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更新日:2019年4月25日

2018年度第2回評議員会議事録

1. 日時

2019年1月29日(火曜日)13時30分~15時10分

2. 場所

電力広域的運営推進機関 会議室(東京都江東区豊洲6-2-15)

3. 議事

(1) 議決事項

  • 第1号議案 業務規程の変更について(総会議決事項)
  • 第2号議案 送配電等業務指針の変更について(総会報告事項)
  • 第3号議案 2019年度事業計画について(総会議決事項)
  • 第4号議案 2019年度予算について(総会議決事項)

(2) 報告事項

  • 平成30年北海道胆振東部地震に伴う大規模停電に関する検証委員会報告について
  • 活動状況報告(2018年4月~12月)

4.出席者

(1) 評議員(17名中13名出席)

野間口評議員会議長、秋池評議員、江﨑評議員、大高評議員、倉貫評議員、髙村評議員、夏目評議員、松岡評議員、松村評議員、村上評議員、山内評議員、山地評議員、渡辺評議員

(2) 電力広域的運営推進機関

金本理事長、遠藤理事、寺島理事、内藤理事、山田総務部長、進士企画部長、竹内運用部長、田治見運用担当部長、藤岡計画部長

5. 議事の経過及び結果

●遠藤理事

それではお時間になりましたので、ただ今から、2018年度第2回評議員会を開会いたします。本日は、現時点で総員17名中11名の方にご出席いただいておりまして、定款第45 条第1項に定める過半数を満たしてございます。まずお手元の資料をご確認下さい。本日の議案と資料につきましては、次第に記載の通りとなっております。それと分厚い資料がございますけれども、北海道の検証委員会の報告書一部とめさせていただいておりますので、後でご確認下さい。資料につきまして、不足等ございましたら事務局の方にお知らせ下さい。またご発言の際には、お手元のマイクスイッチをオンにしてご発言いただきますようお願いいたします。それでは今日の議事進行を野間口議長の方にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○野間口議長

それでは議事に入りたいと思います。大変お忙しい中、ご出席いただきましてありがとうございます。まず議案に先立ちまして、定款52条に定める議事録署名人を指名させていただきます。松岡評議員と山地評議員にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。それでは議案の審議を行います。議事進行についてでありますが、今回の第1号議案、第2号議案これは密接に関係する内容でありますので、第1号および第2号の2件を一括して事務局より説明をいたしまして、審議を行いたいと思います。その後、一件ごとに議決を行います。それでは第1号議案「業務規程の変更について」、第2号議案「送配電等業務指針の変更について」、事務局から説明をお願いします。

●山田総務部長

それでは、第1号議案と第2号議案をまとめてご説明いたします。第1号議案は、評議員会での審議後、理事会での議決及び総会での議決を経まして、経済産業大臣に認可申請を行ないます。また、第2号議案は、評議員会での審議後、理事会での議決及び総会での報告を経て、経済産業大臣に認可申請を行います。お手元の資料、第1号議案及び第2号議案のワード資料は新旧対照表となっておりますが、これらの内容はすべて別紙1の説明資料に盛り込んでおりますので、別紙1に基づいてご説明をさせていただこうと思います。宜しくお願い致します。

別紙1のパワーポイント資料でございます。2ページでございます。規程、指針の変更のポイントということでございまして、矢じりが4つございます。一つ目、間接送電権導入に伴うルール変更。二つ目は発電設備等の情報掲示板の導入に伴うルール変更。三つ目は系統容量の開放に関するルール変更。これら3つは国の審議会ですとか、広域機関の委員会における議論の結果を反映したものでございます。矢じりの四つ目でございますが、その他ルール変更といたしましては業務実態にあわせてルールを変えるものでございます。おめくりいただきまして、まず一つ目の論点、4ページでございます。間接送電権導入に伴う変更ということでございまして、間接送電権というのは連系線が混雑し、市場分断がおきた場合に、その値差を補填するというものでございます。これにつきましては、電力・ガス基本政策小委員会制度検討作業部会におきまして、2019年4月からの導入が決定したことに伴いまして、規程を変更するものでございます。一つ目、間接送電権の定義を記載する。二つ目、間接送電権の発行自体はJEPXが行いますが、その発行に必要な諸元である運用容量とマージンをJEPXに通知する旨を定めます。三つ目、経過措置可否判定や経過措置計画の減少処理にあたりましては、空き容量の値に加えまして、間接送電権発行量を考慮してこれらを行うと。また、減少処理を行う場合は、間接送電権ではなく、経過措置計画から先に抑制することを定めます。おめくりいただきまして、5ページの第 2条第2項第43号に先ほどの定義を定めております。その下、第133条の2に、JEPXに通知する旨を定めております。6ページには、経過措置可否判定ですとか、減少処理の規定を定めております。以上が、論点の一つ目でございます。おめくりいただきまして、10 ページ、論点の二つ目でございます。発電設備等の情報掲示板、いわゆるマッチングサイトの導入に伴うルールの変更でございます。容量市場の在り方等に関する検討会におきまして、容量市場導入に先立ちまして、発電設備等の情報掲示板を導入するものと整理されました。この目的を具体的に言いますと、例えば、老朽火力を廃止したい発電事業者と電源を持たない小売事業者、このような両者のマッチングを促そうという目的でございます。業務規程を変えるわけでございますが、具体的には、おめくりいただきまして、11ページでございます。第190条の3において、情報掲示板を設ける旨を規定しております。実際、2019年度の4月からこの情報掲示板をリリースする予定でございます。以上が論点の二つ目でございます。論点の三つ目でございますが、14ページでございます。系統容量の開放に関するルールの変更ということでございまして、いわゆる滞留案件というものがございました。系統容量を確保するだけ確保して、例えばパネル代が値下がりするのを待っていた。というような事例が問題視されたのが発端でございます。系統容量の開放に関するルールの変更につきましては、再生可能エネルギー大量導入小委員会のアクションプランにおきまして、現行ルールの明確化ですとか、容量を取り消す手続きの標準化を進めると整理されております。この整理に伴いまして、指針の条文を変更するものでございます。具体的には、おめくりいただきまして、15ページでございます。15ページのまず下の方でございますが、第103条でございます。「系統連系希望者は、連系承諾後、速やかに、工事費負担金契約を締結しなければならない」とありますが、「速やかに」というのが客観的な判断基準では無いというのが問題でございまして、これを右のように「1か月以内に工事費負担金契約を締結しなければならない」と変えております。上に戻りまして、第97条第2項でございますが、「一般送配電事業者は、次の各号に掲げる事情が生じた場合には、前項によって確定した送電系統の容量を取り消す。」と。ではどういう場合に取り消すのかというと、第1号、連系承諾後1か月を超えて工事費負担金契約を締結しない場合ですとか、第2号、工事費負担金契約に定められた工事費負担金を支払わない場合、こういった場合には、送電系統の容量が取り消されてしまうという訳でございます。これらの規定に関連する変更箇所として、16ページにある第105条を変更しております。これが論点の三つ目でございます。論点の四つ目は、17ページ以降でございまして、これらは業務実態にあわせてルールを変えにいくものでございます。19ページでございます。特定託送コードの申請の明確化ということでございまして、昨年10月から始まりました間接オークションの開始に伴いまして、自己託送事業者等がエリア間の託送を行う場合は前日スポット市場等を活用することになります。これに伴いまして、清算手続きの上で、自己託送分の取引を区分するために、事業者が事前に広域機関に対して特定託送コードの申請を行う旨を規定するものでございまして、具体的には20ページの一番下、第269条の第8号に特定託送コードを本機関に申請する旨を追加して記載しております。続きまして、22ページでございます。22ページのポイントは二つございまして、一つ目は現行の運用容量・マージン・空容量の公表内容における記載がわかりにくいことから明確化するというのが一つ目。二つ目は、間接オークションの導入によりまして、連系線利用計画等がなくなったため、長期断面の予想潮流が算出できないということからこれを削除するものでございます。おめくりいただきまして、23ページでございます。左の変更前の表記は冗長でわかりにくいものから、右の変更後、端的にわかりやすくしたものでございまして、実際に公表しているデータ自体は変わりません。また、24ページでございますが、先ほど申しあげましたとおり、間接オークションの導入によりまして、連系線利用計画等がなくなりましたので、長期断面の予想潮流がなくなりますので、長期というものを消しまして、年間月間週間翌々日という表記としております。25ページにつきましては、23ページの変更に連動しているものでございます。以上、第1号議案と第2号議案のご説明申し上げました。

○野間口議長

はい、ありがとうございます。それでは、ご意見ある方は、挙手の上、ご発言をお願い致します。

○野間口議長

この内容の議論に何度も参加されていた評議員の方もおそらくおられると思いますし、初めての方もいらっしゃると思います。私は初めてですので、なかなか評議員として理解が難しいなと思うところはあります。分断された地域で値差が生じた場合に精算する商品が間接送電権という定義なんですね。精算はどういった事業者間の精算と考えたら良いのですか。分断A地区と分断B地区に対応する送電業者間の精算になるのですか。そういった所をわかりやすく説明していただけると助かります。

●遠藤理事

間接送電権というのは、値差を想定した事業者がこれくらいの値差だったら自分がお金を払っても良いということで権利を獲得するものであります。値差そのものは市場分断が発生した時に、売り手と買い手の総収入と総支出の差額がJEPXの収入となります。それを原資として、清算をしております。

●金本理事長

間接送電権を買う事業者がいるわけです。買った事業者にJEPXが市場分断した値差を支払うという仕組みです。

○野間口議長

JEPXが絡んで精算等を行うということですね。

●金本理事長

その通りです。

○野間口議長

それではよろしいでしょうか。

○夏目評議員

細かい点でございますが、系統容量の開放に関するルール変更の部分で、15スライドでございますが、速やかにというところを1か月以内にというふうに、はっきりと設けたと、第97条の方でも容量を取り消す場合をはっきりと規定したことはわかります。この1 か月以内という数字の設定は、ここに係る事業者の方々が納得されての数字なのかをどうかということをお伺いさせていただきたいと思います。

●寺島理事

以前は「速やかに」と規程していたものですが、何が「速やか」かわからないので、「ちょっと待ってくれ」という事業者がいるとズルズルと何か月も待ってしまうことになってしまって、本当に事業をやられる気があるのですか、ということが問題になったので、はっきり決めましょうとなりました。今まで連系承諾後に、普通に契約していた人っていうのはどれくらいの実績で契約されていたか、「速やかに」とお願いしていた場合においての実績のデータがほとんど1か月だったというところから、ここは1か月でいこうじゃないかということになりました。次に、こういう形で明確化することが決まりましたので、「1か月でいきますよ」ということで事業者に対しルール見直について意見募集を致しました。そうしましたら、いただいた意見の中には、突然、連系承諾という手続きが始まり、それから1か月というのであれば、ちょっとびっくりしてしまう場合もある、と。また、工事費負担金契約の内容も確認しなければならない、と。いよいよ最終的に連系承諾に関する手続きの前から、「実は連系承諾をすれば1か月後には工事費負担金契約を締結しなければならない」ということ、更には、工事費負担金契約の内容はこういう内容ですよということを事前にインフォームしてくれと。その上で、連系承諾をしてくれるような配慮をしてくれるのであれば、1か月でも良いが、それがないまま、突然連系承諾があって、突然1か月と言われても困るよ、というような話がありましたので、その点はしっかりコミュニケーションをとりましょうということを確認しております。

○野間口議長

よろしいでしょうか。それでは、ご意見無いようですが、第1号議案、業務規程の変更についてでございますが、原案どおり議決ということでよろしいでしょうか。

○評議員一同

異議なし。

○野間口議長

つづきまして、第2号議案、送配電等業務指針の変更についてでございますが、原案どおりということでよろしいでしょうか。

○評議員一同

異議なし。

○野間口議長

ありがとうございます。原案どおりの議決といたします。

○野間口議長

それでは、次の議案の審議を行います。先ほどと同様に、第3号議案、4号議案につきましても、密接に関連する内容ですので、第3号及び第4号の2件を一括して事務局説明及び審議を行った後、一件毎に議決を行います。

それでは、第3号議案の2019年度事業計画について、および、第4号議案の2019年度予算について、事務局から説明をお願いします。

●山田部長

では、第3号議案、第4号議案についてご説明を申し上げます。両議案とも、評議員会での審議後、理事会での議決および総会での議決を経たうえで経済産業大臣への認可申請を行います。まず、第3号議案でございますが、ホチキス留の8ページの資料がございます。これらのポイントを後ほど別紙でご説明させていただきます。続く、第4号議案、2019年度予算についてということでございまして、これは1ページから3ページまでございます。まず1ページの予算総則でございますが、第1条の収入予算支出につきましては別途ご説明を申し上げます。第2条の債務を負担する行為につきましては、これはシステム開発等、複数年に亘る債務を負担する契約でございまして、2019年度から2024年度までにつきまして、33億7000万円を計上しております。その他は例年と同じでございます。おめくりいただきまして、2ページ、3ページ、これが収入支出予算の内訳でございますが、これにつきましても、先ほどの事業計画と同様、別紙でご説明をさせていただきたいと思います。おめくりいただきまして、別紙の2というものでございまして、「2019 年度の事業計画および収入支出予算について」というもののペラ1枚が出てくると思います。別紙2に基づいてまずは事業計画をご説明申し上げます。2019年度の事業計画につきましては、2018年度事業計画を基本としまして、その後の環境変化を反映し策定をしております。主要項目は下のとおりでございます。○を6個設けております。1つめ、容量市場の導入に向けた検討ということでございまして、容量市場の円滑な導入に向けまして引き続き詳細制度設計や早期開設も含めた検討を進めて参ります。2つめ、需給調整市場の導入に向けた検討ということでございまして、2021年度からの市場導入に伴いまして、商品ごとの段階的な導入を進めて参ります。3つめ、広域系統長期方針につきましては、1 つめ、コネクト&マネージ、2つめ、費用対便益評価を用いた広域系統整備計画、3つめ、効率的なアクセス業務について取り組んで参ります。4つめ、広域系統整備計画、これにつきましては、北海道本州間連系設備については、国の整理に基づきまして、新北本整備後の更なる増強の具体化、および、現在の北本連系線の他励式から自励式への転換の是非について検討を行う、というものでございます。5つめ、大規模停電リスクに備えた運用対策ということでございますが、後ほどご説明します報告事項にあるとおり、検証委員会の最終報告を踏まえまして、周波数低下リレーの整定の考え方や系統連系技術要件の確認を通じまして、広域的な停電発生のリスクや、発生時間の低減に向けた検討を行ってまいります。最後、システム開発でございますが、容量市場システム、そして、広域機関システム等、システム開発・保守を適切に進めて参ります。以上が事業計画のポイントでございます。おめくりいただきまして、収入支出予算のポイントをご説明申し上げます。まず、収入予算でございますが、収入予算につきましては対前年度比較で約10億円増の約101億円を計上しております。前年度よりの繰越金約14億円が見込まれることから、会費収入は対前年度比較で約26億円増の約87億円を計画しております。前年度比較につきましては、この表のとおりでございます。その下、支出予算でございますが、支出予算の主な内容は以下のとおりでございまして、まず1つめ、固定資産関係費は広域機関システム関連のソフトウェア等の取得により、対前年度比較で約6億円増の約48億円を計画しております。主な増加内容としましては、広域機関システムの制度改革対応で約7億円増えております。これは、間接送電権、容量市場、需給調整市場、さらには法的分離に伴う広域機関システムの改良でございます。2つめ、運営費については、委託費が対前年比較で約4億円増の約23億円を計画しております。主な増加内容としましては、容量市場関連の委託費、約4億円の増でございまして、中身としましては、容量市場の開設準備支援業務ですとか、発電事業者の電源情報登録業務等に、約4億円を計上しております。以上が、事業計画と収入支出予算のポイントでございます。以上で第3号議案、第4号議案の説明を終わります。

○野間口議長

はい、ありがとうございます。それでは、ご意見ご質問、ございませんでしょうか。

○江崎評議員

いつものことではございますが、今年のポイントのところではさされていませんが、事業計画案の中でサイバーセキュリティについて改めて書いておられるのは、非常に重要かと思います。というのは、年度末から年初にかけて、重要インフラに関する取組をちゃんとやると、いうのがリスクから出ておりますし、内閣としての方針でもありますので。2020年に向けて本当に整備しなければならないということになりますので、その辺をしっかりやっていただければと思います。

○野間口議長

いまのご指摘の点は我が国としても本当に重要なこと、これは、この場にはふさわしくないかとは思います。但し、我が国の重要インフラには相当なサイバーアタックがあるのではないかと思うので、そういうものの情報共有、これは国としてもどういう風に内閣府のセンターに集まっているのでしょうか。

○江崎評議員

リストの中に、重要インフラのキープレイヤーを集めた協議会を作ることになっていまして、そこは本当に情報管理を厳しくしたうえで、何が起こっているのかというのを共有すると、そのうえでどういう対策をしていくかというのを、内閣府レベルでしっかりやっていくというのが、今年の1月の先週くらいに正式にアナウンスされた、実行体制ということでございます。

○野間口議長

このくらいは大したことではないだろうというようなことで見逃したところ、とんでもないことになったというようなこともございますので、是非、広域機関の方でもよろしくお願い申し上げます。これは以前説明していただいた、2019年度の事業計画を見ますと、特に北海道などの災害対応に対し、設備形成からネットワークのあり方等を検討しようということになっていると思うのですが、耐震設計の見直しとか耐震強度の見直しとか、そういうのはあまり入っていないように見えました。その辺はどのように考えておられるのでしょうか。

●寺島理事

今回、とりわけ、ネットワークの件で私から申し上げますと、それは国のレジリエンスワーキンググループというところでも検討になっていいますが、今回この北海道のブラックアウトが起きたところについては、もちろん火力発電所が地震で止まってしまったということもあるのですが、同時に地震の揺れによって送電線の短絡が起きて、送電線が3ルートも止まってしまって、道東にある水力発電所の供給力が落ちてしまったという問題であります。その点につきましては、実はそのレジリエンスワーキンググループでは、全国チェックをいたしまして、当該鉄塔でどうしてこのようになってしまったのか、ではそこは強化しようではないかと、また、日本中の他の鉄塔と比較すると、北海道エリアでは条件が良いというか悪いというか、非常に広い敷地なものですから、鉄塔と鉄塔の腕金を抜けるジャンパー線というか、袖線が非常にゆったり軽くできているため 、跳ねてしまったのです。本州など他の地域なりの基幹系統では、その部分は相当程度の重量なり、別の目的でも耐震性は大丈夫だと、そういうチェックは色々しております。同時に、だからと言ってどのような地震でも絶対壊れないようにするとなればどこまでできるかというのはありますが、その点は電力保安の関係でありまして、電力安全課でも色々と議論をされているというように伺ってはおります。少なくとも、今回のケースでのネットワークの耐震性については、全国チェックしつつ、当該箇所については北海道電力が対策をとるということになりますし、他には類似のものがないという確認をしております。

○野間口議長

送電線が異常振動してお互いに接触するとかは、少し設計を変えて、欧州にも入っているようなことを日本でも検討されると良いかなと思ったのですが。

●寺島理事

日本は地震の多発国ですから、地震には強くしているのですが、一方、基本的に送電線というのは、台風や雪や風、そういう揺れに対して耐える必要があり、鉄塔なり送電線の強度を決める上でのクライテリアとしてはそちらの方で決まっているので大丈夫だと言われておったのです。けれども、ああいう直下型の地震で跳ね上がり、設備の損傷は起きなかったのですけれどもショートしてしまったということで、そういう問題がありますので、そこがある意味盲点だったというのは確かですので、そこについても全国展開してチェックということでございます。

○村上評議員

予算の収支の話なので、一件は容量市場とか複雑なシステムがだんだん増えてきたので、システム制度改革等、システムにかける経費が高くなっているのだろうということで、くれぐれも、継続性も大事だけれどもコスト管理というものは重要な話なので、そこは一般の調達と同じ原則ですけれどもしっかりお願いしたいというのが今日のところの意見です。ただ、途中の収支予算で遅延損害金というのが13億円で、その下に定義が色々書いていますが、これを見ると支出項目みたいな感じ、出ていくお金の項目みたいな感じなので、これは追加でこれだけ余計にかかったという風に読んで良いのか。この遅延損害金という項目の読み方です。

●山田部長

逆でございまして、去年は遅延損害金で日立から広域機関への収入と言いましょうか、実入りがあったので、そういう意味でございます。

●金本理事長

その間システムが動かなくて、損害が出てきたということでもあります。

○野間口議長

少ししつこいようですけど、首都圏でこの前のような地震が起きて、OCCTOの本拠点と、全国を監視する皆様のアクセスに支障が生じる対策はどういう風に考えておられるのですか。ゆりかもめも止まって、高速道路もすぐに止まる、通行禁止になるでしょう。皆様大変苦労されると思うのですが。

●内藤理事

参集の話でしょうか。まず、初動体制を敷きますのはこちらにあります広域運用センターで、これは3交代勤務をしておりますので、どんな時間帯に地震等があっても必ず常時夜中でも4人はいるということですから、交代の要員が来るまでは籠城しなければならないと思います。我々の方の日勤については、「速やかに」ということで参集することになっているのですが、交通事情によって時間がばらつくのではないかと。ただし業務用の携帯電話も全部持っておりますし、タブレットも持っておりますので、それで連絡をしていく。当面の間はそういうことだろうと思います。

●金本理事長

あとは都内のバックアップ拠点がございます。

●内藤理事

基本的に広域機関システムのバックアップは大阪なのですけれども、非常事態のときに大阪まで行けるかどうかという問題はありますから、もし、百草の方に、もともとは東電の研修所なのですけれども、そこのところに緊急的に集まるというような意味で、最低限のシステムを組んで対応する、もしここが完全に被災してしまったときのことでございますけれども、そのときにはそちらに参集するということも一応考えてございます。

○野間口議長

分かりました。

○夏目評議員

今のお話に関連して、そのBCP、事業継続計画、そういったものに今お話しいただいたことは全て記載されていると思ってもよろしいわけでございますよね。なかなかBCP、この計画の全容についてお示しいただいたことがなかったような気がするので、どうなるのかなという質問が出てきたように思います。部分的には事業計画に入っていたと思うのですけれども、私ども、本当に広域機関が被災してしまったらどうするのだろうと心配を当然持つわけでございますので、またどこかでお示しいただくと分かりやすいかなという風に思っております。

○江崎評議員

非常時の対応としては、行けない場合に遠隔での意思決定ができるような遠隔会議とかを持っておくことが大事だと思いますし、今回のソフトバンクで起こった問題というのは、結局Wi-Fiにちゃんと抜けられればというのも、知っている人は普通にできるのですけれども、知らない方は電波が取れないという状況が起こるのが災害の時にも当然ながら想定しなければいけないので、特に、幹部の方で意思決定をしなければならないという皆様方が遠隔でできるように仕組みを準備しておいた方がいいと思います。

○野間口議長

是非、今のは貴重なご意見と思いますので、参考にしていただけたらと思います。

○山地評議員

ちょっと興味本位の質問なので、先ほど送電線の短絡の話があったのですけれども、今回27.5万kVですよね確か、普通よく木に触れて短絡とかするのですけれども、27.5万 kVのどこがどこにぶつかって短絡したのですか。

●寺島理事

後ほど、検証委員会の報告の議事の中で、当該箇所の写真もありますので、そこで補足説明させていただければと思います。よろしいでしょうか。

○山地評議員

はい。

○野間口議長

よろしいでしょうか。それでは、第3号議案、議案のとおりでよろしいでしょうか。

○評議員一同

異議なし

○野間口議長

2019年度事業計画については、原案どおり議決とさせていただきます。第4号議案の2019年度予算につきまして、原案どおりでよろしいでしょうか。

○評議員一同

異議なし

○野間口議長

ありがとうございます。それでは、原案どおり議決とさせていただきます。

○野間口議長

それでは、報告事項1に入ります。一点目の平成30年北海道胆振東部地震に伴う大規模停電に関する検証委員会報告についてであります。事務局より報告をお願いします。

●内藤理事

それでは報告事項1という資料を見ていただきたいと思います。昨年の9月6日深夜に北海道胆振東部地方におきまして最大震度7という大地震が起きまして、それに伴いまして北海道全域が停電になるという、いわゆるブラックアウトという事象が発生しました。それに対しまして、広域機関としましては検証委員会を設置いたしまして、このブラックアウトのメカニズムの解明あるいはブラックアウトから系統復旧するまでの操作等の妥当性、このような検証を行いました。その結果を昨年末12月19日に経済産業大臣に最終報告として提出してございますので、事後になりますが、評議員会でもご紹介を申し上げたいと思います。少し長くなりますので端折ってご紹介いたします。まず資料のスライドの 6をご覧いただきたいと思います。こちらはこの検証委員会が設置されました目的及び概要と書いてございますが、9月11日に、地震直後でございますけれども、世耕大臣より、今回の大規模停電の原因等につきまして検証に着手するようにということで、私どものほうに、第三者機関であること、あるいは電力系統の専門家が多いということから、指示がされました。それを受けまして9月19日に委員会を発足いたしまして、右下に書いてありますとおり、4回の委員会審議を受けました。特にこれにつきましては、北海道の場合、冬季の需給が非常に心配だということもございまして、10月末までにまず中間報告を出すようにというご指示がございましたので、それをとりまとめました。さらに、最終報告としまして年内にとりまとめといったようでございます。ここでは迅速性ということと、それからもう一つ客観性ということに注力いたしまして、この委員会につきましては公開の審議はもとよりインターネット中継をいたしまして、また検証委員会で使いましたデータにつきまして、A4で約15,000ページございますけれども、これにつきましてもホームページのほうで全て公開するということを行っております。それではスライド7からが、ブラックアウトの経緯を書いてございますけれども、少しめくっていただきまして、スライドの11を先におめくりいただきたいと思います。スライドの11が、地震発生直前の状態の北海道エリアの系統状況、需給状況ということになります。ここでは、深夜の3 時7分59秒ということなんですけれども、この段階での需要というのが、表の中の一番下にありますとおり、308万7千kWということでございます。北海道電力のピーク時は500万kWを超えますので、約6割位ということなります。9月6日ですと、北海道の場合は冷暖房もあまり入りませんので、軽負荷期に入っている、その深夜帯だったということで、需要が軽かったということがございます。その時に運転していました発電機がオレンジ色でハッチしてあるところでございます。この中では苫東厚真1・2・4号機が、かなり高出力で運転されていたということでございます。その他、灰色のハッチしてあるところは、作業停止と言いまして、定期検査等で停止したものでございますから、これは作業が終了するまでは運転できないということになります。また白抜きで書いてあります火力発電所等につきましては、バランス停止あるいは並列予定と書いてございますけれども、この3時の段階では、308万kWの需要を満たすためには必要ない、解列していたということでございまして、翌日のピーク需要に向けては、スタンバイをしていたということでございます。しかしながら、火力発電所は一旦解列しておりますと、起動するまでに数時間オーダーの時間がかかるということで、今回の20分足らずの事象につきましては、出力として増加することができなかったということでございます。それではその事象でございますけれども、スライドの8が全体を表している周波数なんですが、ちょっとわかりにくいので、お手元のほうにA4の横で周波数を画いてございますから、これをご説明申し上げたいと思います。地震発生からブラックアウトまでの周波数、北本潮流推移と書いたものでございます。上のグラフが周波数、いわゆる50Hzの周波数を維持したのが、どういう変化をたどって3時25分の段階でブラックアウトが起きているか、ということでございます。これを解明したということでございます。下のほうの緑のグラフが、これは北本の潮流、北海道本州間を結びます連系設備の潮流ということになります。ここでまず3時8 分に、地震発生とともに、苫東厚真、この石炭火力の2号機と4号機、これが同時トリップいたしました。この時の発電力が116万kWでございました。ご案内のとおり、発電力と需要というのは、常に瞬時瞬時でバランスをしませんと周波数を維持できないということでございますので、供給力が116万kW失うことによりまして、周波数が急激に低下してございます。周波数が低下するとどういう事象が起きるかといいますと、周波数を上げる方向の動作が入ります。ここのところでは49.6Hz、0.4Hz位下がりますと、緑のグラフであります北本の緊急AFCというものが、緊急融通が入ります。これは最大50万kW程、上げで入るということでございます。しかしながら、それでも周波数低下はとどまりませんで、次に48.5Hzというのをさらに下がって参ります。そういたしますと、緑のハッチで書いてございますが、周波数低下リレーによる負荷遮断と書いてございます、この130 万kWを強制的に遮断することによって、周波数を上げようという動作が入りました。それによりまして、最終的に今回の場合、最低周波数は46.13Hzでようやく反転しまして、50Hzまで一旦戻る形になってございます。3時10分から11分ぐらいにつきましては、50Hz近辺を維持できたと考えられます。その後、赤い周波数が再び下がって参ります。これにつきましては、深夜の地震でございましたので、道民の皆様方が照明をつけられてテレビで情報を収集されようとしたことによって、電力需要が上昇したと考えられます。しかしながら、供給力の方は緑の北本の潮流を見ていただきますと、上限値ということで60 万kWの上限値に張り付いた状態、それ以上の供給が出ていないということになりますから、周波数としてはまた低下してくるということだと思います。さらにその後、運転中火力の出力増と書いてございますが、運転していました火力につきましてはフル出力ではございませんから、その火力発電所に対しまして中央給電指令所から出力の増指令が次々と出ております。それによりまして3時18分近辺では、フラフラしながらではございますけれども、50Hzに維持する形で周波数が少しずつ上がってきたということでございます。その後、3時20分ぐらいになりますと、運転継続しておりました苫東厚真の1号機、これが出力の低下を始めます。これはボイラー管の損傷等によりまして水位が下がった為だと考えられますけれども、それによりまして再び周波数が低下を始めます。すると、また48.5Hzというラインを超えまして、周波数低下リレー、UFRがもう一度、16万kWはたらいて、また戻ると。しかしながら、50Hzまでには戻りきらないという状態で3時25分あたりをむかえまして、最終的に苫東厚真の1号機が水位低でトリップしてございます。これを契機に、その他の火力、知内、伊達、奈井江等、この火力が、47Hz・10秒という時限を超えまして、UFRというものがはたらきまして、機器の保護の為に次々と解列してくると。発電機が1つ解列しますと、さらに周波数が下がるという負の連鎖になりまして、最終的にブラックアウトが起きたと、このように考えられます。基本的には、今のような苫東厚真の大きな出力のダウンによる周波数低下と考えられますが、もう一つ、スライドの13、これも見にくいのでA4のスライドで用意してございます。これは今、山地先生が少しお話しされた点でございますけれども、もう一点、解明点がございました。それだけではなくてということでございまして、これは送電線の事故が、この時に、同時に起こっていたということでございます。まず地絡事故の状況から申し上げますと、左側の絵がございますけれども、これを3ルート、道東と中央を結んでいる、黒の系統と赤の系統を結びます3ルートの送電線のうち4回線です。これが次々に地絡事故が起きたということでございまして、これは写真にございますとおり、鉄塔というのは、ジャンパー線とその上のほうに架線金物というものが付いておりますけれども、これが地震の揺動によって接近をして、絶縁破壊を起こしたというふうに考えられます。これにつきましては、アーク跡も確認してございますけれども、設備損壊等に至るようなものではなかったということでございます。そうなりますとどういうことが起きたかといいますと、右側のほうのグラフになるんですけれども、まず一旦3時8分段階で苫東厚真2号機と4号機が脱落すると、UFRがはたらいて負荷遮断が起きると。そうしますと周波数が上がり始めるという、上がり始めた直後ぐらいに、今申し上げました送電線のルート事故が起きたと思われます。そういたしますと、この黒の系統と赤の系統が一旦系統分離されます。系統分離されますと、周波数がそれぞれ独自に動きます。この黒い道東の系統につきましては、主に水力発電所が中心でございましたので、この段階では水力発電所が運転されたと思います。一方、負荷の方は、先ほど言いましたUFRというのが道東系統でもはたらいてございますので、この場合40万kW程、負荷遮断が起きております。そういたしますと、この黒の系統では、逆に発電力の余剰ということになりまして、周波数が上昇いたします。この例では 51.68Hzと書いてございますが、52Hz程度まで上がったと思われますけれども、それによりまして、ここについておりました水力機がOFR、Over Frequency Relayというリレーがはたらきまして、次々に解列をしたということで、この水力が全て止まってしまったという現象でございます。従いまして今回の事象につきましては、苫東厚真の3台停止に加えまして、この道東系の送電線4回線がほぼ同時に停止したことによる、複合要因だというふうに我々として結論づけた訳でございます。次にスライド17をご覧いただきたいと思いますけれども、先ほど、北本の潮流が上限値に張り付いたということを申し上げました。緊急の動作としては正常に動いておりましたけれども、容量的には今回のような脱落量に対しては十分ではなかったと考えられます。この時に、新北本、北斗今別直流幹線という新しい連系線を、北海道電力としては建設中でございました、これが今年の3月に運転開始する予定になってございましたので、この9月6日の段階では、これは使えなかったということでございます。次におめくりいただきまして19スライド目からでございますが、これがブラックアウトが起きてから系統復旧するまでの経緯でございます。これがスライドの20のところで復旧の経緯が書いてございますが、これもちょっと小さくて見にくいので、別の資料で、A4で用意してございます。スライド20でございます。ここで青いグラフというのが、発電力の復旧に伴って供給能力が上がっていったというところを表してございます。それに対しまして赤い線、これは実際の負荷を取ったということで、これが総需要ということで、ブラックアウトのゼロの時から地震前の状態の300万kWまで回復するまでの状態ということを表したものでございまして、復旧完了というのが、1 番下にありますとおり、約45時間かかったということでございます。これについて我々としましては、21スライドのところに書いてございますけれども、操作マニュアル等をチェックいたしまして、一つ一つ操作について確認をいたしましたが、基本的に、明らかな人為ミスというものは見られなかったと考えてございます。しかしながら、いくつか時間が少しかかったという点も見られましたので、それについても検証してございます。1つはスライドの22に示しているところでございますけれども、これは4時にブラックスタート1回目をスタートしてから、一旦6時20分位の段階でブラックスタートが失敗しているという事例でございます。これはどういう事例かと申し上げますと、高見揚水というところからブラックスタートしまして、火力発電所の所内電力を供給しながら、赤い丸であります、道央幹線というところの送電線を荷電いたしまして、さらに伸ばしまして泊原子力の外部電源の復旧を試みようとした時でございます。この時に、変圧器を荷電する時に、インラッシュ電流、突入電流というのが発生いたしまして、これは非常に不平衡の異常電流でございます、それを検知いたしまして、分路リアクトルが2箇所でトリップしてございます。分路リアクトルというのは、電圧を下げる、保持するための設備でございますから、これが停止したことによって、線路の電圧が跳ね上がりまして、地絡事故が2カ所ほど発生して、最終的にブラックスタートしました高見発電所が停止するということで、1回目のブラックスタートは振り出しに戻っているということでございます。6時半ごろから2回目のブラックスタート、新冠というところからやりまして、その後は基本的に順調に進められました。しかしながら、このスライドの20で見ていただきますと、1番下の所に薄いグリーンの線が描いてございますけれども、これが北本の潮流でございます。北海道本州間の応援なんですけれども、これが入りましたのが、日にちが変わりました5時30分位ということでございまして、さらに60万kWになりましたのが21時位ということでございます。これにつきましては、既設の北本というのは他励式という方式でございまして、系統側の電圧がないと運転できないという性質がございます。従いまして、 1回ブラックアウト、北海道全域が止まってしまいましたので、本州側の上北変換所は生きていたとしましても、函館側は生きていないということで、運転できません。函館側の知内とか、近いところの発電所が復旧した段階で、系統の短絡容量が受電容量の3倍ほど確保をした段階で、一極ずつ入れていくということをしましたので、この位の時間がかかっているということでございます。ちなみに、先ほど申し上げました新北本につきましては自励式ということでございますから、これについての復旧は今後早まることが期待されるということでございます。おめくりいただきまして、スライド23からが再発防止対策ということでございます。この中では、当面この冬、その新北本ができるまでの間と、それ以降というふうに分けてございますが、再発防止対策をシミュレーションを使って検証してございます。このシミュレーションは、電力中央研究所と東電パワーグリッドの、周波数応動解析というツールを使いまして解析をいたしました。スライド24、この段階では、京極揚水というのが9月6日の段階では作業停止で2台とも入ってございませんでした。しかしながらこの揚水が入っておりますと、これを緊急遮断することによって周波数を回復するという効果があります。それがもしあれば、ということで解析したのが24スライドで、この場合ですとブラックアウトは起きなかったと考えてございますので、苫東厚真をフル出力するのであれば京極を運転するという条件を付したということでございます。次にスライド25でございますけれども、これはUFRの量でございます。最終的にUFR の量を全て使い切ってしまったということがございまして、それについて今回約35万kW、約2割強でございますけれども、このUFRを追加するということを対策として申し上げました。それによりましてもブラックアウトは回避できるということを確認してございます。合わせましてスライド27からが、新北本増強後の中長期の対策という点でございまして、これにつきましては、苫東厚真が3台同時に脱落した場合、これがスライド29 でございますけれども、さらに泊原子力、これが今停止してございますが、それが再稼働後3台同時に停止した場合という過酷な条件を考えまして、シミュレーションしたものでございます。スライド30を見ていただけますと、泊発電所の場合は②-1のケースで対策要と、現状のUFRのままですとブラックアウトする懸念があるということでございますが、おめくりいただきましてスライド31のところにございますとおり、UFRの方式を工夫することによりまして、周波数の変化率を見る、あるいは安定化装置といいまして、中央演算装置で泊原子力の停止を検出して負荷を高速に遮断するという方式をとれば、ブラックアウトは回避できるということを確認してございます。最後に、スライドの36になりますけれども、運用面の対策の他、再発防止の設備対策としまして、北本連系設備のさらなる増強等ということで挙げさせてございます。これにつきましては、現在建設中の新北本のさらなる増強というものの是非について検討すべきではないかと、あるいは、先ほど他励式と申し上げましたけれども、既設の北本の自励式への転換の是非についても検討するように、ということで挙げさせていただきまして、これらにつきましては、広域機関としましても、12月から「電力レジリエンス等に関する小委員会」というものを作りまして、今年の5月を目途に、早急に検討するように進めているところでございます。私からの説明は以上でございます。

○野間口議長

はい、ありがとうございました。それでは、ご質問ご意見がある方はお願いします。

○松岡評議員

資料の話なんですけれども、今までたくさん大きい地震が起こってきましたけれど、本州の場合はあまりこういうことが起こるようなきっかけ、何て言うんでしょうかね、小さい形でも起こったことはないわけですよね。それはもう本州の連系線が違うということですか。

●内藤理事

お答えいたします。電力系統の特質でございまして、今、周波数が大きく低下すると申し上げましたけれども、これはまず電源の脱落量にほぼ比例します。一方で、系統の規模に反比例いたします。北海道のような小さい系統ですと、百数十万kW落ちても周波数低下は大きいです。逆に本州の方というのは、系統規模が全然違います。例えば東京電力の系統だけ考えても、北海道電力の10倍あります。としますと、10倍ほどの電源脱落があって初めて同じくらいになるかということでございますから、もしそこまであれば同じような事象が起きますけれども、なかなかそこまでの電源脱落はないということで、今までも本州の中では、ブラックアウトというのは起きていなかったということでございます。

○野間口議長

長期的な視点の話ですけれども、泊原子力発電所の主変圧器に接続されている送電線が地絡し、避雷器が動作した事象があったと思いますが、そのような対策をゼロからやり直すのでしょうか。それとも、その瞬間は異常電流が発生するようなことがあったけれども、復旧しているので問題ないと考えて良いでしょうか。

●内藤理事

インラッシュ電流とかの話でありますけれども、変圧器の突入電流、インラッシュ電流という事象自体は、十分あり得る話でございまして、他の系統でもあります。なので、必ずしもこれが特殊だというふうには思いません。

○野間口議長

これは揺れのせいという事でしょうか。

●内藤理事

揺れのせいではなくて、ある特殊な系統を組んでいると、水力系から負荷をあまりとらない状態で送電線をやって、そこで変圧器だけほとんど無負荷の状態で送っているという特殊な系統のところで、投入するタイミングもあるんですね、残留磁束がそういうタイミングで同じことを2回やっても起きるとは限らない、というそういうものでございまして、これは完璧な再現はできないと思うんですけれども、極力復旧過程で避けるということは考えるべきじゃないかと思います。

○野間口議長

今後の教訓としてはどう考えていますか。

●内藤理事

今の事象については引き続き、この検証委員会は終わっていますけれども、引き続き、技術検証を進めております。北海道電力側と知見を共有したいと考えてございます。

○野間口議長

送電線の方はどうでしょうか。

●内藤理事

送電線の方は、設備周りでございまして、広域機関マターではないと思うんですけれども、先ほど寺島理事からもありましたけれども、設備損壊はしているわけではないんですね。架空送電線と言うのは基本的に、雷にしろ雪にしろですね、一旦、地絡事故が起きるということは、許容するレベルだと思います。ただ今回の場合、地震によってほぼ同時に 3ルートが止まってしまったということが、非常に大きな道東系の水力を止めてしまったということでございます。なかなかそれはあり得にくいことかと思います。そういう揺動についても対策というのがあれば、北海道電力の方でもしっかり対策をするということで、検討しているというふうに思っております。

○野間口議長

それから、京極発電所というのは揚水ですよね。揚水というのは働き出して、夜の間に水を揚げて、昼は働かすというような使われ方が通常だと思いますが、揚水発電所一機に期待できる運転時間というのはどのくらいなのでしょうか。

●内藤理事

池容量によりますので、ちょっと京極はわかりませんけれども、多くても7時間とかですね、6時間とか7時間とかそういうレベルだと思いますから、1日中ずっと発電するわけにはいきませんので、発電する時とポンプで揚げる時というのが1日で交互に繰り返すというときになります。従いまして、揚水をしていれば少しは緩和されると分かっているんですけれども、1日中揚水することもできませんので、揚水が停止する時もあるでしょうと、そういう過酷な条件でもってシミュレーションをやっているということでございます。

○野間口議長

揚水に過度な期待はできないということですね。わかりました。何かご質問、ご意見はありますでしょうか。

○倉貫評議員

36スライドの新しい北本の費用負担の在り方ですけれど、これはいくつかパターンがあるんだろうと思うのですが、どういう費用負担の在り方の可能性があるか教えていただけないでしょうか。

●寺島理事

今のご質問は、現時点では非常にお答えにくいところですけれども、国からの要請ないしは国のレジリエンスワーキンググループからは、とにかく新北本がこの4月に運開するけれども、さらなる北本というものを作る効果を、しっかり広域機関は検討してくれと、同時にどのくらい費用がかかるのかも検討してくれと、簡単に言えば最小限の費用でどんな効果が出るのかということを示すように、と言われております。特に、検討に当たっての観点というか、こういう視点からということで2点言われております。ひとつは、北海道エリアというのは非常に再生可能エネルギーのポテンシャルの多いところでございますので、再生可能エネルギーの主力電源化に向けたこととです。もうひとつは、北海道エリアのレジリエンス、系統の耐性という点ですか、その強化に向けて、その両立を図るようにというふうに言われております。確かに、北海道エリアでの再生可能エネルギー導入自体や、長期エネルギー需給見通し等々でも、とりわけ風力の拠点でもあるということから、期待はかかっていることもあります。北海道エリアというのは独立しているエリアであることで、再生可能エネルギーを入れることでいろいろな系統上の不安定な問題も出てきているというのは、以前から北海道電力さんが、系統問題もあり「あまりこれ以上入れられませんよ」言っていたことにも関係します。ということは、再生可能エネルギーをたくさん導入しつつ、その系統への影響を回避できること、その両方をこの新々北本に期待できないかということになろうかと思います。そこで、費用負担という点を捉えますと、本来普通に考えれば、安い電気が届けば需要家さんは、送電線の費用は多少高くなっても発電費が安いものが届けば、最終的に受益があるということで、その受益を見て需要家のメリットという考え方であり、、それがよく我々言っております託送料金、一般負担という考え方になるのですけれども、今回は、単純にそれだけであろうかと。今先ほど言いました、北海道エリアのレジリエンス強化というのは、北海道エリアであるから特徴的な問題でもありますし、再生可能エネルギーの導入というのも北海道エリアだから特徴的な内容であるというふうに考えると、単純にそこでできた電気がそこへ行った先の需要家さんのメリットだけだという言い方ではない費用負担のあり方があるのではないかという意味か、というふうに受け取っております。すみません、ちょっと回りくどいような言い方ですけれど、そう考えたときに、どういう政策的な観点とか、費用負担があり得るのかということを国が検討したいので、ここはその効果をつらつら挙げてみてくれ、という要請が来ているというふうに考えております。

○倉貫評議員

特定負担と言うのはありえないのですか。

●寺島理事

今のルールだけで申し上げますと、ある特定の事業者が、特定の事業を展開するために費用負担するから連系線を増強してくれと言うことを前提とした連系線増強というのはありますけれども、逆にそうなりますと、その人に一定程度の連系線の利用の便宜を図らなければならないということになります。今は、その誰かというものを前提としているものでもありませんし、自分がどうしても使いたいからということで入っているものでもないので、今は、誰かの事業者の特定負担という前提で話が動いているわけではない、というふうに考えております。

○野間口議長

よろしいですか。

国のエネルギー政策の在り方の根幹に係わる問題でもありますね。

●寺島理事

そういう意味でも、どういう効果があるのかについては、しっかりと極力定量的に明示していくのが我々の責務だと思っております。

○夏目評議員

私、感想ですけれども、日本でブラックアウトが起きるって考えたことなかったです。つまり、外国では大規模停電というのは起こるということは承知していましたけれど、まさか日本で、って言うのが正直なところで、えっ、て思いました、あのときに。このブラックアウトに至るまで、広域機関が果たす役割というものが発揮できたのか、できないのか、というのがすごくいろんな情報が入ってきて、難しかった、受け取る側が。ブラックアウトの状況の中で、とりわけ経済活動における影響で、特に北海道は酪農王国ですから、生乳を廃棄するとか、様々なああいう映像が流されてきた時の受け止め方というのは、すごく大きいものがあって、どうしてこんなふうになってしまったんだろう、どうしてもっと早く回復できなかったんだろうか、ということをすごく強く感じました。北海道は確かに、今ご説明があったように、様々な課題が、本州とは違うということは承知しているのですけれど、地震以外にも災害が、もう日本中至るところで起きていて、そのあとに、私は中部電力の管内に住んでいるのですけれども、あの台風24号でさえ、長期間にわたる大規模な停電、ブラックアウトではなかったですけれども、発生しています。そういうものに対しても、電力に対する日本の信頼性というものが本当に、今までのように日本って停電が起こらないんですよ、という捉え方を変えた方が良いんじゃないか、というのが正直なところの受け止め方でした。だからこそ、これから広域機関なり事業者に頑張ってもらわなければいけないと思っている、というのが正直なところでした。先ほど、北本連系設備の更なる増強というのが今後の対策として挙げられていますけれど、やっぱりそこはお金が伴う話ですし、だれが負担するかという話もこれから多分議論していくだろうと思いますけれど、もうひとつ教えて欲しいのは、現在の北本連系設備の自励式への転換というのは、これは簡単にできるものなのでしょうか。すみません、分からないので教えていただきたいです。それだと防げるというような話があったので。

●寺島理事

簡単にできるかというご質問に対しては、正確に言えばそう簡単ではございません。今の送電線、海底ケーブルなり架空送電線は、鉄塔とか電線とかは、使えます。ですけれども、函館側と本州上北側にある両変換設備というのが、サイリスタバルブという半導体で交流を直流に変える変換装置になりますが、それをまるまる交換しなきゃいけないというものになりますので、費用も期間も相当程度時間がかかるものです。昭和50年代に、今ある既設の北本は作ったんですけれども、当時は自励式変換装置というのはございませんで、他励式というのは最新鋭だったのであそこへ適用したのすが、今では自励式というものがあるというのは確かです。そちらの方がいろんな意味での性能が良いのは確かですけれども、全くの取り換えになるということを先程申し上げました。

○野間口議長

それから、広域機関としてもっとやることがあったんじゃないかと。ブラックアウト防止、あるいは、ブラックスタートをスムーズにするとか、どちらでも良いですが。

●内藤理事

おっしゃるとおり、ブラックアウトが起きるか起きないかということに対して、事象自体は起き得るとは思ってましたけれども、本当に起きるとは思っていませんでした。しかしながら、今回のブラックアウト前の20分間に防げること、それからその後の復旧のところで、広域機関がどういう役目をできるのかということは大きな課題だと思います。現実的に考えますと、国との連携とかそういうことについては充分やり口があると思っていますけれども、実際のオペレーションについては北海道電力が主体にならなければとてもできません。そうなりますと、事前にこういう事象をしっかり考えた上で対策をするということが重要になると思います。今回も、ブラックアウト以降でございますが、運転状態につきましてはしっかり広域機関が把握して、先ほどの京極揚水が止まっている、あるいは北本が止まっているときには苫東厚真はどういう運転状態にすべきか、ということを確認するということもやらせていただきますし、他の地域におきましても、必ずしもブラックアウトは絶対に起きないという意味ではなくて、起き得るものだという前提に立って、リスク管理をしていくということが重要になると思っております。

○野間口議長

よろしいですか。日本は地震災害列島という側面もありますので、日本だけは安全だということはないという教訓ですね。それを踏まえて、日頃の備えをやっておかなければならないということだと思います。

○山地評議員

ここは広域機関なんです。電力系統の整備、運用から考えるとしたら、再発防止というスタンスで連系線の容量の在り方とか、あるいは高速遮断とか、という話に行くのはわかるんですけれど、やっぱりリスク対応という意味では、再発防止というだけではなくてリスクをゼロにはできないわけだから、いわゆる防災対応ですよね、つまり需要家側が、さっき特定負担という話もあったけれど、送電線の話、だけど1番単純なのは非常用の自家発とかがあってもいいです。そういうことも併せて考えるのがレジリエンスなので、系統側だけの考えで突っ走らないで欲しいなというのが、ちょっと今までの議論を聞いて懸念になったので、一言申し上げさせていただきます。

○江崎評議員

関連してよろしいですか。

○野間口議長

はい、どうぞ。

○江崎評議員

やっぱり、日本ではものすごく頑丈に作っていたので事故が起きない、という前提で信用していたというのを変えなきゃいけないというのは、電力系統に限った話ではなくて、先ほどちょっとご紹介したソフトバンクの携帯にしても、あれはほとんど皆さん想定していなかったもので、実は電気通信の場合、あの事故を受けて、さらに厳しくしようという議論をしている議員さんもいらっしゃるんですけれど、現場のコンセンサスとしては、起こることを前提にあまり厳しくしない方向にしようと、そうしないと結局のところコストが上がるし、状況としては、落ちない前提でみんながやると、結局のところ起こった時の被害が大きすぎるので、という大きな方向性は、今、例えば携帯電話に関しては作りつつあるというところですので、そのバランスをどういうふうにやるのかっていうのは重要な局面かと思います。

○野間口議長

他にございませんでしょうか。まさに電力システムについても、そういう問題を突きつけていただいているということですね。大変貴重なご意見いただきましたけれども、報告事項につきましては以上でよろしいでしょうか。

○野間口議長

それでは報告事項2に入りたいと思います。広域機関の活動状況報告であります。2018 年4月から2018年12月までの活動を報告していただきます。

●山田総務部長

はい、では報告事項2ということで、2018年4月から12月の活動状況報告についてご説明いたします。恐れ入りますが、お手元にですねワード資料とパワーポイント資料の2 種類がございますので、これらを左右に置いていただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。まずワード資料の1の①ということでございまして、理事会の活動、理事会の審議でございますが、理事会を計32回開催しておりまして、決議事項127 件、報告事項52件を審議してございます。詳細の主要審議事項につきましては、パワーポイント資料の1ページに記載しておる通りでございます。続きまして、パワーポイント資料の2ページでございます。会員への指示実績でございます。1つめ、関西エリアの需給悪化ということで、7月18日に100万キロの融通指示をしております。これは高気温により想定以上に需要が増加したことによるものございます。2つめの北海道エリアの需給悪化につきましては、先ほど報告事項1で報告があった通りでございます。3つめ四国電力エリアの需給悪化につきまして、10月17日から18日の間に4回の指示を行っております。これは四国電力エリアの電源トラブルに伴うものでございます。おめくりいただきまして3ページでございます。4月から12月ではないので、参考として1月の指示実績を載せさせていただきました。中部エリアの需給悪化でございまして、1月10日に最大105万kWの融通指示をしております。これは天候の状況変化によって需要が増加して、さらには太陽光発電の出力減少が見込まれたことによるものでございます。続きまして、パワーポイント資料の4ページから7ページまでは、今、私がご説明申し上げました融通指示の詳細でございます。続きまして、パワーポイント資料の8ページから10ページ。これは各エリアの需給実績と予備率を示してあります。先ほどご紹介申し上げました融通実績を除けば、各エリアで適正な供給力が確保されております。続きまして、パワーポイント資料の11でございます。長周期広域周波数調整および再エネ出力制御実績でございまして、まず長周期広域周波数調整というものはですね、太陽光などで供給過剰となった電力を、他のエリアに流すことで周波数を調整するというものでございます。これを行っても、なお需給バランスが保てない場合に、出力制御をするということでございますが、この両者の実績につきましては、11ページと12ページに記載の通り、九州エリアでこのような実績が出てございます。続きまして、ワード資料にお戻りいただきまして、ワード資料の1ページの下の方にある④というものでございます。これは系統アクセス業務の受付・回答実績でございます。受付・回答状況はこの表の通りでございます。おめくりいただきまして、ワード資料の2ページでございます。苦情処理・紛争解決の業務でございまして、苦情・相談の件数につきましてはこの通りでございまして、減少傾向にございます。その下の3番は先ほどパワーポイント資料でご説明した内容でございます。さらに下がっていただきまして4番、これはスイッチング関連の情報でございます。昨年12月の時点でですね、スイッチングにつきましては累計1千万件に達してございます。詳細は、またパワーポイント資料の13ページの方をご覧いただきたいと思います。パワーポイント資料の13ページには、電力会社別のスイッチング支援件数を載せております。パワーポイント資料の14ページ以降は、各種委員会の情報でございます。14ページは広域系統整備委員会でございまして、期間中に6回の開催をしておりまして、広域系統長期方針ですとか広域系統整備計画に係る検討を行ってまいりました。続きまして15ページでございます。15ページは調整力等に関する委員会でございまして、9回の開催をしておりまして、供給計画に関わる事項ですとか需給検証、さらには下から3つめにございます需給調整市場の検討小委員会もこの委員会の下部で活動しております。16ページは地域間連系線等の利用ルール等に関する検討会の状況ございます。17ページ容量市場の在り方等に関する検討会ということで、8回の開催をしておりまして、需要曲線ですとか需要処理等に関する検討を行っております。18ページは、先ほど報告事項の1番で説明があった通りでございます。最後は、情報セキュリティに関する取組みでございます。情報セキュリティに関しましては、広域機関内の取組みといたしましては、職員向けの研修ですとか訓練でございます。代表的なものとしましては、標的型の攻撃メール訓練等を実施しております。またセキュリティログ監視システム、いわゆる24時間の常時監視システムでございますが、これを昨年2月から導入をしております。また会員向けの取組みとしましては、会員に自己診断ツールの提供もありまして、啓発を行っております。以上で、活動状況報告に関するご説明を終わります。

○野間口議長

はい、ありがとうございます。ご意見、ご質問ございませんでしょうか。

○渡辺評議員

質問ですけれども、的をはずしていたら素人なのでご容赦いただきたいのですが、再エネの出力抑制というのは実績としてありまして、これは私の立場としても、事業者の立場としても事後の予見可能性として、再エネ事業者にとって出力抑制の蓋然性とか、それからレベル化、そういったものはそれ程気にする必要があるのかどうなのか、いま一部の九州エリアでソーラーってことになっています。これは再エネ全般であらゆる地域でそういうことが起こりうるのか、その場合に乾いた需要と供給って判断するのか、これは一種の言葉は適切じゃないかもしれないですが若干公権力の発令みたいなとこがあって、民間事業者として需要の予見性の上でどの程度考えればいいのか、その出力抑制についてはベンチマークとか見方っていうのは、ちょっと私の不勉強かもしれないけど出ているのかどうか、その辺を少し教えていただければと思います。

○野間口議長

広域機関の方から回答をお願いします。

●竹内運用部長

はい、まず出力抑制ですが、今は九州電力だけで行われておりますが、再エネがこれから入ってくることが想定されており、四国であったり中国であったり、その他のエリアも検討されています。ですので九州に限った話でなく、今後全国的に行われる可能性のあることだというふうに思います。それともうひとつ、事業者にとっての影響ですが、当然再エネ出力抑制が行われますと、再エネ事業者からするとその分の売電収入機会が少なくなるということになりますので、そういう点で影響が大きいというふうに思っております。広域機関としては、これらのことが、再エネ出力抑制が公平に行われるかどうか、この点について検証を行い、公表していくというようなことを思っております。以上です。

○渡辺評議員

自然に考え方とか指針とかメルクマールとか、広域として自己的に監視をするというのは大事なことだとは思うのですが、事前に予めある程度地域の再エネ業者が出力抑制の蓋然性、頻度、度合いについて予測できるようなガイダンスというかベンチマークというの、これ広域の仕事じゃないかもしれませんけれど、あるのか無いのかということはどうなのでしょうか。

●竹内運用部長

事前の情報ということで申し上げますと、各エリアの、九州ですと九州電力の方から2日前にですね、出力抑制の可能性があるということを逐一公表されているというようなことでございます。

○野間口議長

松村先生、お願いします。

○松村評議員

まず接続の段階で、FITで買い取ってもらうことを前提として、太陽光事業者なり、風力事業者なり、接続する段階で、年間30日までは出力抑制を受ける。その場合に補償しない。これを承知の上で繋ぐルールになっているので、その点については確かに出力抑制が経済性というか採算性に影響を与えるけれど、そのことは承知の上で繋ぐということは認識する必要がある。それから実際の出力抑制が、その範囲でどれ位になるのかということに関しては、国のエネ庁の系統ワーキング、新エネ小委の下にある系統ワーキングで、具体的に試算をしている。しかしそれは、ある種の想定をおいて、これぐらい発生する、太陽光が仮にこれぐらい入ってきたとすればこれぐらいの抑制になるし、さらに増えればさらに増えるとかというようなことについてはデータを出している。しかしそれは、単なる想定ではあるので、予想と違うことが起これば当然変わる可能性があることは承知の上ではあるけれど、データを出している。そこでどれくらい出力抑制が現実におきそうかということを、再エネ事業者が判断しながら実際に投資するかどうか意思決定できるように、国としても情報を出している。事業者にもその関連の情報は出させている。しかし、本当に想定通りになるかどうかに関しては、ある種の自己責任という側面もあり、この点については各事業者が予想しながらやっているということ。本当に予想通りになったかどうかはわからない。いずれにせよ、これは広域機関がやることではなく、エネ庁がちゃんとやっていると私は理解しています。広域機関がやっているのは、その際にルールがちゃんと定められているので、そのルール通りやってくれないとそもそも予見可能にならない、というか元々試算した前提がめちゃめちゃになってしまう。そういう意味で、不公正なやり方をしていないかどうか、ルールに反するやり方をしていないかどうかは広域機関もエネ庁も見ている。以上です。

○野間口議長

はい、山地さん。

○山地評議員

ちょっと付け加えますと、当初30日ルールっていうのが始まったんですが、それを太陽光と時間、単位の部分に加えて、さらに指定電気業者っていうところに関してはある意味対象を広めた。ただですね、基本的には優先給電ルールがあります。だけど需給バランス上、どうしても制約、制御せざるをえないところがある。ということでですね、いま議論しているのは色んな側面があるが、ひとつ言うと、まず制御しようとしても自動、オンラインで制御しようという装置が付いているのか付いていないのか、そうするとN-1電制、コネクト&マネージなんかとおんなじで、オペレーションはこうやるんだけど、実は負担はもっと公平にやりましょう、そういうルールを考えているというのがひとつ。もうひとつは、事業者の方からっていうお話でしたから、それで言えば今回、系統と電源のデータの公開ないしは開示を行って、出力制御等のシュミレーションが出来るようにしましょうというのを今、整備しつつあるところですので、そこで考えて、事業者としては対応出来るんではないかというふうに。

○野間口議長

よろしいでしょうか。大変良いやり取りだったと思う。理解が進みました。

○髙村評議員

2つご質問がありまして、1点目が関連する点なんですけれども、特にOCCTOさんの観点から見たときに、九州エリアの先ほどの出力制限、抑制で地域間連系線の運用という点で、何かこれは改善したらもっと他エリアへの送電を大きくできると言うんでしょうか、促進するような制度上あるいは仕組みとしての課題というようなものがあるのかどうかという、お気づきの点があればというのが1点目です。
2点目は全く違う点ですが、よろしいでしょうか。スイッチングのところなんですけれども、2019 年、今年の後半というか秋口からのFIT切れ太陽光が出てきて、おそらくスイッチングの量は従来よりも、少なくとも一時的に増えていくタイミングになると思うんですけども、このスイッチング支援のところで、特に卒業太陽光の対応って何かご検討されているところがあるのかどうかという点についてお尋ねできればと思います。以上です。

○野間口議長

はい、広域機関の方から。

●寺島理事

1つ目にありました、いまの連系線をもっともっと使えないのかと、工夫の余地はないのかというご質問に対してですが、「実は、あるのです」と言えば、何でやらないのだということになりますし、まさに私からすれば、何かもっと工夫する余地はないか日々色々と考えています。ひとつは、運用する送電容量について信頼度を損なうことなく、なるべく増やせないかということもありますし、こういう事態に対して融通する際に、受け手と買い手が上手く調整出来るようになることがあります。余った分を引き取ってくれる広域周波数調整の引き取り手みたいなものがちょっとあります。ただ、ここのところは非常に重要な問題がありまして、これは今のルールだからこういう広域周波数調整という措置をしているのですけど、以前この場でもご紹介したかと思うのですが、需給調整市場というのを2019年から順次で始まって、スタートしていこうと考えております。そうなりますと、そのいわゆる調整力というのを広域的に運用していこうということに関しては、この太陽光など再生可能エネルギーの余剰という問題もありますし、他には万一、再生可能エネルギーが予定よりも急に出力が下がってしまった時の応援といいますか、緊急に調整力が欲しいという時に、エリア内で足りないもののやり取りとか、いわゆる調整力、デルタkwとも我々言っているんですけど、そういうのをシステム化して経済合理的にネットワーク事業者間でやり取り出来ること、そのようなシステムをしっかりやっていくこと、それが色々な意味で、その広域的な連系線を活用して周波数、調整力をしっかり合理的に調整出来るような方法のひとつじゃないかと思っております。話題の矛先を変えているようで恐縮ですけれども、そういう取り組みの中で、合理的に精一杯、調整力を広域的に活用することを考えております。

●山田総務部長

スイッチングの件でございますけれども、髙村先生のご指摘の通りでございまして、秋口から沢山の卒FIT電源が出てまいります。こういった卒FIT電源についてもですね、 OCCTO が持っているスイッチング支援システムの中で対処できるというか切り替えが出来ような仕組み作りをですね、いま下部の実務者会議みたいなのがございますので、そこでちょうど検討しているところでございます。はい、以上でございます。

○野間口議長

よろしいですか。異常気象の時代だから、ますます大事な問題。重要です。

○江崎評議員

情報セキュリティ、また一応担当なので、お話をさせていただく。こういうことをやっているっていうのは非常に外に対してもしっかり出していった方がいいかなと思うのですが、この表を見るとですね、SOCいわゆる監視システムで動かしているというのと、または結果なりまたは皆さんで共有できるものがあれば、会員の方にたぶん共有した方がいいだろうと思います。それから提供するのはISACだけに寄りすぎないように、ISACも非常に重要なわけですけど、先ほど申し上げましたように、リスクのドキュメントだったり、それから経済産業省での施策みたいなものもしっかりお伝えするというのが、なかなかこの手の情報が伝わらないということだと思いますので、とても重要だと思います。それから経産省の担当とも共有している一番の問題は、さっきちょっとオンラインでコントロールできるかっていうお話をいただきましたけれども、できない人の方が実は危ないということをほんとは少しちゃんとお伝えいただきたいんですね。オンラインでコントロールできるような人たちは、そこに少し専門家が入ってるので、実はより安全なんですけど、そもそもそういう機能が入っていないというところの方がメンテナンスの方にちょっと細工するだけでも悪いことが起っちゃいますので、そういうところを少し戦略的に、効果的に情報を提供するというのを、せっかくこの枠組みを作っていらっしゃいますので、少し意識的にやっていくと良いんではないかなと思います。これ、たぶんOCTTOとしても重要なミッションのひとつになるんじゃないかと思います。

●山田総務部長

はい、ありがとうございます。先ずですね、一点目のですねSOCいわゆるセキュリティ監視システムに関する結果があるのであればご披露した方がよろしいんじゃないかというご指摘でございます。まさにその通りでございまして、ちょうど昨年 2 月からですね約 1 年になるんですが、その結果が丁度まとまっておりまして、外部からの攻撃レベルがレベル的に高、中、低と言いまして、3段階に分かれております。高がですね、攻撃をされて実際に被害を受けたという、そういうものらしいんですが、この件数は 0 件でした。中というのが、攻撃を受けたんだけれどもちゃんと守ったよっていうのがありまして、これが大体200 件ぐらい。低というのが、向こう側が攻撃を仕掛けようかどうか迷っている、これは何万っていう数字があるんですが、件数で言いますと大体そのような感じですね。実際、高レベルっていうのが 0 っていうことはですね、しっかりこの SOC システムが機能していたのかなっていうふうに考えております。
もう一点はですね、情報提供を充実させていった方がいいんではないかというご指摘かと思いますので、その点は今後、江崎評議員のご意見を踏まえながら検討していきたいと思いますので、どうもご意見ありがとうございます。

○野間口議長

はい、ありがとうございます。他にございませんでしょうか。それでは、本日の予定が色々ございますが、皆さんの方から理事長をはじめとして広域機関の方へ、特にこの機会おっしゃりたいことございませんでしょうか。

○松村評議員

お願いになります。今回、九州のこのデータを出していただいたのは、初めて出力抑制があったから出していただいたと思うのですが、現状の対策を確認するためにも、今回初めてだったから出したということでなく、今後も今回と同じようなものを出していただけるとこれが確認できるので、是非、次回以降も出力抑制が起こっている時には、同じようなデータを出していただければと思います。お願いいたします。

○野間口議長

他にございませんか。よろしいですか。それでは金本理事長の方から一言。

●金本理事長

お忙しい中、出席をいただきまして、しかも色々なアドバイス、ご意見をいただきまして大変ありがとうございました。昨年は災害が多くて、我々も仕事が増えたというところですが、熊本大地震の時には、電力システムの被害は軽微で、復旧が非常に早かったということがありました。私自身もそんなものかなと思っていたら、実はそうではなかったということを経験いたしました。これから、こういった問題にどう対応するかということは、非常に大きな課題でして、広域機関におきましてもレジリエンス関係の委員会を作りまして、様々な費用と効果の観点からどういう対応が一番いいのかということについても研究させていただきたいています。今後2020年に向けて、沢山仕事が積み重なっているのですが、気を緩めないようにしっかりとやっていきたいと思っています。皆様方の色々なアドバイス、これからもよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

○野間口議長

大変貴重なご意見を聞かせていただきまして、ありがとうございました。それでは、以上をもちまして今回の評議員会を閉会といたします。

以上、この議事録が正確である事を証するため、出席した議長及び評議員2名は、記名押印する。

 

電力広域的運営推進機関評議員会

議長 野間口 

評議員 松岡 萬里野

評議員 山地 憲治

第2回評議員会 議事録PDFファイル(616KB)

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