議長

はい、ありがとうございます。それでは、ご意見をよろしくお願いします。

○山地評議員

ではよろしいですか?

○野間口議長

はい、では山地評議員。

○山地評議員

だいたい理解したと思っておりますが、ちょっと気になったのは、2028年の需要電力量、kWhの方なのですけど、例えばですね18枚目のスライドを見ると、2028年は現状より減る需要想定をしている訳でありますよねkWhで、それから発電端電力量のkWhの方もどこかにありましたね68枚目ですかね、2028年に向かって下がっていっている。これは、エネルギー基本計画の長期エネルギー需給見通しの2030年の数値では、確か2030年は2013年度より需要のkWhがちょっと増える想定だった。電源構成は、原子力の再稼働のところがあるので、これはしょうがない今後の見通しだから、でも需要そのものがkWhの需要がここまで2028年で減っていると2030年もあんまり増えるとは思えないのですけどエネルギー基本計画との見通しとの差はどうゆう風に考えられておられるのでしょうか?

●藤岡計画部長

需要想定につきましては、特にエネルギー基本計画との整合というのは見ておりません。その時の経済見通しの最新データに基づいて想定しているというものでございます。エネルギー基本計画との整合はわかりませんけど、この需要が下がっているというのも発射台ですね、2018年の足元が非常に強かったこともございまして、その関係で下がっているように見えますけど、実態としては、ほぼ横ばいですね。まあ、微増という言い方もできるかと思いますけど、ほぼ横ばいという結果という事で理解をしてございます。

●寺島理事

私の方からも補足させてください。エネルギー基本計画についての私の認識ですけれども、需要はそれなりに一定程度の堅調な伸びのある中で、節電・省エネを一生懸命やる中で需要はほぼ横ばいにするというような考え方が示されて、あのような形となっていたのではないかと思っています。昨今の傾向としては、計画部長が説明しましたようにニュートラルに今の需要を見てきますと、震災直後から節電とか省エネというのは非常に浸透しているので、結果的にそれを総合的に見ていくと今回の需要想定になっているのではないかと思います。まあ、エネルギー基本計画の需要想定のタイミングと最新情報との違いも含めて、今の時点で見れば、このような形になるのではないかと考えています。

○野間口議長

よろしいでしょうか。

○山地評議員

まあ、設備があればね、ピークのところを賄うことができれば、kWhの方は調整できると理解しているのですけどね。ピークの方もしかし、長期エネルギー需給見通しでは、kWは確か出していないのですよね?あったのですかね?そうするとそれとの整合性か何かチェックした方がいいかなと気がするのですが?

●寺島理事

わかりました。そこはまた、やらせていただきます。

○野間口議長

山地評議員と山内評議員の研究課題かもしれませんね。じゃあ私から質問させていただきます。分かり易く説明をしていただけたので、分かったつもりですが、大臣への意見のところに、既に織り込んである設備補修の抑制を行うのは、容量市場が機能するまでの間、持ちこたえようという事だと思います。この補修抑制が容量市場の初期の頃に悪影響を及ぼすとかそういうことは無いのでしょうか?それも織り込まれているのでしょうか?

●佐藤理事

私がお答えさせていただきますが、むしろ、どこまで補修を減らせられるかということで、野間口議長もご案内のとおり、容量市場は、必要最小限度の買値という事で言われておりますので、その意味ではむしろ正確に初年度の入札量の分析ができるのではないかと思います。

○野間口議長

なるほど。評議員の皆さんからも何かよろしいでしょうか?再生可能エネルギーの使用が増えていくというのは、良いことと思います。容量市場が立ち上がると、もっと再生可能エネルギーが確実に増やすことができるというのは、先ほどのパワーポイントの一番上の緑の線ですかね、あれにはもう織り込まれているわけですか?パワーポイントの何ページかちょっと分からなくなりました。

●藤岡計画部長

39ページです。

○野間口議長

ありがとうございます。2022年以降は容量市場が機能しているわけですね。

●藤岡計画部長

ただ、2020年度に2024年度の供給力を調達しますので、2024年度までは、やはりまだ、予断できない状況と思っています。

○野間口議長

それ以降は、容量市場が機能しているとの前提でこれができているということでしょうか?

●藤岡計画部長

そう言う意味では、容量市場というものは蓋を開けてみないとわからないことがございますので、これはまだ事業者が提出してきたものを積み上げただけの数字になります。

●寺島理事

ちょっとすいません。野間口議長のご質問に対しまして、容量市場の方では、再生可能エネルギーの中でも変動が大きなものについては、安定的に供給力として見込めないことになりますので、そういう供給力というのは、一定程度、非常に厳しく評価しておりまして、それ以外の系統電源として必要なものを容量市場で調達いたします。ですから、再生可能エネルギーがたくさん入ってくればくるほど、それを考慮して系統電源として必要なものを容量市場で確保しますので、そのご心配はないというように考えております。

○野間口議長

でも、大丈夫ですか。昨年度、中部地方の太陽光出力が大幅に変わったというようなものに対して容量市場ができているとどういう風に中部地方の問題は、地域間連系線で対応したわけですね。少し対応の構造が変わってくるのでしょうか?

○松村評議員

すいません邪魔して。一点確認したい。容量市場というのは、キャパを確保するものですね。キャパを超えるような需要がでてきたら、確かに問題が起きるのだけれど、十分キャパを確保しております。一方でそのキャパを120確保したのだけれどその時には動かしていなかった。バランス停止した電源があり120キャパがあるのだけどそのときに動かせる電源が100しかない状況においても需要が150でてきたらやっぱり対応できないわけですが、容量市場は、120を確保するよう市場で調達し、それをどの局面で位ホットにしておくかは、これは別の問題。中部電力の場合、あのトラブルの場合には、キャパシティが足りなかったのはなく、キャパシティは十分あったのです。バランス停止している電源があった結果として対応が難しくなったということなので、容量市場の調達量とは別の次元の問題。系統運用者が太陽光が予想以上に大幅に照らないというか発電しない事態に備えてホットにしておく電源をどれだけ確保しておくのかという問題で、容量市場とは次元の違う話。したがって、容量市場が始まった後でもあの問題は依然として残り続ける。

○野間口議長

問題は残るのですか?

○松村評議員

はい。

○野間口議長

私、容量市場が機能したら、あのような問題が生じても、そこで確保していた電源で対応できると思っていました。容量市場が機能して、十分キャパシティを確保してもバランス停止している電源があると、容量市場とは別の問題が残っている訳ですね。

○松村評議員

はい、したがって必要条件としてキャパが無いと絶対対応できない訳でそれには容量市場で対応するが、あの問題回避の十分条件とはならない。

○野間口議長

はい。分かりました。

○松村評議員

キャパが無いと絶対対応できないけれど、そのキャパを動ける状態にしておかないと対応できない。太陽光の予想外れの状況は、太陽光で大量に発電するであろうと予想しているから、需給がすごく緩んでいるのだろうと予想されている状況。需給がすごく緩んでいるのだろうと予想していると自然体だと火力発電所とかは停止してしまう。その結果として、予想外に照らなかったときには発電量が足りなくなるということなので、キャパは十分ある。

○野間口議長

はい。

○松村評議員

しかし、「ホットにしておかないと」という問題なので、まさにこの大臣に対する提言の3番目のところで容量市場で確保することも重要だけれども、これだけでは足りないので追加の対応も考えなければいけない。これが提言の3番と理解しています。

○野間口議長

追加の対応をやるくらい変化するときがあるとのことですね?

●寺島理事

すいません。いつも松村評議員にフォローしていただいて、私の説明が良くないのかと思うのですけど、容量市場の方は、いわゆる設備量、kWというものがあるかどうかをチェックしているのですが、今、説明がありましたように太陽光等変動の多い電源に対しては、調整力が必要になります。調整力については、容量市場ではなくて大臣意見の3項目目にも書きましたけど、需給調整市場をうまく使っていくことが広域的に調達することが良いだろうということです。容量市場だけではないもう一つの需給調整市場という形の準備も一緒にやって行きますということを、ここで広域機関として意見として唱え、一方、それに伴う費用負担の考え方になどついては、国の方でしっかり検討をお願いしますという3部構成 で、今回の大臣意見の構成ができているという事でございます。

○野間口議長

はい、私もある程度わかっているつもりですが、こういう大きな変化が生じた場合、どういう風に制度設計した中で対応するかというのを確認させてもらおうと思いました。

○野間口議長

議員の皆さんからご意見は無いでしょうか?それでは、よろしいでしょうか?第1号議案は、原案どおりの議決とします。

○野間口議長

それでは、次の議題に入ります。報告事項は「容量市場の概要及びルール策定の考え方について」です。事務局から報告をお願いします。

●進士部長

それでは、容量市場について、企画部の進士よりご説明申し上げます。2ページをご覧ください。次回評議員会で容量市場導入に伴う広域機関ルールをご審議いただくことになりますが、本日は容量市場の概要のご説明とルール策定の考え方についてご説明申し上げます。では容量市場の概要からご説明申し上げます。4ページをご覧ください。広域機関は、2020年度から容量市場を開設するため、準備を進めています。容量市場と は、電力量(kWh)ではなく、将来の供給力(kW)を取引する市場です。これは、将来にわたる我が国全体の供給力を効率的に確保する仕組みとして、発電所等の供給力を金銭価値化し、様々な発電事業者等が市場に参加していただき供給力を確保する仕組みです。6ページをご覧ください。容量市場導入の背景と目的についてご説明申し上げます。小売全面自由化や再エネの導入拡大による卸電力市場の取引拡大・市場価格の低下により、電源の投資予見性の低下が懸念されています。電源投資が適切なタイミングで行われないと、中長期的な供給力不足や、需給のひっ迫が 懸念されます。ひいては、電気料金の高騰等の問題が生じると考えられます。そのため、我が国におきましては、次の2つの目的を効率的に達成するために、容量市場を導入します。1つ目は、予め必要な供給力を確実に確保すること。2つ目は、卸電力市場価格の安定化を実現することで、電気事業者の安定した事業運営を可能とするとともに、電気料金の安定化により需要家にもメリットをもたらすことです。なお、諸外国の供給力確保の仕組みを下の図で説明いたします。一番左側が容量市場である容量メカニズムです。それ以外としては、真ん中の図は、卸電力市場を一定の供給力水準を下回る時点で人為的にkWh価格を上昇させる仕組み、右側は、需給ひっ迫時に卸電力市場価格が無制限に上昇する仕組みです。卸電力市場価格をスパイクさせ、この時の利潤で供給力確保に必要な費用を回収する仕組みでございます。これらの仕組みを比較しますと、適切な供給力を維持していくために回収する費用が同じだとしても、前触れなく発生する、卸電力市場の価格スパイクは、小売電気事業者にとって短期的に大きな費用負担になると考えられます。容量市場の導入によって、卸電力市場価格が高騰するリスクが低下することは、小売電気事業者の事業の安定化に資すると考えられます。したがって、容量市場の導入は、導入しない場合と比べて、中長期的には、小売電気事業者の負担となるしくみではございません。7ページをご覧ください。今後のインバランス料金の考え方としては、その時間における電気の価値を反映するとして、調整力のkWh価格(卸電力市場価格に基づく補正)や、需給ひっ迫による停電リスク等のコストの反映について議論がなされています。需給がひっ迫している時は、インバランス料金は現状よりもかなり高くなる可能性があります。容量市場により、供給力確保がなされ、需給状況が安定することとなれば、卸電力市場の価格の安定化に加えて、インバランス料金の安定化にも繋がるため、小売電気事業者・発電事業者の安定した事業運営に資すると考えております。8ページをご覧ください。1年前に、広域機関の供給計画の取りまとめにおいては、前年度に比べて多くのエリアの供給予備率が減少傾向にあること、また、供給力が将来にわたり確実に確保される仕組みとして容量市場の必要性が一層高まったことを指摘しています。現在、供給予備率は8%以上確保することが必要としております。現在はぎりぎり確保できる見通しですが、至近の電源の休廃止計画の進展を踏まえると予断を許さない状況かと考えております。次に、容量市場による供給力確保の概要を説明します。10ページをご覧ください。各事業者の容量市場への関わり方を説明します。左下の図をご覧ください。広域機関は、容量市場で、実需給期間の4年前に全国で必要な将来の供給力を一括して確保します。確保する方法として、広域機関はオークションを開催し、発電事業者等には、オークションに応札していただきます。広域機関は発電事業者等の応札をとりまとめ、落札電源と約定価格を決定します。右下の図をご覧ください。オークションの4年後の実需給期間に、発電事業者には落札した電源の供給力を提供していただきます。広域機関は発電事業者(落札電源)と容量確保契約を締結して、容量確保契約金額を支払います。また、その原資として、全ての小売電気事業者から容量拠出金をお支払いいただきます。11ページをご覧ください。参考に、容量市場の参加登録、オークションの開催から、実需給期間までにおける、各事業者の主な業務を示しております。12ページをご覧ください。容量市場のオークションの仕組みを説明します。容量市場は、買い手は広域機関、売り手は発電事業者等となるオークションです。従いまして、左下の図ように、広域機関は、全国で必要な供給予備力等に基づき、容量市場の目標調達量を算定します。この目標調達量を基に、右下の図の赤線ように、価格指標や上限価格を決めて、右下がりの需要曲線を設定します。発電事業者等は、電源毎に、応札量と応札価格を決めて、応札します。これを青色の棒グラフのように、応札価格が安価な順に並べ、需要曲線との交点までを落札電源とします。なお、約定価格は、シングルプライスオークションとして、約定点の価格とします。13ページをご覧ください。容量市場の市場分断の仕組みを説明します。容量市場は全国単一の市場としてオークションを行います。ただし、会社間連系線に制約があるため、各エリアの供給信頼度を経済的に確保するため、市場を分断することがあります。市場分断が発生した場合は、エリアにより約定単価が異なることになります。次に、発電事業者等が容量市場へ参加する仕組みを説明します。15ページをご覧ください。容量市場は、基本的に、安定的な供給力を提供できる全ての電源等が参加できます。容量市場への参加は任意であり、義務ではありません。そのため、発電事業者等は、リクワイアメントとペナルティの想定額等を踏まえて、容量市場への参加を選択できます。ただし、容量市場に参加しない場合や、落札できなかった場合は、容量確保契約金額は受け取れません。容量市場に参加して落札した電源等は、卸電力市場や需給調整市場に参加することができます。また、小売電気事業者は相対契約を締結していても容量拠出金の支払いが必要となりますので、相対契約を締結している発電事業者等は、相対契約にkW価値が含まれている場合は、オークションに参加いただく必要があります。16ページをご覧ください。容量市場のリクワイアメントについて説明します。広域機関は、発電事業者等とオークションで落札された電源等毎に容量確保契約を締結します。容量確保契約では、実需給期間における供給力提供の具体的な方法を取り決めます。リクワイアメント、エリア全体の需給状況によって、平常時、需給ひっ迫のおそれがあるときに分けて要件を設定しています。平常時は、主に、年間で一定時期や一定時間以上の稼働可能な計画としていただくことを要件としています。需給ひっ迫のおそれがあるときは、主に、電気の供給や卸電力市場等への応札を要件としています。17ページをご覧ください。容量市場のペナルティや、容量確保契約金額の支払いについて説明します。電源等のリクワイアメントの達成状況に応じて、広域機関は、ペナルティの徴収を行います。なお、ペナルティの徴収は、容量確保契約金額の110%を上限とします。すなわち、上限のペナルティが課される場合には、容量確保契約金額が支払われない上に容量確保契約金額の10%を支払うことになります。18ページをご覧ください。FIT電源、DR、自家発・小規模電源の容量市場への参加について説明します。FIT電源については、実需給期間にFITの適用を受けて、FIT制度において固定費を含めた費用回収が行われている電源は、容量市場に参加することができません。DRについては、アグリゲート等により供給力を提供できる場合、発動指令電源として、容量市場に参加することができます。応札は、アグリゲーター単位でエリア毎にしていただき、最小応札単位は1,000kWとします。4年前のメインオークションから参加します。落札したアグリゲーターは、実需給の2年前に需要家リストを提出し、実効性テストを受けていただきます。発動指令電源のリクワイアメントは、年間発動回数は12回、指令応動は3時間、発動後の継続時間は3時間とします。自家発については1,000kW以上の自家発で安定的に供給力を提供できる電源は、容量市場に参加できます。また、自家発や小規模電源は、アグリゲート等により供給力を提供できる場合、発動指令電源として、容量市場に参加することができます。19,20ページは参考でございます。次に、小売電気事業者等が容量拠出金を負担する仕組みを説明します。22ページをご覧ください。小売電気事業者にご負担いただく容量拠出金の算定方法について説明します。各小売電気事業者に負担いただく容量拠出金は、エリアの最大需要発生時における小売電気事業者間のkWのシェアで算定します。kW比率は、実需給年度の前年度の夏季ピーク、冬季ピークの実績で半年毎に算定します。また、実績以降にシェアの変動があった場合、補正を行います。なお、オークションが市場分断した場合、容量拠出金は分断エリア毎に算定します。オー クションが市場分断した場合の容量拠出金の算定方法は細かくなりますので、本日は説明では割愛します。23ページをご覧ください。容量拠出金の簡単な試算例を示しております。各小売電気事業者の容量拠出金は、主に、エリアの最大需要発生時における小売電気事業者のkW実績とオークションの約定価格で決まります。例えば、ピーク時のkW実績が約1万kWの小売電気事業者の場合、オークションの約定価格が2,000円/kWであれば、容量拠出金は年間で約2,300万円程度と試算できます。なお、2,000円/kWは試算例ですので根拠はございません。なお、容量市場の導入は、中長期的には小売電気事業者の負担とはなりませんが、相対契約の締結等がない場合、短期的には負担となることがあります。24ページをご覧ください。最後になりますが、容量市場の導入当初は、卸電力市場価格の高騰防止、安定化といった容量市場の効果が現れないことも考えられます。そのため、短期的には、小売電気事業者の負担となる可能性が考えられるため、容量市場導入時における小売電気事業者の負担に配慮した仕組みについて説明します。25ページをご覧ください。容量市場の導入直後は、小売電気事業者の急激な負担を緩和する観点から、経過措置を講じます。経過措置は、2010年度末以前に建設された電源の容量確保契約金額に対して、一定の控除率を設定して、支払額を減額します。控除率は下の表を参考にしてください。経過措置の控除率は段階的に減少し、実需給期間が2030年度分以降経過措置はありません。26ページをご覧ください。既存の相対契約について説明します。容量拠出金は、相対契約の有無等に関わらず、全ての小売電気事業者がお支払いいただきます。そのため、相対契約を締結している小売電気事業者は相対契約による支出に加えて、容量市場への支出が追加的に発生します。一方、発電事業者等は相対契約による収入に加えて、容量市場で落札すれば、収入を追加的に得ることができることとなります。そのため、既存の相対契約については、容量市場の趣旨を踏まえ、容量確保契約の締結や実需給期間までに、適切に見直される必要があると考えられます。なお、契約見直しを行う際の考え方は、経済産業省において検討中の既存契約の見直し指針をご参考下さい。27ページをご覧ください。発電設備等の情報掲示板について説明します。容量市場の導入に向けて、事業者の多様な電源調達・販売が可能となる環境整備が重要と考えております。そのため、広域機関では、2019年4月から、発電設備等の情報掲示板の提供を行う予定にしております。情報掲示板の概要を表に示しております。主なポイントですが、目的は、容量市場の導入による事業環境の変化に応じて、事業者が多様な電源調達手段を取り得る環境を作ること、相対契約のない販売先未定電源等の電源を持つ事業者と相対契約を希望する事業者との間で、発電設備等に関する情報提供を可能とすることです。情報掲示板の管理は広域機関が行いますが、情報掲示板への掲載は各事業者の判断で行っていただくものです。28ページをご覧ください。こちらは、今後、容量市場の導入に向けて、パブリックコメントや説明会等を催し、多くの方に理解を深めることを予定しているというものです。続きまして、ルール策定の考え方についてご説明申し上げます。29ページからになります。こちらの詳しい説明は割愛しますが、まず31ページをご覧ください。容量市場の業務は多種の業務があるわけですが、これらの業務を全て広域機関のルールに書き込むということではございません。これらを真ん中の図にあります定款、業務規程から始まっている7つのハコがございますが、広域機関のルールは上の3つ、定款、業務規程、送配電等業務指針でございます。次回の評議員会ではこの3つのルールについてご審議頂くことになります。これらのルールに基づきまして、下の募集要綱、容量確保契約、容量市場業務マニュアル、システムマニュアル等を追って作成していくことになります。従って、容量市場の業務というものがどういうものであるかということが重要になってくるのでございまして、それに基づきましてこのルールを決めていくことになります。ではその業務の全体像でございますが、これが33ページと34ページに書いてあります。詳しい説明は割愛しますが33ページの実需給前の業務と言いますのは主にメインオークション、追加オークション等がございまして、更に一番下のところに情報公表として各々のケースでどういう情報を公表するのかということも重要な項目となります。これが実需給前の業務です。次に34ページのところは、実際に実需給があった後の業務で、リクワイアメント、アセスメント、即ち実際にきちんとkWの価値を提供していたかどうかを確認する、そして、提供していなかった場合はペナルティが科せられます。また、費用回収や支払、更に情報公表が重要なファクターとなっています。これらが容量市場の業務全体となります。続きまして、36ページをご覧ください。今申し上げました業務を実需給前と実需給後に並べまして、これをいくつかに分割いたしまして、今は第1款から第5款まで書いてありますが、5項目に分けました。これらを業務規程に落とし込むわけです。業務規程の例えば容量市場の開設、登録の手続き、オークション、決済、その他というような項目に業務を分けまして、業務規程を作成しています。そして、37ページをご覧頂きたいのですが、今申し上げました業務規程にそれぞれ対応する形で各事業者が履行すべき内容が送配電等業務指針に記されるということになります。このようなプロセスを踏んで容量市場の業務からルールを策定しまして、次回の評議員会でご審議頂きたいと思います。それに基づきまして、細かい内容はマニュアル等で定めていくということでございます。説明は以上でございます。

○野間口議長

ありがとうございます。では、ご意見はありますでしょうか。

○村上評議員

二点ばかり教えて下さい。ひとつは6ページ目で、容量市場導入の背景・検討目的で、世界各国の制度の比較をしているのを見ると、容量市場を作るだけでなくて人為的なスパイクとかエナジーオンリーなど世界ではいろいろなシステムがある。これだけ違う制度が取られている原因はどこにあるのか、後学のためでもあるので、容量市場を作る国もあれば、ない国もある、その実態とか背景として教えてもらいたいのが一点です。二点目は、オークションの話は12ページを見ても、その他も資料を読んでいると古典的なオークションなシステムであり説明自体はよくわかる。現実に運用していくイメージとして、容量市場を作って動かすときにはものすごく細かなシステムを作って入力して対応していくイメージでよいか。いわゆる古典的な入札だとすると、口で説明するし、例えば最低入札価格があり、仕様があり、仕様を作るスペックがあり、一番低い価格で落としていく順番だからすぐわかるが、これだけ複雑なシステムになると、まずシステムを作ってそれを動かすのが不可欠だが、そのイメージでよいか。全体を動かすようなシステムがそう簡単にできるものか予想を伺いたい。

●佐藤理事

私からお答えさせていただきます。6ページですが、説明がなかったのですが、どうしてこうなるかと言うと、どこかで固定費は回収しなければいけない。つまり、固定費の回収の仕方は、人為的スパイクもエナジーオンリーマーケットもそうですが、どこかですごく高くなって、そこで固定費を回収するか、容量メカニズムが入ったとしても高くはなるが、容量価格で固定費は、全部取るかはあるが、大宗を取っておけば、そこまで価格が一回にすごく高騰しなくても固定費の回収ができるので、そのどちらかだと思います。おそらく我が国は一回でkWh価格が何千円というのは、消費者全体からいってそこまで高くなるのはなかなか受け入れにくい環境にあると思いまして、容量メカニズムの方に親和性があるのではな いかということだと思います。もちろん、途中でも説明がありましたが、短中期には消費者負担が相当となる可能性もありますので、それが、容量メカニズムが入るのに邪魔になった国や州もあると聞いております。そもそもの考え方は、固定費の回収をどのようにするのかで差が出てきていると思います。システムのところは、文系人間なので詳しくなくて恐縮ですが、非常に気を付けなければいけないと思いますが、先生方にご心配をいただいて、広域機関システムの最初の導入のところで不具合が相当ありました。ということもあって、気を付けなければいけないところは重々承知しておりますが、このシステムは、非常に簡単に言うと一年に一回やればいい。ところが広域機関システムは8,760時間、もっとコマでも分かれていますので、常に動いて大量に決済を行わなくてはいけなく、そこで不具合が起きた。容量市場システムは、絶対に不具合が起きないように相当に気を付けていきますが、想定外の想定外で何らかトラブルが起きても、市場を止めることはなくなりますので、そこのところは、これまでで大変だったシステムとは違うと思います。相当複雑な入力をしなければいけないところはあると思いますが、広域機関システムの導入のところで、一番大変でうまくいかなくてご迷惑を掛けた、大量に決済して、しかも短期間に数多くすることは今回ないので、その分の所はじっくり作って、失敗した場合にいろんな代替策があると考えています。

○村上評議員

一点目の質問に対する答えは、日本国民は電気料金の平準化の方を好む国民的習性があるという感覚でよろしいか。

●佐藤理事

ご議論いただきましたが、この3つを並べまして、一番左側のところが、さきほど進士部長からの説明もありましたように、効率的というよりも、予見可能ということが大きいのだと思います。人為的価格スパイクがあるとすると、事業者にとって、インバランス料金が極めて高いということになると、小さな事業者はいっぺんに計画不調になって、非常にkWh価格が上がったときに全てそのお金を払うことも大変になりますから、いろいろと考えられて、冒頭で藤岡部長から小売事業者は500を超えると話をしましたが、かなり零細な方もきちんと予定に従って払っていただけるようなシステムの容量メカニズムの方が合っているかなと説明いたしました。

○村上評議員

システム構築にかかる時間は、どれぐらい掛かって実際にできるのか。

●進士部長

システムに関しましては、いくつかのシステムが複合的に重なっている訳ですが、物によってはもう構築の設定を始めていますし、実需給前、実需給後と業務を分けて話をしましたが、実需給前のものについては開発に取り掛かって、2020年までの開設までには何とか駆け足で間に合うように考えています。もちろん、実需給後の2024年までに間に合わせるところも検討を進めています。要は、数年単位で検討して構築しています。

○山地評議員

12ページ目で質問ですが、需要曲線は広域機関で作るが、赤い需要曲線を見ると、目標調達量のところからさらに持って行って需要曲線を設定しているようですが、このところで質問ですが、先のところの目標どうやって決めるのか。あとテクニカルだが、約定量のところで、電源設備なのでユニットがあるのでそうなっていると思うが、棒グラフが一部クロスしているので、最後の約定する電源は赤い線と交わったところのkWだけ約定なのか、もっと大きい電源を作ろうと思ったのに小さいと対応できないとなる。細かなところですが気になったので質問しました。

●進士部長

最初の質問は、目標の調達量より右側の点をどうするかだと思いますが、これは全体の電源の必要量として調整力等委員会を含めて今後議論していく予定です。後半の質問は、青の棒グラフが約定した中点をどうするかと思いますが、約定点と書いた棒グラフの例で申しますと、赤の青の交わったところではなく、この棒グラフ全部が約定します。なので、赤との交点より少し右側までいくことになります。

○山地評議員

需要曲線と供給曲線の価格クロスでなくグロスだと、全部が約定だと価格が違うなと思いましたがこれは目の錯覚でしょうか。

●佐藤理事

もう一点、13ページ目のエリアごとになると、また、差替えをしたり、電源毎にしなければいけないので、そこのところはどうなるかわからないことがあります。エリアごとになると、すごく簡単に言うと、北海道電力の火力設備の方がずっと高かったけれど、信頼度でみると仕方がなかったが、最後の1個分は供給信頼度から見てもさすがに他の50Hzのエリアで当選させた方がよいなど、最後のところは電源毎に取り換えて、同じkWかどうかもわからなくなるので、そこは、ファインチューニングはかなり考えなければいけないところがあると思います。何が言いたいかというと、12ページではそうですが、13ページで説明したように、市場分断があると、ますますうまく切れなくなりますので、いろいろ考える余地があるということになります。

○村上評議員

おっしゃるとおりだと思います。たまたま青四角、例えば50万kWあって、いっぱいまで容量市場として需要がありますとして需要曲線をそこに引くケースと、そのうち20万kWしかいらないケースもある。考え方として20万kWしか払わないもありえるかと思いましたが、そうすると固定費回収の考え方からすると無理なので、50万kWまでちゃんと払うとの理解でよいか。

●金本理事長

基本これはまだ決まっていないことだと思います。海外を見ますと、実線の左側のところか点線との右側のどちらかで、どっちを選ぶかは、もともと目標調達量を超えたところですから、消費者余剰がどちらが大きいかとかで決めることが多いと思います。

○野間口議長

非常にわかりやすい説明でした。システム自体になかなかいろいろとご意見があったようですが、容量市場がスタートすると、ほとんどの発電事業者がまずこれに参加する訳ですか。この外で一対一に自家発的にやるというものを除いたほとんどが容量市場に参加ですか。

●佐藤理事

そこのところは、26ページに書きましたが、発電事業者は参加しない場合があるのはよいのですが、小売事業者は強制参加ですので、相対契約や自社電源の場合、お金を払わなければいけない。発電事業が札を出してなくて、そのお金がもらえないことになると一方的損になる可能性がありますので、普通の場合は、相当に発電事業として自分が良くても、契約をしているとか自社電源であれば参加する誘因が、一方で払わなければいけないことがありますので、相当大きくなるのではないかと思います。

○野間口議長

自家発電も、全部自社で使いますという時も払うのですか。

●佐藤理事

その場合は払わない可能性があります。ペナルティやリクワイアメントを考えて、こんなしょっちゅう止まっていて、生産物が非常に多く出た時だけ電気を作ろうという自家発の方は、かなり大きな容量でも、参加しない誘因が大きいです。

○野間口議長

例えば、電源車も発電しますが、それは緊急事態対応だからか。

●佐藤理事

あと、鉄鋼メーカーみたいなところで、普通は相対契約がありますが、自社だけで使うようなところで、一定の期間しか実際に電気を発電しないようなところは、参加されない可能性もあり、そういったところがあるので強制参加にはしなかったと考えたところがあります。

○野間口議長

小売電気事業者は全員強制参加ということですね。

●佐藤理事

強制参加でなく任意参加だと全員が参加してくださらない可能性がありますので、仕方がないところだと思います。

●寺島理事

少し補足させていただきますが、先ほどの供給計画の中でご説明しましたとおり、小売事業者の中には調達先未定のまま、いわゆる10年先の営業活動を考えている人がいる訳です。こういう小売電気事業者ばかりが増えてしまうと、結果的に設備kWがない中で将来の実需給を迎えますのは困ります。そのためにも容量市場ができる前の措置と、容量市場ができれこれをしっかりやっていかなければいけない。容量市場が確実と言っても万能ではないので、追加オークションや特別オークションを追加して、必要ならば追加で確保できるような形になっています。そういうことですので、小売電気事業者がしっかり事業展開することの大前提として供給力があることをチェックするものですから、チェックと同時にその一部の固定費を徴収しましょう、ということで全員参加というロジックになります。その点を、今般、定款のなかにしっかり書き込んで、小売電気事業者は容量拠出金を払うこととしていかなければいけないと思っています。

○野間口議長

今現在、需給調整市場や卸電力市場がありますが、容量市場が出来ると、役割分担は明確になると考えてよいか。

●寺島理事

はい。

○野間口議長

みなさんご意見はよろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、報告事項については以上とします。

○野間口議長

これで本日の議案は以上となりますが、これらに関して、評議員会として、理事長に対して伝えるべき特段のご意見がありますでしょうか。よろしいですね。それでは、閉会前に、金本理事長から一言お願いします。

●金本理事長

熱心なご議論をありがとうございました。供給計画の取りまとめというのは、私が最初に聞いたとき、事業者の皆さまが提出してくる供給計画を集計するだけかと思っていましたら、非常に重要な、来年、再来年、それからもうちょっと先の供給信頼性をしっかり確保するということを保証するものである、ということでございます。今回、評議委員会で供給計画取りまとめについて、審議いただきましてご承認いただきましたが、そういうことでございますので、実は非常に重要なことを審議していただいたということでございます。また、容量市場につきましては、先ほどからご説明しておりますように次回の評議委員会で規定を審議していただき、それで容量市場の制度設計の具体化が本格的に始まる、ということでございます。内容につきましては分かりにくい仕組みでもございますので、今後も色んなご質問ご意見等ございましたらお寄せいただきたいと思います。これまで広域機関の業務につきまして、色々審議していただいてアドバイス等をいただきまして、大変ありがとうございました。来年度からも、よろしくお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。

○野間口議長

また、来年度もよろしくお願いいたします。以上をもちまして、今回の評議委員会を閉会します。お忙しい中ありがとうございました。以上、この議事録が正確である事を証するため、出席した議長及び評議員2名は、記名押印する。

電力広域的運営推進機関評議員会

議長 野間口 

評議員 松岡 萬里野

評議員 山地 憲治

第3回評議員会 議事録PDFファイル(536KB)

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