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更新日:2019年6月27日

2019年度第1回評議員会議事録

1. 日時

2019年4月25日(木曜日)15時30分~17時30分

2. 場所

電力広域的運営推進機関 豊洲事業所会議室(東京都江東区豊洲6-2-15)

3. 議事

(1) 議決事項

  • 第1号議案 定款の変更について
  • 第2号議案 業務規程の変更について
  • 第3号議案 送配電等業務指針の変更について
  • 第4号議案 2018年度事業報告について
  • 第5号議案 2018年度決算報告について
  • 第6号議案 需要想定要領の変更について
  • 第7号議案 役員退任後の本機関の中立性確保について

(2) 報告事項

  • 活動状況報告(2019年1月~3月)

4.出席者

(1) 評議員(14名中9名出席)

野間口評議員会議長、秋池評議員、牛窪評議員、大石評議員、倉貫評議員、竹川評議員、村上評議員、山内評議員、山地評議員

(2) 電力広域的運営推進機関

金本理事長、佐藤理事、遠藤理事、寺島理事、内藤理事、山田総務部長、進士企画部長、藤岡計画部長、石井運用部長、宮本事務局長補佐

5. 議事の経過及び結果

●遠藤理事

ただいまから2019年度第1回の評議委員会を開催いたします。

本日は現時点で総員14名中8名(1名遅れての出席)の方が出席しており、定款第45条第1項に定める過半数に達しています。議案の審議に先立ちまして、理事長の金本より評議員の任命につきましてご報告させていただきます。

●金本理事長

評議員の任期は定款によりまして2年と定められており、本年3月末をもって16名の評議員の方々が任期満了となりました。私どもといたしましては、議論の継続性を担保しつつ、議論の一層の活性化を図るため評議員数を減らし、経済産業大臣に認可申請を行い、3月26日に認可を受け、ここにおられる方を含め13名の方を任命させていただきました。また、倉貫評議員におかれましては、昨年8月からの継続となっております。皆様よろしくお願いいたします。

●遠藤理事

それでは新任の評議員方から一言ご挨拶をお願いしたと思ます。

○牛窪評議員

みずほ銀行で主に産業調査を担当している牛窪と申ます。今回から参加させていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

○竹川評議員

毎日新聞の論説委員をやっております竹川と申します。今年度より評議員として参加させていただきます。よろしくお願いいたします。

●遠藤理事

ありがとうございました。次に本評議員会の議長につきましても、評議員の任期2年という区切りに伴い、改めて定めたいと思います。議長は定款第44条第1項において、評議員の互選により定めることとなっておりますので、それまでの間は私が暫定的に議事を進めますので、よろしくお願いいたします。

それでは議長の互選を行いたいと思います。いかがでしょうか。

○山地評議員

私は引き続き、野間口評議員に議長をお願いしたいと思っております。野間口評議員は議長として、今まで立場や専門分野が異なる各評議員の意見をよくお聞きになって、評議員会全体の意見を取り纏め、議事運営に手腕を発揮されてこられました。今後もぜひ野間口評議員に議長をお願いしたいと私は思っております。

●遠藤理事

ありがとうございます。その他、推挙などされる方はいらっしゃいますでしょうか。

それでは野間口評議員を議長とすることに賛同の方は拍手をお願いいたします。

●遠藤理事

野間口評議員が議長に選出されました。それではご挨拶をお願いします。

○野間口議長

野間口でございます。皆さま方のご指名でございますので引き続き議長を務めさせていただきたいと思います。何しろ浅学菲才の身でございますので、この電力システム改革の推進に迷惑をかけないように、より良い意見をまとめて広域機関の運営がうまくいくようにしたいと思います。特に今後は容量市場の制度設計がいよいよ佳境に入りますが、広域機関の役割も当初から大変拡大しておりまして、評議員会も機関運営に役立つように皆様と共に知恵を絞ってまいりたいと考えておりますので、評議員の皆様よろしくお願いいたします。

●遠藤理事

ありがとうございます。さて、議長代理に関しましては定款第44条第3項で議長に事故があるときは、あらかじめ議長が指名する評議員がその執務を代理すると昨年定めております。この議長代理につきまして、野間口議長に指名をお願いできますでしょうか。

○野間口議長

私といたしましては、山地評議員にお願いしたいと考えます。山地評議員、お願いできま すでしょうか。

○山地評議員

微力でありますが、ご指名とあれば引き続き、承知しました。

○野間口議長

ありがとうございます。それでは、議長代理は山地評議員にお願いいたします。

●遠藤理事

野間口議長が山地評議員を議長代理に指名されましたことを議事録にも記載させていただきます。

それでは、本日の資料についてご説明いたします。お手元の資料をご確認ください。本日の議案は議事次第に記載のとおりです。資料は次第に記載のとおりですので、配布漏れ等がありましたら、事務局までお知らせください。また、発言の際はマイクのスイッチをオンにしてから、ご発言をされますようお願いいたします。

それでは、以降の議事は野間口議長にお願いいたします。

○野間口議長

それでは、議案に先立ち定款52条に定める議事録署名人を指名します。秋池評議員と村上評議員にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

○野間口議長

ありがとうございます。それでは、よろしくお願いいたします。

○野間口議長

それでは、議案の審議を行います。議事進行についてですが、今回の第1号・第2号・第3号議案の3件、および第4号・第5号議案の2件は、各々密接に関係する内容です。

このため、第1号議案、第2号議案および第3号議案は、一括して事務局説明と審議を行った後に一件毎に議決します。第4号議案および第5号議案も同様に一括して説明と審議を行った後に一件毎に議決します。

それでは、第1号議案「定款の変更について」、第2号議案「業務規程の変更について」および第3号議案「送配電等業務指針の変更について」、事務局から説明をお願いします。

●山田総務部長

第1号議案から第3号議案をまとめてご説明いたします。そのほとんどが、容量市場に関するルール変更でございます。第1号議案及び第2号議案は、評議員会の審議後、理事会での議決及び総会での議決を経まして、経済産業大臣へ認可申請を行います。また、3号議案は、評議員会の審議後、理事会での議決および総会への報告を経て、経済産業大臣へ認可申請を行うものでございます。

第1号議案、第2号議案、第3号議案について、新旧対照表がございます。これらの内容は、別紙1の方に盛り込んでございます。別紙1に入る前に簡単に別紙2をご覧いただけますでしょうか。別紙2につきましては、容量市場の概要及びルール策定の考え方についてとありますが、これはちょうど1か月前の評議員会でご説明した資料でございまして、簡単にポイントだけをご説明させて頂きます。

おめくりいただきまして10頁でございます。10頁の下の絵でございますけれども、これが容量市場のオークションの基本でございまして、左側の図でございます。オークションは、広域機関が運営管理者となり4年後の供給力を決定するのですが、応札者は発電事業者となります。右側の図に移りまして、4年後、いわゆる実需給期間になりますと、小売事業者が広域機関に容量拠出金を支払いまして、広域機関が発電事業者に対して容量確保契約金を支払うというのがオークションの基本でございます。

おめくりいただきまして12頁でございます。需要曲線というのも非常に重要でございま す。この絵の右側でございますが、まず、供給側でございますが、棒グラフがいわゆる応札 電源でございます。発電事業者が応札する電源、これを安い順に右へずらっと並べていきま して、赤い需要曲線と交わるところが約定点ということで約定価格をシングルプライスで決めていくというのがオークションの仕組みでございます。

以上別紙2のポイントを簡単にご説明させていただきました。

お戻りいただきまして別紙の1をよろしくお願いいたします。別紙1につきましては、2種類ございまして、1枚ものの別紙1(補足資料)というものと、分厚いホチキス留め、2種類がございます。

まず、1枚ものの右肩別紙1(補足資料)をご覧頂きたいと思います。この1頁で、容量市場の全体像を鳥瞰したいと思っております。横軸でございますが、容量市場の主な業務構成は5つでございます。まず「市場の開設」から始まって「参加登録」「オークション」「決済等」「その他」というように業務が流れてまいります。一方で縦軸でございますが、規定類としまして代表的なものは定款、業務規程、送配電等業務指針という3つがございます。それぞれのルールの性質に応じまして、それぞれの規定に落とし込んでいるわけでございます。我々は、この赤いところが特に重要なルールだと考えておりまして、今日は赤い部分を中心にご説明をさせていただきます。

簡単に左側から右側へ説明させていただきますと、まず、定款では、評議員会に関する事項を一部追加しております。その下でございますが、業務規程において容量オークションについて触れております。これは容量オークションの種類に関する内容でございます。右へ1個ずれていただきまして、「参加登録」の段、業務規程には、事業者や電源等の情報を我々が受け付けるという話と、その下、送配電等業務指針では、参加条件とありますが、どういった電源が容量市場に参加できるかということを定めております。右へずれまして「オークション」でございます。募集要項の策定、需要曲線の策定から始まって、一連のオークションの流れを業務規程に落とし込んでおります。右へずれて「決済等」とございますが、容量拠出金を徴収することを定款に定めております。その下、アセスメントですとか、発電事業者に対するお金の交付ですとか、ペナルティ、これらを業務規程に定めて、「その他」、最後でございますが、特別オークションですとか、容量市場の機能の検証、経過措置、これらについて定めております。これが全体像になります。

2頁の方は、目次でございますので説明は割愛させていただきます。

では、別紙の1のホチキス留めの資料の説明に入らせていただきます。まず2頁でございますが、今回2つめの四角でございます、今回の変更のポイントは、2つ矢じりがございまして、まずは容量市場に伴うルール変更でございます。あと、粒は小さいですが、その他のルール変更が4つのポイントでございます。大体、これは100頁ございますけども9割方が容量市場の中身となってございます。

おめくりいただきまして4頁でございます。まず矢じりの1つ目でございますが、広域機関の容量市場に関わる業務は、電事法の第28条の40第5号に定める業務の一環として行われるものとして整理をされております。いわゆる法的な拠り所は電事法の28条の40第5号にあるということでございます。

おめくりいただきまして7頁でございます。7頁は評議員会に関する事項で定款の一部の追加でございます。左側の変更前の第43条第3項でございますが、「評議員会は次の各号に掲げる事項について一定の期間ごとに確認し、必要に応じ理事長に対し意見を述べる」ということですが、中身としては、理事会の活動状況ですとか、苦情処理、供給力の確保といった重要事項が並んでおりますが、これが右側の変更後の第5号を見ていただきますと、下線部分、「容量市場の運営状況に関する事項」を追加しております。具体的な運営としましては、容量市場の運営状況を、適宜、評議員会にご報告いたしまして、それに対し皆様方からご意見を頂くことになろうかと思っております。

8頁でございます。容量拠出金に関する事項でございます。矢じりの1つ目でございますが、容量拠出金につきましては、会員である小売事業者、一般送配電事業者から費用を徴収すると整理をされておりますので、その旨を9頁に条文として記しております。

おめくりいただきまして11頁でございます。容量オークションの種類についてご説明します。この図をご覧いただきまして、容量オークションには、2つございまして、1つは実需給の4年前に実施するメインオークション、もう1つは必要に応じて1年前に実施する追加オークションでございます。さらに追加オークションにつきましては、追加で調達する調達オークションと余剰分をリリースするリリースオークションの2つに分かれるということでございます。左側にある特別オークションにつきましては、別途ご説明をいたします。右側でございますが、系統が連系されていない沖縄ですとか離島につきましては対象外のエリアとなっております。その旨を12頁で条文として定めております。

おめくりいただきまして17頁でございます。容量オークションへの参加条件をこの表でご説明申し上げます。上半分がメインオークション、下半分が追加オークションでございま す。メインオークションの参加条件をご覧いただきますと、1つは安定電源、2つ目は変動電源で、発動指令電源が3つ目ということでございます。安定電源というのは、例のところにありますように従来型の水力、火力、原子力、あと再エネで言うと安定電源と言われるバイオマス。次の変動電源につきましては自然変動エネルギーと言われる自流式の水力ですとか、その他の再エネ。3つ目の発動指令電源につきましては、出力が不安定な自家発、ネガワット、デマンドレスポンス、小規模電源。1000キロワット未満の電源につきましては、1000キロ以上でアグリゲートすれば、この容量市場への参加が可能ということでございます。

追加オークションの参加条件を見ていただきます。メインオークションで落選した電源と書いてございますが、これが追加オークションの基本的な考え方でございます。なぜかと言いますと、メインオークションでの売り惜しみを防止するという観点でございまして、要は途中から追加オークションで入ってきて高く売ろうというのはいけないよと、いうことでございます。

1個飛ばしていただきまして、その下でございますが、やむを得ない理由でメインオークションに参加できなかった電源等とございますが、例にございますように4年前には供給力の提供の目途がたたなかった新設電源等につきましても参加ができます。注意点といたしましては、欄外の米印でございます。実需給年度において FIT などで、他制度から補てん金を得ている電源は参加はできないということでございます。この内容につきましては、18頁と19頁に条文として盛り込んでおります。

続きまして21頁をご覧ください。事前登録手続きということでございます。事前登録手続きのポイントといたしましては、矢じりの1つ目の括弧書きにございますとおり、入札単 位は電源単位、またはアグリゲートした供給力の単位ということがポイントかと思います。あとプロセスとしましては、この絵のとおりでございまして、まずはステップ1で事業者情報を登録して、ステップ2で電源等情報を登録するというステップでございます。こういった中身につきましては、22頁から25頁の方に条文として盛り込んでおります。

おめくりいただきまして27頁でございます。メインオークションの流れをご説明申し上げます。下のフローをご覧頂きたいんですけれども、まず広域機関が募集要綱を策定して公表いたします。並行して、需要曲線を策定し、公表するわけでございます。需要曲線につきましては、次の29頁を一旦ご覧頂きたいのですが、29頁の32条の13でございます。本機関はメインオークション需要曲線の原案を策定するということでございます。まずは広域機関が原案を策定して、第2項でそれを、国の審議会等へ投げるということでございます。そして第3項で、広域機関が、その審議会の意見を踏まえて需要曲線を決定するという3 つのステップで需要曲線を決めます。

27 頁にお戻りいただきまして、そういった公表された需要曲線に基づきまして、今度は事業者側が、期待容量を登録します。期待容量というのは、応札できる容量の上限値でございます。広域機関が受け付けて審査をします。資格証明書を発行して、事業者が応札をして約定したら、結果を公表して、契約を締結するという流れでございます。これがメインオークションの流れでございます。これは、28頁以降に記しております。

39頁をご覧いただきたいのですが、39頁につきましては、追加オークションについて触れております。ただ、追加オークションにつきましては、今ご説明したメインオークションと流れは基本的に一緒でございますので、説明は割愛させていただきます。

46頁でございます。実効性テストでございまして、矢じりの1つ目の2行目、発動指令電源の提供者、例をあげますとデマンドレスポンスの電源は、4年前のメインオークション段階では、供給力を確定させることが難しいので、2年前に電源等リストを出していただいて、テストを行うといった内容が実効性テストでございます。実効性テストにつきましては、下のフローにございますとおり、一般送配電事業者との協力を得てやっていくということでございます。本内容につきましては、47頁から51頁の方に盛り込んでおります。

56頁をおめくりください。アセスメントでございます。これはリクワイアメントの達成状況の確認ということでございますが、1つ目の矢じりでございますが、アセスメントは、実需給年度の開始の前と実需給年度中に分かれます。2つ目の矢じりにつきましては開始前のアセスメントでございまして、これは、1つ目のチェックにあるとおり、実需給開始の2年前に電源等リストがちゃんと出されているかということでございます。また、チェックの3 つ目にあるとおり、容量確保契約締結後に FIT 電源となった電源がないのかどうかを随時確認するというものです。次の矢じりにつきましては、実需給年度中のアセスメントということでございまして、チェックの2つ目にあるとおり、供給力の確保状況ですとか提供の実績を確認するアセスメントでございます。本内容は 57、58 頁に織り込んでおります。

続きまして60頁をお願いいたします。容量確保契約金に関する規定でございまして、2つ目の矢じりでございますが、小売電気事業者及び一般送配電事業者から徴収する容量拠出金を原資としまして、我々が容量提供事業者、発電事業者等へ交付を行います。この場合、ペナルティがあれば、その分は差し引いて支払われることでございます。これが交付に関する規定でございます。

おめくりいただきまして67頁をお願いいたします。ペナルティでございます。この絵にございますとおり、ペナルティには2種類ございまして、経済的ペナルティと参入ペナルティがございます。経済的ペナルティにつきましては、1つ目の四角、容量確保契約を解約した場合ですとか、3つ目にございますとおり、実需給年度において必要な供給力を提供できなかった場合があります。一方、参入ペナルティにつきましては事業者が重大な違反行為を行った場合でございます。この内容は68頁に条文として盛り込んでおります。

おめくりいただきまして74頁でございます。特別オークションでございます。メインオークションですとか追加オークションをやっても必要な供給力を確保できない場合ですとか、政策的な対応が必要となった場合は特別オークションを実施する旨が整理をされております。これにつきましては、次の頁に規定化しております。

76 頁でございます。その他でございまして、1つ目、広域機関は継続的に容量市場の機能の検証・改善を行う旨が整理されておりますので、その旨を、次の頁、77頁に盛り込んでございます。

ここからちょっと細かい内容が続きまして、ほとんど最後の方に入ってまいります。87頁でございます。87頁の規程附則第3条でございまして、容量市場に伴う小売電気事業者への激変緩和措置といたしまして、2つ目の矢じりにあるとおり、2010年度末以前に建設された発電設備を対象としたものつきましては、発電事業者等へ交付する金額から一定率を控除する措置ということで、経過措置を導入するということでございます。これにつきましは、次の頁に定めてございます。

経過措置につきましては、先ほどご説明しました別紙2というものをもう一度ご覧いただきたいのです。別紙2の25頁でございます。経過措置の控除率でございます。実需給の初年度でございます2024年度は42パーセント控除して支給し、だんだん7パーセントずつ減っていきまして2030年度は経過措置はなくなるということでございます。

容量市場に関しましては、最後に、別紙1の(補足資料)に戻っていただきまして、パブリックコメントについて触れたいと思います。裏面の3頁でございます。これがパブリックコメントの結果でございます。我々、3月13 日から4月2日の期間でパブコメを実施しました。結果としまして、5者から12件の意見が出ているということでございます。回答は4 月 16 日に公表済でございます。主な内容を3頁でご説明させていただきます。

まず、定款につきましては、意見といたしまして1つ目、電気事業法を変更せずに広域機 関の定款の変更だけで容量市場を開始することができるのか、ということでございますが、私が冒頭ご説明いたしましたとおり、国の整理では、電気事業法上の容量市場開設の根拠は、電気事業法28条の40第5号とされております。

2つ目、容量市場の導入は、他の容量確保手段、海外のいろんな例がございますが、これらを比較・分析して決定したのか、ということでございますが、我々の回答といたしましては、ワーキングや委員会におきまして、いろいろ検討した結果、容量市場が一番、最も適切ではないかと整理がされているということでございます。

3つ目でございます。総括原価方式の時代に建設された既設電源に対して支払う容量拠出金は、固定費の二重払いになるのではないか、という話でございますが、これにつきましては、先ほどご説明しましたとおり、2010年度末以前に建設された既設電源には、経過措置を設けております。

4つ目、容量市場のような複雑な仕組みは、制度変更や撤退が困難なのではないか、という意見に対しましては、検証、見直しを定期的に行っていきます。

続きまして、容量拠出金の額の見通しはどの程度か、という意見に対しましては、約定価格に左右されるため、見通しを示すということは困難でございますという回答をしてございます。

下の4頁の方は、若干粒が細かい内容でございますので、ご説明は割愛をさせていただきます。

では、別紙1のホチキス留めに戻っていただきまして容量市場以外のルールを説明させていただきます。

89 頁でございます。別紙1の89頁でございます。その他のルール変更といたしまして、4つのポイントがございます。若干粒感が小さいですが、ご説明させていただきます。

90頁でございます。系統情報公表に関するルール整備の機動性確保のためのルール変更でございます。どういうことかといいますと、これまで、国の系統情報ガイドラインを変更して、それを受けて広域機関のルールを変更する場合は、パブコメをやったり総会の議決を経たり経産大臣の認可といったいろんなプロセスがあったわけでございます。ところが、国のガイドラインもしっかりとした議論が尽くされているわけでございますので、こういったものを、広域機関のルールに反映する場合は広域機関の理事会でやりましょうという中身でございます。その内容が91、92 頁に書かれているわけでございます。

93 頁でございます。FIT 期間満了となる低圧の FIT 電源対応に伴うルール変更でございまして、94頁でございます。今年の11月以降から、いわゆるFIT卒業電源というものが出てまいります。こういったFIT卒業となる電源につきましても、我々がこれまで用意しているスイッチングの支援システムによって、申込みを可能とするように対応するということです。それに伴いまして、規程類を変えるというのが、95と96頁でございます。

97 頁の計画ルール変更ということでございます。冬季需要についての検証等を追加するという内容が、98頁でございます。今後、夏季だけではなくて冬季需要につきましても検証をする必要性が高いことから冬季の需要検証につきましても、規定化を図るというものでございます。

最後でございます。101頁でございます。下げ調整力でございますが、102頁にございますとおり、下げ調整力の活用、下げ調整力が不足する場合の措置につきまして、電力貯蔵装置いわゆる蓄電池が用いられていることから、これを規定に反映するという中身でございます。

以上、主な変更のポイントをご説明させていただきましたが、これ以外にも、いわゆる「てにをは」レベルの修正等もございます。それにつきましては、説明は割愛させていただきます。私からの説明は以上でございます。

○野間口議長

ありがとうございます。それでは、ご質問、ご意見のある方は、どうぞお願いします。

○山内評議員

全体について理解しました。何か異議を唱えるのではないんですけど、さっきの経過措置なんですけども、別紙の2の25頁で控除率といいますか減額率を示されておりますが、減額率についての根拠といいますか、試算の何か基準といいますか、そういったものがあるか教えていただけますか。

●進士企画部長

この数字は、2020年を基準にしまして、そこで70パーセント控除を仮定しましてですね、30年度に0パーセントになる。それで計算するとこういう表になります。

○山内評議員

それは例えば減価償却とかそういったものとか率とか、そうゆうものを参考にしたわけではないわけですね。

●進士企画部長

そうですね。

○山内評議員

わかりました。

○野間口議長

他にございませんか。

○村上評議員

1点、よろしいですか。4頁の意見募集のところに戻ってですね、容量拠出金の額というので、約定価格に左右されるため、見通しを示すのは現状では困難であるってこういう答えになっているんですが、結局、小売電気事業者でもいろんな人が電源を確保していると思うんで、市場から得たり相対で得たりするんですが、それで大体この拠出金というのはどういう風に相場観がどうなっているとか、どういう風に割り当てるとか、考え方はもう確定してるもんなんでしょうか。

●佐藤理事

確定してます。割り当て方は確定してるんですが、なにぶん説明にありましたように、総額については入札で決まりますので、これはわからないです。2桁くらい変わる可能性がありますので、本当にわからないと思います。つまり、0円みたいなところでとにかく低値で徹底的に発電事業者の方っていうのが札を出す場合もありますので、その時の落札価格は非常に小さくなってしまう可能性もあり、本当に全体で数百億とかになる可能性があります。逆にかなり高値になった場合は、数千億の、数千億でも後半の方になる可能性もありまして、本当にこれはわからないと思います。

○村上評議員

わかりました。

●佐藤理事

ただ、割り振り方は大体わかっておりますので、2020年度にまさに入札をやって全体の額はわかりますから、そうすると少なくとも自分がこれぐらいのお客さんを持ってたら、どれぐらいになるかっていうのはかなり、2020年度の入札やった後はわかると思います。

○村上評議員

それはやっぱり量によって割り当てるとか割り振りする感じですか。

●佐藤理事

最大需要を中心にやります。

●遠藤理事

シェアですね。要はシェア割りにするってことなんですけども。

●佐藤理事

最大需要で、その小売事業者毎の最大需要が、全体の最大需要の中でどれぐらいのシェアかっていうので、決めていくことになります。

○野間口議長

よろしいですか。

○村上評議員

すいません、もう1つ、その時の小売事業者は例えば電源を市場から得てるのか相対とか さまざまな形で電源をどう得てるかっていうのは関係しないってことですか。

●佐藤理事

これはですね、発電事業者側には一旦すべての電源設備を出してもらいますので、小売事業者としてどんなに自社電源ですべてまかなわれていても、今、先生がおっしゃったように相対でほとんどカバーされてるとしても、関係ないです。ただ、経済的な結果として、自分が全部電源を持ってたら、その分払った分をもらうだけなので行って来いで、プラスマイナスゼロです。

○野間口議長

確かに、理論的には、今、佐藤理事がおっしゃったようになるわけですが、村上評議員の問いかけは、もっともで、やはり相場観と言いますか、予見性がなければいけないので、その辺はできるだけ、オークション1回やったらわかるっていうだけでは、理解が難しいですね。

●佐藤理事

2020年度に入札をやって、例えば3ヶ月後に払うとか、半年後に払うなら一体どうすればいいんだってことになると思いますけど、支払いまでは4年ありますので、さすがにそれだけあればいろんなこともできます。突然どうするのかとはならずに、4年あるじゃないですかっていう点で、そのための4年ではないんですけれども、ちょっと他の制度と違ってます。ほかの制度は決まったら即時執行とはいかなくても相当早い時期に執行になりますが、これは相当時間がありますし、あと先生がおっしゃったように、例えばその間に相対契約をすれば、自分が支払った分が返ってくるわけですので、4年間あれば相当できるってこともありますので、結果としましては準備ができると思います。

○野間口議長

そうですね。

●佐藤理事

はい。

●遠藤理事

金額が青天井になるかというと、そうゆうことはなくてですね、別紙の2の12頁のところにグラフが出てまして、需要曲線と落札電源・約定価格のイメージという、右の図なんですけども、この需要曲線というのを広域機関が作って決めます。それに基づいて、約定価格というのがどこでクロスするかで決まります。この需要曲線の縦軸が約定価格というのがあって、この例えば一番上の上限価格ですね、横にフラットになっている部分は、大体、今、1万5000円ぐらいです。それから目標調達量というのが横軸にあって、そこのポイントがこのぐらいの額で入札するんじゃないかと予想してるんですけど、それが大体9000円ぐらいの価格になってます。

●山田企画GM

別紙2の23頁にですね、簡単な例を示します。今、理事の遠藤が申したとおり、0円から上限価格の間のどこかで決まるだろうということでございますけども、仮に約定価格が2000円ということになりまして、ある事業者様がピーク時のキロワット実績が1万キロワットであればですね、年間2300万円相当で、2024年度の場合は経過措置がございますので、1400万円程度と試算をしてございます。従いまして、約定結果が出ればですね、このような形でお示しすることができますし、現段階ですと、お示しできるのはこのような試算という形で事業者の方にもご説明をしているというところでございます。

○野間口議長

大分理解が進んできました。よろしいですか。次にご意見はないでしょうか。先ほどの説明で、4年間の余裕がありますが、容量拠出金を小売事業者が拠出して、それから発電事業者にお金が振り分けられるわけですけども、これに応募しようという発電事業者は4年先行して資金を調達して、設備の更新、改善あるいは新設などに使っておく必要があるわけですね。

●佐藤理事

そうですね、議長が仰ったようにだんだんそうなってくると思います。と言うのは、今まではご案内のように容量メカニズムはありませんでしたので、まさに今議長がおっしゃったように、これを当てにせずに事業者自ら新設したり、リノベーションしたわけですけど、 これがもう完全に定着してきたら、「4年間はお金が入らないけどやらないと」という風にだんだんなってくるということです。今は本当、当てにしないで発電設備を作ってますが、どこかでその常識が変わってくるってことになると思います。

○野間口議長

なるほど、そう理解した方がいいですね。はい、わかりました。それではよろしいでしょうか。大体評議員のみなさん、肯定的なので、ご理解いただいたと思います。議決をとりたいと思いますが、第1号議案「定款の変更について」原案どおりとすることでよろしいでしょうか。

○評議員一同

異議なし。

○野間口議長

ありがとうございます。第1号議案は原案どおりの議決とします。

続きまして、第2号議案「業務規程の変更について」原案どおりとすることでよろしいでしょうか。

○評議員一同

異議なし。

○野間口議長

ありがとうございます。第2号議案は原案どおりの議決とします。

最後に、第3号議案「送配電等業務指針の変更について」原案どおりとすることでよろしいでしょうか。

○評議員一同

異議なし。

○野間口議長

ありがとうございます。第3号議案は原案どおりの議決とします。

○野間口議長

続きまして、第4号議案「2018年度事業報告について」および第5号議案「2018年度決算報告について」事務局から一括して説明をお願いします。

●山田総務部長

第4号議案、第5号議案についてご説明申し上げます。

両議案とも評議員会の審議後、理事会での議決及び総会での議決を経たうえで経済産業大臣への承認申請を行います。第4号議案は2018年度事業報告について、第5号議案は2018年度決算報告についてとなっております。

第4号議案の資料と第5号議案の資料の主要部分をコンパクトにまとめた別紙3というものについてご説明させていただきます。よろしくお願いいたします。タイトルが2018年度事業報告及び決算報告についてというものでございます。

2018年度の事業報告及び決算報告につきましては、広域機関の総会で議決のうえ、監事意見書を付しまして経済産業大臣の承認を得ることが必要でございます。

本内容につきましては、今後の総会又は経済産業大臣の承認等に際して変更が有り得る点をご留意いただきたいと思います。

ではまず初めに、事業報告書のほうからご説明申し上げます。

一つ目の下線でございますが、供給計画の取りまとめ、検討及び経済産業大臣への送付ということでございますが、事業者から供給計画の提出を受けまして、需給バランスの見通し、流通設備計画の状況等を取りまとめました。併せて、容量市場が機能するまでの間の供給力の確保ですとか再エネ大量導入の下でのレジリエンス強化に向けた調整力に関する意見等を付して、3月29日に経済産業大臣に送付をしております。

二つ目の下線でございます。容量市場の導入に向けた検討ということでございまして、検討会を9回開催いたしまして、オークション及び精算の考え方等について議論を行っております。また、2020年度に初回オークションを行うことを念頭に、具体的な業務運営の検討を開始しております。

次の下線、需給調整市場の導入に向けた検討ということでございまして、小委員会を8回開催し、市場運営等に係る詳細検討を行っております。また、作業会を9回開催して広域的な調整力運用も視野に入れた技術的検討を行っております。

次の下線、広域系統長期方針ということでございます。広域系統整備委員会におきまして8 回の審議を行っております。①としまして、コネクト&マネージに関する取組、②としまして、費用対便益評価を用いた増強判断基準に関する取組、③としまして、効率的なアクセス業務のあり方に関する取組、これらについて検討を行ってございます。

次の下線でございますが、北海道胆振東部地震に伴う大規模停電に係る検証ということでございます。これにつきましては、検証委員会を設置し、計4回開催しておりまして、最終報告を12月19日に公表いたしました。

これと関連いたしますが、次のレジリエンスの向上ということでございますが、 以下の事項につきまして、今春を目途に一定の結論を得るよう検討を開始しております。

①北海道本州間連系設備の更なる増強等の検討

②更なる供給力等の対応確保策の検討

③レジリエンスと再生可能エネルギー拡大の両立に資する地域間連系線等増強・活用策等の検討

④太陽光・風力発電機の周波数変動に伴う解列整定値等の見直し

⑤停電コストの技術的な精査等

ということでございます。

次、需給の状況が悪化した場合等における会員への指示ということでございます。

猛暑や震災等に伴いまして、広域的な融通を行わなければ、電気の需給の状況が悪化するおそれがあったため、会員への指示を行ってございます。また、九州電力からの下げ調整力不足時の対応要請に基づきまして、本機関設立後初の長周期広域周波数調整を行いまして、九州エリアの再生可能エネルギー発電設備の発生電力を中国以東のエリアへ送電したということでございます。

次の下線はシステム開発の円滑な実施ということでございまして、容量市場システムは、実需給前までの機能開発に向けましてプロジェクト計画の策定及び要件定義を行い、一次開発に着手をしております。広域機関システムは、間接オークション対応に向けて工程管理等を適切に行い、導入対応を遅滞なく完了しております。また、新北本連系設備への対応、間接送電権発行に向けた対応準備等を計画どおりに完了しております。

以上が事業報告書に関するポイントでございます。

3ページからは決算報告書に関するポイントでございます。

まず一つ目でございます。収入支出決算につきましては、収入決定済額が94億9千万円で対予算比 4億3千万円の増、一方で支出決定済額は77億1千万円で予算比13億4千万円の減となりました。

二つ目でございますが、では収入差4億3千万円の主要要因につきましては、一つ目のポツ、前年度よりの繰越金 剰余見込想定差ということでございまして、これは見込以上に剰余金が余ったというものでございまして、4億5千万円の増ということでございます。また二つ目のポツ、広域機関システムの開発遅延損害金の想定差ということでございまして、1千7 百万円の減ということでございます。

三つ目でございます。支出差13億4千万円の主要因につきましては、一つ目、人件費で2 億3千万円減ということで、内訳としましては、職員の計画人員ですとか給与水準が当初の想定を下回ったことによるもので1億8千万円、これと連動しまして法定厚生費の減で 5千万円ということでございます。

次、固定資産関係費ということで4億8千万円の減。有形固定資産取得費で0.9千万円の減、また無形固定資産取得費で4億6千万円の減ということで、これにつきましては中身としましては広域機関システムの工程見直しによる繰延ということでございます。

次、運営費他ということでございまして、6億2千万円の減でございますが、内訳としましては運営費2億2千万円、これにつきましては、調査委託の繰延2億円でございます。

また、支払利息。入札効果、入札によって利率が低かったということでございますが、これが1億2千万円程ございました。あと予備費は使ってございませんので2億6千万円の減ということになってございます。

その下、予算総則に規定した事項に係る予算の実施結果ということでございますが、債務を負担する行為、これはシステムをリース契約で複数年にわたって債務を負担する額でございますが、当初の限度額といたしまして87億9千万円を設定しておりましたが、実際に負担した額は86億4千万円ということでございます。

次の括弧、支出予算の流用でございますが、流用は一定の制限がかかっておりますけれども、制限を超えて流用したことはございませんでした、ということでございます。

4 ページでございます。収入支出予算の弾力条項でございまして、一般会費において、予算額に比して収入が増加いたしましたが、総会運営等の必要経費に充当しております。

最後、給与等の制限でございますが、予算において予定した役職員の定員数の増加及び給与の基準をこえた支給はございませんでした、ということでございます。

これが決算報告書のポイントでございます。

以上、第4号議案と第5号議案をご説明申し上げました。ありがとうございました。

○野間口議長

ありがとうございます。それでは、評議員会の皆さんからのご質問ご意見をお願いします。

○秋池評議員

3ページについて2点ですけれども、システムにつきましては、過去にご苦労されたところもおありですが、工程の見直しによる繰延ということで、この繰延は遅延による繰延なのか、或いは合理的な理由によって繰延べることのほうが良いというご判断でのものなのかというのが1つと、それから人件費につきまして、想定を下回っているということですが、これから容量メカニズムなどの実務が始まりますと、人員は必要なのだとは思っておりますけれども、採りたいけれども採れないということなのか、或いはこれも合理的な理由で減っているのかということについて教えて下さい。

●山田総務部長

はい、まず1点目の広域機関システム工程の見直しということでございますが、中身をご説明いたしますと、FCの増強ですとか、機能改良といったものでございまして、遅延したというよりも、むしろ合理的な理由で延ばしたほうが賢明ということで繰延しているという中身が1つでございます。

もう1点の人件費もこれもむしろ合理的な理由でございまして、適正な人員、あと給与水準で実施したことによって、合理的に下回ったということで考えてございます。

○倉貫評議員

地域間連系線の検討適否判断とあるんですが、現状結局どういう方向性になっているかを教えていただきたいんですけども。どういう形でどれくらいの費用がかかる、いくつかオプションがあったと思うんですけども、変動費等はどれくらいになっているのか。

●寺島理事

私から説明させていただきます。ここで言う「検討適否判断」と「計画実施判断」と言いますのは、広域機関としてはまだどういうルールでやろうかというところを詰めたところの内容でございまして、一部では、ご存じのように、新々北本などでは先行して、国からの要請を受けてやっておりますけれども、ここで整理した大きな考え方というのは、日本全体の地域間連系線について、どこで混んでいるんだろうかということを絶えずチェックしながら、増強したほうがいいのではないかという最初のスタートを切るのに、費用対便益というツールを使って、国民全体の便益がどのくらい上がるのかを比較しながら見ていって、ある程度これはしっかり検討したほうがいいのではないかというところを「検討適否判断」と言っています。

更に、今度はそれを見つけて、実際には詳細に検討していかなければいけないだろう、工事額とか実質どのくらいだろうかとか、いろいろなパラメータを比較して10年以上も先のことを想定しながら検討するのが「計画実施判断」です。これらについては、もうやるぞというようなことになるか、いやちょっとまだ待てということなのか、この2段階で 検討しようという整理したということです。

どちらも非常に重要なのは、ここで書いてあります「費用対便益」という、特定の事業者のメリットではなくて社会厚生を考えて連系線の増強を決めていこうということが1つポイントになろうかと思います。

●佐藤理事

先生がおそらくお聞きになりたいのは、新々北本はいつどこで取り上げるのかというご質問であれば、明日の18時から20時の間の委員会で出そうかと思っています。

●寺島理事

ご質問の向きとしては、これは、事業報告書の中の全体の枠組みについてでございまして、個別の新々北本の件については明日のレジリエンス小委員会というところです。

●佐藤理事

委員会としてはほぼ最終的なものを出して、国に報告ということになると思います。

●寺島理事

今、私が説明した内容を明日の小委員会でいろいろとやっているものでございます。その他、費用対便益以外にも、何かいろいろセキュリティ面でも効果があるとか、他の効果はどうかとか、いろんな多面的に連系線増強の効果についても、明日の委員会ということでございますので、今日この場では、これ以上はご容赦願えればと思っております。

○野間口議長

ありがとうございます。今のやりとりは大変重要と思います。新々北本の連系線の計画が1 年位前の大きな議論になりましたが、あれはやはり3.11等を受けて我が国として早急に着手しなければいけないということで始まった問題なのでしょうか。

●寺島理事

3.11を受けまして早急にやるべきであるということで、国から要請を受けたのは、広域機関発足したちょうど4年前に検討開始した50/60Hzの周波数変換設備FCの検討です。これについてはセキュリティの観点から、大きな災害が起きて電源が脱落した時に、計画停電を回避するためということで検討いたしました。それについては、今から2年くらい前に広域機関でも計画決定しまして、今は工事の準備に入っているというものでございます。

今回の新々北本ということで、先ほど話があったものについては、昨年の9月6日の北海道ブラックアウトを受けまして、電力レジリエンスの強化と同時に、再エネを導入しようというところとの両立を図るべきだということで、国のレジリエンスワーキンググループでその議論が出ていまして、是非、急ぎ技術的知見のある広域機関において、その増強の規模と効果と、それに伴う費用を出すようにという要請がまいりましたので、それを受けて、今まさに検討をしている最中でございまして、それを明日の広域機関の委員会でまとめ、国に渡していくという順番でございます。

○野間口議長

私、変な言い方をしましたけれども、広域機関として、課題発掘、課題の特定も日頃の検討の中で将来を見通して、新々北本のような提言もして、オークションを始めたいですね。国の指示を待つまでもなく、そういう機能を発揮していくんだということの始まりかなと思いました。国と連携するということは非常にいいことなので、今の説明であれば、それでいいかなと思います。

●寺島理事

FCの件は4年前に国から要請を受け、今回の北本の検討も国から要請を受けてやってますけども、この事業報告書の2ページ目の一番上に書いてあるのは、たとえ国からの要請を受けずとも、広域機関が自発的に系統全体を見て、どこに混雑が頻発してるのか、その混雑解消による便益は何なのかということをルーティーン的にしっかりやっていこうというような仕組みでして、それを作ろうというのを今まさに検討している最中です。

○野間口議長

非常にいいことだと思います。

●佐藤理事

議長が仰ったような国に先駆けてやっているものがあるのか、例えば1ページのコネクト&マネージ、これは凄く有名になりましたが、これは完全に広域機関のほうが先行的にやっていて、こういうこともすべきじゃないのかというのが山地先生の所でも出てきて、先行的にやっていました。そういうこともありますので大丈夫です。

○村上評議員

確認だけです。決算の報告で実績値と計画値がずいぶん違った場合の説明、これ単純に聞いてそのとおりだなと思ったんですけども、その前段階の貸借対照表や損益計算書の数値というのはいわゆる会計監査人のチェックを受けているということでよろしいですか。

●山田総務部長

監事の意見書という形で今監事に依頼をかけている最中でございまして、それが5月の頭に帰ってくる、そういった状況でございます。監事に見ていただいているということです。

○村上評議員

それは一般の株式会社と同じ会計検査を受けているということ?

●金本理事長

普通の会社の会計とは違う仕組みになっておりますので、いわゆる皆さん思っている公認会計士監査ではございません。

●寺島理事

監事の意見を添えて総会に付議します。その総会に付議する前の案という形で今お諮りしているということになります。

○村上評議員

私の質問は単純にここの数値の正確さのことだけなんですが、それは大丈夫ということで良いですか。

●山田総務部長

はい。

●佐藤理事

理事会で正式に会計監査人たる監事のほうにチェックをしてくれというのを出して、正式な形で大丈夫だったというのをいただいて、それを総会へ報告するということを毎年やっております。

○大石評議員

3ページのところの運営費のところで調査委託繰延による委託費が2億円減ということになっているんですけれども、これ調査とはどういうもので、どういう理由で繰延になっているのかわかれば教えていただければと思います。

●山田総務部長

主に容量市場に関する調査を予定しておりましたが、その時期にやるよりも、もう少し後ろ倒ししたほうが適切でないかということで後ろ倒しをしているという中身でございます。

○大石評議員

容量市場の中身についての調査ということですか。

●進士企画部長

海外の仕組みとか、今後容量市場の詳細の内容を決定するにあたってですね、海外の状況や手続き等の調査を今後の日本の仕組みを決定するにあたって調査するものでございます。その時期をですね、当初よりも少し繰延したということでございます。

○野間口議長

よろしいでしょうか。 今日の報告の中には無いんですけども、ここで全国のネットワークを監視し、情報を集めて安定的な運営を行い、日本の電力インフラを支えているわけじゃないですか。これ24時間体制でやっておられるわけですけども、ここに集まっている職員の方で24時間体制でやっている人と制度設計に関わる人、だいたいどのくらいの割合、人数になるんですか。

●内藤理事

24時間、当直ですけども、それは4名体制の5班ですから20人です。160人のうちの20 人がシフト勤務です。あとは日勤ですから、そういう割合です。

○野間口議長

厳しい評議員的意見が出なくなるかもしれませんけども、その頑張りはすごいなと思います。一旦、何かある時の緊急サポート体制が要るんじゃないかと思うんですが、その頭数で足りるんですか。

●内藤理事

土日とか夜間が一番厳しいわけなんですけども、その時は初動体制はまず 4 人でやらなければいけない。それで駆けつけて日勤の者が応援に入るという体制を組んでおります。 昼間で何かあればすぐ我々がサポートできるので問題ないけども、問題は土日とか夜間。この間の北海道の時は夜中の3時でしたから、そこから情報まず第一報をもらって、それで皆さん駆けつけて朝から対応作業、こういうような状況。

○野間口議長

それで3交替をやっている。

●内藤理事

実際は昼日直と夜日直の2交替。

○野間口議長

問題解決していないけども、休めというような指示等はされていますか。

●内藤理事

時間で必ず交替するということでやっています。

○野間口議長

専門家だから大丈夫と思いますが、心配になった次第です。

●内藤理事

地域の電力会社も中央給電所があってそれも3交替でやってますから、そこと連携をとりながら需給の最新の状況について確認するということです。

○野間口議長

地域の中給と連携しながら、全国のネットワークを監視されていることが分かりました。他にご意見ないでしょうか。

それでは第4号議案の議決に入りたいと思います。ただいまの「2018年度事業報告について」原案どおりとすることでよろしいでしょうか。

○評議員一同

異議なし。

○野間口議長

ありがとうございます。それから第5号議案「2018年度決算報告について」原案どおりとすることでよろしいでしょうか。

○評議員一同

異議なし。

○野間口議長

ありがとうございます。次は第6号議案「需要想定要領の変更について」です。事務局から説明をお願いいたします。

●藤岡計画部長

はい、それでは、第6号議案の説明をさせて頂きます。説明の資料につきましては、別紙4でパワーポイントの資料がございますけれども、そちらで説明をさせて頂きます。まず、需要想定要領につきましては、需要想定要領とは、なんぞやということですけれども、需要想定の手法等に関する具体的な事項を定めたものでございまして、この要領にしたがって、各一般送配電事業者が需要想定を行っております。2ページ目に、今回の需要想定要領の変更概要を記載していますけれども、大きく2点ございまして、まず想定方法の説明性向上に向けた変更というものと、冒頭ありました業務規程、送配電等業務指針にあわせた軽微な変更と大きくこの2点でございます。詳しく、3ページ目以降で説明したいと思います。まず、需要想定方法の説明性向上に向けた変更でございます。こちらにつきましては、まず一つ目、現状の需要想定要領につきましては2015年に制定したものでございますけれども、この制定した際には、従前より、旧一般電気事業者が実施しておりました需要想定方法を踏襲出来るように定めております。その為に、いくつかの想定方法が併記されていると、そういう状態でございました。その結果、想定方法の選択理由が明確にならないまま、各社で想定作業を行っておりまして、その結果として、エリア毎に想定方法のバラつきがあったという状況でございます。ですから、なぜそういう想定手法を使ったのかという、説明性が非常に乏しかったという状態でございました。今回、各エリアの想定方法について複数ある方法のうち、どの方法が最適かというのを検証しまして、その結果、想定方法を揃えられたものと、揃えられなかったものというのがございました。この検証結果を踏まえまして、その想定方法に揃えられたものにつきましては基本的な想定方法として明示しまして、その基本的な想定方法を使用しない場合は、その理由を明らかにするというふうな形で、今回要領を見直したというものでございます。具体的な例を5ページ目で、申し上げたいと思います。まず、事例の一つとして、これは想定方法を揃えられた例でございますけれども、最大需要電力いわ ゆる kW の想定の手法でございます。下に絵がございますけれど、①と②にありますように二つの方法がございます。①の方法は絵を見ていただきますと、需要電力量、いわゆる kWhから想定する方法でございまして、それぞれ家庭用その他、業務用、産業用その他というふうに、それぞれkWhの想定をして、そこから負荷率で割り戻して、最大需要電力 kW を想定するというこういうやり方でございます。2 つ目の方法、②と記載してますけれど、こちらは、最大需要電力kWからダイレクトに想定する方法でございまして、ベースのkWの想定に夏季特有の需要を加えまして、それで最大需要電力を想定するという方法でございます。こちらが、先程の1つ前のページの4ページにA社からJ社というふうに、10社、一般送配電事業者が想定してございますけれども、その左側の点線で書いているところの最大需要電力という欄を見ていただきますと、②と①ということで、それぞれ採用しているのが、バラバラだという、そういう状況でございました。5ページ目に戻りまして、今回、双方の想定手法を検証した結果、全てのエリアで①の方法を採る方が最適な方法だということとなりまして①を最適な方法だというふうに基本的な方法として定めたというものでございます。もう一つの例が6ページ目でございまして、こちらは家庭用その他電力量を想定する為の口数の想定に使うものでございます。まず、家庭用その他の電力量の想定につきましては、契約口数、口数と原単位(一口当たりにどれだけ電力を使うかという)それをかけてですね、家庭用その他の電力量を想定しているんですけれど、口数の想定にあたって、2種類の方法があったということでございます。下にこちらの図がございますけれども③と書いている想定は、これは、人口の経済見通しと、一口当たりの人口(一契約当たりの人口)、これをそれぞれ出しまして、人口割る一口当たりの人口とすることによって、口数を算出するという方法でございます。④の方法っていうのは、口数をダイレクトに想定するということで、時系列等によりまして口数を想定するという方法で、こちらも4ページのところを見ていきますと、③と④ということで、各社によって、バラつきがあったということでございます。これも、今回、両方のやり方でやってみて、どちらが当てはまりがいいかというのを検証した結果、③の方法の方が各エリア共に良かったということで、こちらを基本的な手法としたいというものでございます。少し、4ページに戻っていただきまして、全てがこの様に上手く揃えられたというものではございません。4ページ目の下の表にあります通り、例えば、その需要電力量kWhの想定のうち、例えば、業務用とか、産業用の想定につきましては、それぞれ会社毎に時系列とかGDPとかKP3とか色々バラバラでございますけれども、これはそれぞれのエリア特性、産業構造とかそういうもので特徴がございますので、これは、それぞれに適した方法を採る方がいいだろうということで、こちらにつきましては、それぞれのどれが最適だったかっていうのは当然、説明する必要がございますけれども、特段その複数、基本的な手法として明示するということはしてございません。7 ページ目が、大きな変更の2点目でございます。こちらは、非常に軽微なものでございますけれども、冒頭の送配電等業務指針において、冬季の需要想定の検証をやっていこうというものでございます。これまで、最大電力は、夏に発生するエリアが多かったものですから、夏の需要想定の検証につきましては全エリア実施してございました。ところが、最近は供給力が厳しくなるのは、むしろ冬の方が厳しくなるということで、これまでは、北海道と東北エリアの2エリアにつきましては、冬季というのは、きちっと検証してございましたけれど、全エリア共、冬季の想定の検証をやっていこうという変更に伴うものでございます。それと、もう一つ2つ目の矢印ですけど、気温補正という言葉を、気象補正というふうに変えてございます。需要の実績を、平温(平年気温)の気温ベースに補正をするということなんですけれども、ただ、これも気温という要素だけではなくて、当然、その気温以外の要素でも補正をかける場合がございますので、それらを総称して気象補正というふうに変えるというものでございます。以上が、第6号議案の事務局からの説明となります。

○野間口議長

ありがとうございます。それでは、ご質問にはいります。よろしいでしょうか。

○山内評議員

需要想定方法は、ご説明聞いてよくわかったんですけれども、これ①と③で統一をして各社が個別で使う時にも①とかいうふうに統一ってことはあるんですか。個社それぞれ自分たちの予想として使うっていうことがあったとしたら、それも今まで②を使ってたとこも①でやるのか、それはそれで、②でやるのかっていうのが。

●藤岡計画部長

基本的には、これは供給計画で届け出る需要想定を、これをベースにやってくださいということですので供給計画とは関係なく、個社で使われるものがもしあるのであれば、そこまでをここでしばるものではありません。

○山内評議員

統一するものではない?

●藤岡計画部長

ということです。

●寺島理事

私の方から、補足までです。ここでの話は、エリア需要を客観的に予測しているものでして、個別の小売事業者が自社のお客さんの需要をどうこうすることについて、こうしなさいとか、広域機関が決めているものではございません。ここは、あくまで、エリアの需要については、広域機関と一般送配電事業者でニュートラルに想定して決めるべきだと、決めなきゃいけないという規程に基づき、その想定方法に関する要領の話です。

○野間口議長

よろしいでしょうか。

○山地評議員

一つ、よろしいですか。最大電力量の需要電力のところで、負荷率の想定っていうのは、どなたがどういうふうにやるのか、どう考えればよろしいでしょうか。

●藤岡計画部長

負荷率も、ここの括弧では、簡単に書いてございますけれども、それも、そのやり方を検証してございまして、それぞれのまず一般送配電事業者が想定したものを、我々の方でチェックするというやり方をとっています。具体的には、それぞれの負荷率実績を採ってまして、それを想定したものをここで割り戻しているという、そういうやり方になります。

○野間口議長

他にございませんか。それでは、ただいまの6号議案「需要想定要領の変更について」は原案どおりとすることでよろしいでしょうか。

○評議員一同

異議なし。

○野間口議長

報告事項は広域機関の「活動状況報告」です。

今回は2019年1月から3月までの活動となります。事務局からの報告をお願いいたします。

●山田総務部長

2019年1月から3月までの活動状況報告をさせていただきます。

まず2ページでございます。これは理事会の活動状況でございまして、計11回を開催してございます。議決事項66件、報告事項18件、審議事項は以下のとおりでございます。

3ページでございます。会員への指示でございまして、1月に指示をしております。これは1月25日の評議委員会でご報告済みでございますが、中部エリアで需給が悪化したということでございまして、想定外に気温が上がらずに曇ってしまい、それによって、需要が上振れ、さらに供給が下振れすると、ダブルパンチで指示を行った。といった中身でございます。

4ページは補足資料でございます。

次5ページでございます。系統アクセス業務の受付回答状況はこのとおりでございます。

6ページ、苦情処理ですとか、紛争解決業務の状況。受付件数及び対応済み件数をこのように3年間示してございます。

7ページ、電力需給検証の結果。4月24日、昨日に公表しております。検証結果の概要といたしまして、2018年度冬季実績は北海道エリアを除いて、事前の想定ほど厳寒とはならず、全国最大需要時の需要実績は、事前の想定16,154万kW に対し、14,605万kWでした。 全国最大需要時の予備率は10.3%であり、安定供給確保に十分な供給力を確保していた。2019年夏季の見通しですが、2019年夏季が過去10年間で最も厳しい気象条件となった場合でも、全国で安定的な電力供給に必要な予備率3%を確保できる見通しでございます。 太陽光発電の出力状況等により予備率が最小となる時間帯においても、全国で予備率3%を確保できるといったとこが、この電力需給検証の中身となっております。

9ページと10ページ、これにつきましては、長周期広域周波数調整および再エネの出力抑制実績となっております。

11ページ、これはスイッチング申請の累積件数でございます。トピックスといたしましては、2018年12月に1千万件を超えたことがトピックスでございます。

12ページ以降はその他となってございます。12ページは広域系統整備委員会の実施状況、 13ページは調整力等委員会、14ページ、地域間連系線及び地内送電系統の利用ルール等に関する検討会、15ページ、容量市場の在り方等に関する検討会でございます。

最後の16ページは、情報セキュリティに関する取組みでございまして、広域機関内外で、色んな取組みを行っているということでございます。

活動状況報告以上でございます。

○野間口議長

ありがとうございます。ご質問はありませんでしょうか。

○竹川評議員

苦情とはどのようなものでしょうか。

●佐藤理事

新規電源の系統アクセスに伴う内容についての苦情が多い。

●金本理事長

典型的にありますのは、費用に関する内容です。

○野間口議長

よろしいでしょうか。 それでは、活動状況報告については以上とします。

○野間口議長

本日の議事は一通り終了しましたが、評議員の皆さまにお伝えしたいことがありますの で、恐れ入りますが、評議員と理事長、理事以外の方はご退席願います。

○野間口議長

関係者を限定しまして、審議したい議案がもう1件あります。

第7号議案は人事案件となりますが、「役員退任後の本機関の中立性確保について」です。それでは、広域機関から説明をお願いします。

●山田総務部長

7号議案でございます。本機関の理事を務めております遠藤理事につきまして、6月30日を持って退任し、退任後はNTTファシリティーズ総合研究所の取締役に就任する予定となってございます。それに伴いまして、退任後、本機関の中立性の確保につきまして、評議員会で審議及び議決をしていただく必要がある、というのが本件でございます。中身に入らせていただきます。まず、下半分にございます参考の定款をご覧いただきたいのですが、第 34条第4項でございます。「役員は、その退任後、役員若しくはこれに準ずる者又は重要な使用人(以下「役員等」という。)となろうとする法人等が電気事業を行っていないこと、又は当該法人等が営む電気事業及び電気事業と密接に関連する事業の意思決定に関与しないことの担保措置その他の措置により、本機関の中立性が確保されることについて、総会の議決を経た後でなければ、法人等の役員等となってはならない。」また第5項は「前項に掲げる事項は、総会の議決に先立ち、理事会の議決並びに評議員会の審議及び議決を経なければならない。」、そういった規程でございます。本文に戻ります。本機関理事である遠藤久仁から、2019年6月30日をもって本機関の理事を辞任したい旨の届出を受けました。同氏は、退任後、株式会社NTTファシリティーズ総合研究所の取締役に就任予定でありますが、当該法人は電気事業を行っていないことから、定款第34条第4項に定める本機関の中立性が確保されると判断できます。ついては、本内容についてご確認いただきたい。ということでございます。添付資料1は現在事項全部証明書でございます。添付資料2はウェブページから取りました主な事業概要となっております。本質的に電気事業はやっていないし、電気事業に密接に関連する事業もやっていないというように我々としては判断してございます。従いまして、本機関の中立性が確保されるだろうということでございます。以上、説明は終わらせていただきます。

○野間口議長

それではご意見を賜りたいと思いますが、いかがでしょう。

私は、今の山田総務部長の説明の通りだと思うのですが、色々なステークホルダーがおりますからね、色んな質問なり意見を寄せられると思います。広域機関としての考え方を統一していただいて、今のような説明で、人によって違わないように意思統一しておいてほしい。今の説明だったら、私も納得かなと思うのですが、是非、その辺のことをよろしくお願いします。

○倉貫評議員

添付資料1の「目的」の欄に「電力」とありますけれど、これは大丈夫ですか。

●山田総務部長

登記事項証明書の方でございますか。「電力」は「装置類」に掛かっており、「電力装置類」に関する次の事項、ということかと思います。

●佐藤理事

もうちょっと言いますと、添付資料2の方で確認しますと、例えば(1)のところで「電力事業に関するコンサルティング」が入っていれば、ちょっとどうかな、という感じがするのですが、いま先生からあったようなところというのは、「電力事業に関する調査・コンサル・開発」ではなくて、先ほど山田総務部長から説明させていただきましたように、あくまで太陽光発電システムや電源システムが出て来るのは「技術調査・性能評価・特性評価」というので使い分けがされています。そこはNTTファシリティーズ総合研究所に確認をいたしまして、電力事業そのものに対するコンサルティングみたいなものはやっていないということでしたので、我々としてもそこは中立であるというように判断をいたしました。

○野間口議長

NTTファシリティーズ総合研究所っていう会社の性質上、こういう研究所を持っておられるっていうのは世の中にも知れ渡っている訳でありますので、評議員が理解したうえで社会への説明役になる訳にいきません。外部からの質問に対しては、広域機関の理事会として、その辺を整理して明確に説明していただきたいと思います。

○竹川評議員

今の添付資料1の「電力」が「装置類」に掛かっているという説明については、「及び」というのは並列に書いているので、むしろ「次に掲げる業務」っていうのに対して、こうやって限定してるから直接かかわらないという解釈をすべきなんじゃないですかね。

●佐藤理事

まさに仰る通りで、この添付資料1の「目的」だけでは読めないと思っております。実際に何をやっているかということで、添付資料2の方が実際に事業としてやっているものですので、こちらに電力事業に関する細かいコンサルとか開発をやっているとの記載があれば問題だと思いますが、そこは明確に確認をして、やっていないということです。この「目的」だと先生の仰る通り読めかねないのですが、実際にやっているかどうかが問題です。電気事業に関するコンサル及び開発はやってないということでしたので、中立性は侵されないものと考えられます。

○野間口議長

佐藤理事が仰ったのは添付資料2の説明ということですね。

●佐藤理事

はい。

○山地評議員

「装置類」に掛かるという解釈はちょっと難しいですよね。

●佐藤理事

そうですよね。添付資料1の「目的」の「1.」のところだと、電力事業のコンサルとか色々 やりかねないように思われますが、実際にはやっていないということです。

○山地評議員

そういう意味ではむしろ添付資料2の(4)「市場戦略に関するコンサルティング」で、「各種マーケティング」とか「事業性評価」って一般的に書いてあるので、これは電気事業との関わりが無いっていうのは、中々これだけだと、ちょっと読めないような気がします。

●佐藤理事

そこはですね、そもそもの定款34条の「電気事業に関連する事業」ということではその通りなのですが、「密接に」という言葉もありますし、そもそも何故これを作ったかと言うと、広域機関の中立性が害されるようなところに行ってはいけないということですので、例えばNTTファシリティーズ総合研究所が、名前と全然違い、すごく電気事業的なことをやっていれば問題ですが、かなり詳しく調べたところでも、概ね常識人が考えるとおりの事業だという理解ができました。そもそも定款第34条を作った主旨である、広域機関の中立性を害するようなところに遠藤理事が行くとはとても思えないということで、今回上程をさせていただきました。

○秋池評議員

これも確認のためなのですが、添付資料2の(1)で「コンサルティング及び開発」となっていて、「クリーンエネルギーに関する開発」っていうふうに読んだりするわけですかね。

●山田総務部長

はい。「クリーンエネルギーに関する調査・コンサル・開発」ですかね。

○秋池評議員

ですよね。調査もするし、コンサルもする、開発もする。その開発っていうのは、電気事業とみなさないということですか。

●佐藤理事

いや、電気事業と全く関係が無いっていうのは、これくらい大きな研究所であって、NTTファシリティーズだったらないと思います。密接に関連するかどうかっていうことと、ここに遠藤理事が行くということで、広域機関の中立性が確保されないのかどうかということが問題でして、逆に言うと、そこをご判断いただきたいということであります。冒頭で議長が仰ったように、いま評議員の方が「違う」と、「これぐらいのところでも行ったら中立性が害される」と思ったら、これは否決をしていただくしかないということです。どのように考えられるのかは、まさに評議員の方ということで、事務局としては判断基準を申し上げているに過ぎないということであります。

○牛窪評議員

まあ、実体的には、大丈夫だっていうかですね、影響を及ぼすことはないというように私は理解させていただきました。後学のために伺いますが、これは「未来永劫、電力業界に関わるところには再就職できない」ということですか。役所のブラックアウト期間が2年とか3年とかなんですが、これは、もう未来永劫ということなのですか。

●佐藤理事

もし、今後そういったことが問題になれば、定款変更でしょうか。定款の変更は、先般もやってますから、それほど憲法のように硬性ということではありませんので、問題が出れば、いま仰ったようなこともあるのかもしれませんが、少なくとも、この「兼職禁止等」で次はどうするかっていうことは書いてありませんので、そこは、やりようがないということだと思います。

●金本理事長

ちょっと例を見ない厳しい規程になってはおりますね。

○牛窪評議員

もちろん、こういったところは襟を正さなければならないので、いきなりはまずいと思うのですが、やっぱり良い形での交流っていうのも、あるのではないかと思っております。一般より非常に厳しくなっていることが、むしろ官民の連携を阻害しているという面もあるのかな、などと最近思っております。非常に厳しいという印象を受けています。

●佐藤理事

例えばNTTファシリティーズはそうとは思いませんが、どこか、電力事業とは全然関係ない事が定款に書いてあるところに行って、新たに電力事業を始めたらもうどうしようもないわけですから、それはどんな場合でも無くはないと思います。「良い人が入ったし電力事業でもやるか」となると、もうどうしようもない訳であります。逆に、電力事業をやろうと思って、「あの人は電力事業に精通しているので、是非来てほしい」と、今は全然関係ない事業だけれども、絶対1年後には始めてやる、という場合に対しては、今ではどうしようもないので、そこは、まさにご判断をいただくしかないということだと思います。

○秋池評議員

電力事業ってね。始めようと思えば、いまはすぐに始められますから。再エネなどありますから。いつか始めるっていう会社は、全く無いとは言えないですよね。

●佐藤理事

そこが、そもそも本機関の中立性が害されるかどうかということだと思います。

○野間口議長

そこが一番ポイントです。

○秋池評議員

そうですね。

○野間口議長

山地先生や山内先生は、如何ですか。

○山内評議員

中立性っていうのが、ちょっとリアルに浮かんでこないですけども。いま頂いたご説明からすると、NTTファシリティーズ総合研究所は研究機関であるし、そういう面では中立性を害するようなことはないと私は理解しますけども。

○山地評議員

私も懸念は薄いと思います。むしろ、いま役員をやっておられる方は元々電気事業のところから来られている訳なので。退任後、中立性を確保するっていう意味が、ちょっと捉えにくいところがあります。

○山内評議員

具体的に、退任後どうやって影響を及ぼすのか、というのがちょっと捉えにくいですよね。

●金本理事長

逆かもしれなくて、これが退任後事業に戻って良いとなると、在任中の中立性が保てないということがある。終わった後は、中立性あるのかな。

○山内評議員

そうですよね。あまりリアルに浮かんでこないですよね。

●金本理事長

その時に得られた情報とかいうのは守秘義務とかでカバーしているはずですので。

○野間口議長

電力システムに関わる事業ではなく研究をやるということですからね。研究所ですから。

●佐藤理事

やっぱり常識で考えて、役所でも同じですけど、電力事業そのものとか、極めて密接な関係のあるところに行ったとして、在任時代からそこと色々話をしていたとすると、中立的にやっていたのかと疑われることになる。まあ疑いが本当の場合もあるかもしれないのですが、今回はそういうことはないということであります。

○村上評議員

日本語としてピンとこないのですが、「担保措置その他の措置により」ということは、最悪の場合は一筆かなんかとればそれで済む、ということになるのでしょうか。

●佐藤理事

それもあるので、まさに仰ったように、密接であったとしても、そこだけは絶対にやらないという非常に厳しい担保措置を取ればよいのかもしれませんが、何度も申し上げていますように、それで中立性が確保されるかどうか「議決が必要」と定款34条に書いてありますので、万が一「それでは全然足りない」、「無理だ」というように、例えばこの評議員会で結論付けられるとすれば、まさにここが拒否権を持っているということだと思います。

○竹川評議員

難しいですよね、この規定の仕方が。なんか「措置を取れ」ということですかね。基本的には。

●佐藤理事

電気事業をやっている場合や密接に関係する場合にはその必要があります。ただ、「その場合は評議員会の議決が要らない」と書いてあれば、非常に大きな問題だと思いますが、どのような場合であったとしても、「理事会の議決と評議員会の審議及び議決を経なければならない」と書いてあります。元に戻りますが、あらゆる場合で、一見大丈夫そうとか、形式的には満たしたとしても、中立性がどうかというのは議論のうえ、議決いただくということで実質的な担保がされていると思います。

○秋池評議員

結局、広域機関の運営そのものが中立的にきちんとしたプロセスでなされるか、ということを問われているのか、というように思いました。

○野間口議長

倉貫さん、如何ですか。

○倉貫評議員

広域機関の中立性が損なわれるっていうことはないと思います。

○野間口議長

牛窪さん、如何ですか。

○牛窪評議員

仰る通りだと思います。

○野間口議長

大石さん、如何ですか。

○大石評議員

NTTファシリティーズのお名前をお聞きした折に、エネットの親会社であることが少し気にはなりましたが、研究所ということですので独立しているということで了解いたしました。もちろん評議員会での議論もそうですけれども、外部から見たときに、この人事をどう思われるか、というところが一番気にはなりました。ですが、これだけ皆さんと議論をして中立性に問題がないということになったということであれば、自信を持ってもいいのではないかと思っております。以上です。

○野間口議長

今、エネットのことが出ましたけれども、エネットとこの研究所との関係はあるのですか。

●佐藤理事

エネットの最大株主がNTTファシリティーズですね。

●山田総務部長

本日現在、NTTファシリティーズがエネットに40%、また、研究所に対して100%出しています。

○野間口議長

エネットの事業に対してこの研究所が色々なアイデアを提供しているとか、そういうのは先ほど確認した結果では、無かったということでしょうか。

●山田総務部長

はい。

○野間口議長

アドバイスしているとか、指導しているとか、それは無いということですね。そこのところは大事なところだと思います。

○野間口議長

では、評議員の皆さま、よろしいでしょうか。

はい、ありがとうございました。提案どおりの議決とさせていただきます。

○野間口議長

本日の議案は終了でございますが、これらに関して、評議員会として理事長に対して伝え るべき特段のご意見がありますでしょうか。

○野間口議長

ご意見なしということですね。 それでは、閉会の前に金本理事長から一言お願いします。

●金本理事長

今回特に容量市場の創設にあたって、この規定を通していただかないと始めることができないというところで、議論いただき、また、貴重な意見をいただき、大変ありがとうございました。容量市場は巨額のお金が動いて、今後、様々な意見がでてくることを予測しております。我々も身を引き締めて、しっかりと対応できるようにしていきたいと思います。これからも引き続き、色々なアドバイス、ご意見をよろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。

○野間口議長

ありがとうございました。 以上をもちまして、今回の評議員会を閉会とさせていただきます。

以上、この議事録が正確である事を証するため、出席した議長及び評議員2名は、記名押印する。

電力広域的運営推進機関評議員会

議長 野間口 

評議員 秋池 玲子

評議員 村上 政博

第1回評議員会 議事録PDFファイル(590KB)

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