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更新日:2022年6月10日

需給調整市場における三次調整力①募集量の新たな誤算定等について

 2022年4月より需給調整市場において三次調整力①の取引が開始され、地域間連系線を介した調整力の広域調達(週間調達)が開始されましたところ、その募集量について、本機関が算定したデータに誤りがあったことが原因となり、一部のエリアで三次調整力①募集量として不適切な値で取引されていた事が4月7日に判明し、4月12日に報告いたしました(4月12日公表)。

 この不適切事象への対応として作成した新ツールのテストを実施する中で、事業者から提出されたBG需要計画の一部に不備が発見されたことから、改めて、本機関が加工処理した全てのBG需要計画について、当該不備の観点も含めた今一度の再点検を、各一般送配電事業者に対して依頼しました。

 その結果、新たな不適切事象等が判明いたしました(6月3日判明)ため、その事象についてご報告いたします。

<参考>前回の三次調整力①の誤算定等について(4月12日公表)
https://www.occto.or.jp/oshirase/sonotaoshirase/2022/220411_jukyu_mondai.html

1.発生した事象

 三次調整力①募集量の算出に関しては、本機関において、募集量を算出するために必要となるBG需要計画を広域機関システムから抽出したうえで、算定ツールを用いて加工処理を施して、各一般送配電事業者へ送付しています。その加工処理では、BG需要計画に加算されているポンプ計画値を控除しています。

 前回の三次調整力①募集量の誤算定においては、算定ツールのプログラム誤りにより、ポンプ計画値が二回控除されていたこと、また、算定ツールの管理・運用の不備により、本来控除すべきポンプ計画値等が控除されていませんでした(4月12日公表済み)。

 他方で、今回、再発防止策を講じている中において判明しました三次調整力①募集量の誤算定に繋がる不適切事象としては、次の2つが確認されました。

(1)前回不適切事象の抽出漏れ
 前回の三次調整力①募集量の誤算定が判明した際、同様の事象の有無を一般送配電事業者との間で確認を行いましたが、一部のエリアにおいて、当該事象の申告・抽出漏れがあったことが、今回、新たに判明しました。

(2)使用するBG需要計画の取り間違い <新たな事象>
 本機関が加工処理しているBG需要計画として、本来であれば、事業者が提出した最終計画値を使用すべきところ、2021年5、6月についてのみ、事業者が前日に提出した計画値を使用していることが、今回、新たに判明しました。これは、広域機関システムからBG需要計画(最終計画値)を抽出する際に、誤って、BG需要計画(前日に提出した計画値)を最終計画値を格納するフォルダに保存していたことにより生じた作業ミスによるものです。

 

2.三次調整力①募集量への影響確認結果

 今回の不適切事象により、東京、中部、九州の3つのエリアにおいて、三次調整力①募集量の誤算定が発生しております。各エリアへの影響は以下のとおりです。

 なお、他の6エリア(北海道、東北、北陸、関西、中国、四国)においては、今回の不適切事象による三次調整力①募集量に誤算定は生じていないことを確認できております。

 また、三次調整力①募集量の算定諸元として用いたBG需要計画については、調整力公募である電源Ⅰ必要量を算出するために2021年度以降使用していたものでもあるため、2021年度および2022年度向けの電源Ⅰ募集量に影響があるかについても確認いたしました。その結果、BG需要計画の変更に伴う集約結果に数値の変動は生じるものの、公募における電源Ⅰ募集量の算定結果には影響が無いことが確認できています。

【今回の不適切事象による影響】

 東京エリアでは、6月において、三次調整力①募集量が適正募集量に対して過小に算出されている断面と過大に算出されている断面がありました。募集量が誤っていた断面においては、応札量が少ないことによる調達不足が生じていたため、適正募集量で取引を行っていたとしても三次調整力①の調達には影響が無かったと考えています。

 中部エリアでは、4、6月において、三次調整力①募集量が適正募集量に対して過小に算出されている断面がありました。適正募集量で取引を行っていたとすると、三次調整力①の調達量が増加しますが、その量は、適正募集量の1%未満であることから影響は軽微であったものと考えています。

 九州エリアでは5、6月において、三次調整力①募集量が適正募集量に対して過大に算出されている断面がありました。この誤った募集量は、6月では適正募集量の2倍ほどになりますが、募集量が誤っていた断面においては、応札量が少ないことによる調達不足が生じていたため、適正募集量で取引を行っていたとしても三次調整力①の調達には影響が無かったと考えています。

 

3.今後の対応について

 今回判明しました三次調整力①募集量の誤算定に係る原因箇所については、既に是正処置を行っており、不適切事象による誤った募集量となっていた全てのエリアにおいて、6月14日に行われる三次調整力①取引以降、本来の募集量にて取引が行われる予定です。

 また、前回および今回の三次調整力①募集量に関する不適切事象に対する要因分析および再発防止対策については、引き続き検討を行ってまいります。

 

4.最後に

 本機関による作業ミス等により、度重なり、需給調整市場の取引に係わる全ての関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけすることになりましたことを、重ねてお詫び申し上げます。また、一連の不適切事象を発生させたことを重く受け止め、今後このような事態が生じないよう再発防止に努めてまいります。

 また、本件は、今後、本機関の委員会や国の審議会でも報告してまいります。
 いただいたご意見などを踏まえ、対応を進めてまいりたいと思います。

 

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