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更新日:2018年1月26日

第3回評議員会 議事録

1. 日時:2017年12月12日(火曜日)午前10時~11時30分

2. 場所:電力広域的運営推進機関 豊洲事業所会議室(東京都江東区豊洲6-2-15)

3. 議事

報告事項

(1) 広域機関が直面する新たな課題について

(2) 活動状況報告(平成29年9月~11月)

4. 出席者

(1) 評議員(17名中9名出席)

野間口評議員会議長、秋池評議員、石川評議員、倉貫評議員、高村評議員、夏目評議員、松岡評議員、村上評議員、渡辺評議員

(2) 電力広域的運営推進機関

金本理事長、遠藤理事、寺島理事、内藤理事、桑原総務部長、進士企画部長、藤岡計画部長、竹内運用部長、神田紛争解決対応室長

5. 議事の経過及び結果

●遠藤理事

ただ今から、平成29年度第3回評議員会を開会します。

本日は、現時点で総員17名中9名が出席しており、定款第45条第1項に定める過半数に達しております。それではまず、お手元の資料をご確認ください。本日は報告事項2件です。資料は、次第に記載のとおりですので、配布漏れ等がありましたら、事務局までお知らせください。またご発言の際は、お手元のマイクスイッチをオンにしてから、ご発言されますようお願いいたします。それでは、議事進行を野間口議長からお願いいたします。

○野間口議長

それでは議案の審議に先立ちまして、定款第52条に定める議事録署名人を指名したいと思います。松岡評議員と村上評議員にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。

報告事項(1)は、広域機関が直面する新たな課題についてです。事務局から報告をお願いします。

●進士部長

広域機関が直面する新たな課題について、パワーポイントの資料に基づきご報告申し上げます。広域機関は設立から2年以上がたちまして、当初では想定されていなかった新たな課題について現在取り組んでおります。本日は、その一環といたしまして需給調整市場、容量市場及びコネクト&マネージの三点についてご報告申し上げます。需給調整市場と容量市場については私から、コネクト&マネージについては計画部長の藤岡よりご報告申し上げます。

それでは、需給調整市場についてご報告申し上げます。3ページをご覧ください。電力にはいろいろな価値があるということでございまして、卸電力市場で取引されるkWhの価値をはじめ、それ以外にもkWの価値、ΔkWの価値、非化石価値等いくつかの価値がございます。電力にはいろいろな価値がありますので、それぞれの価値をそれぞれの市場でこれから取引しようという流れになっているわけでございます。その内の一つが需給調整市場ということで、水色のΔkWの価値を取引するものでございます。ΔkWは、kWすなわち、どれだけの量を発電するかというのを上げたり下げたり調整する能力でございまして、今まで垂直一貫体制で旧一般電気事業者が中心に対応していた時代から市場で取引する時代に変わりつつあるということでございます。5ページをご覧ください。この図にありますように、今まで旧一般電気事業者が行っていたものを、現在、公募という形を取っておりまして、最終的には一般送配電事業者が調整は行うわけですが、それに関しましてどのような電源を使うかというのは、ほとんどが旧一般電気事業者の電源ですが、それ以外の新電力の電源、あるいはネガワット等と記載がございますが、必ずしも発電所ではなく、例えば、自分の工場の負荷を落とすといったことをもってkWを調整するというようなことも公募しています。これらを一般送配電事業者が使用して、kWの調整をしていくということでございます。将来的には、今、私どもが検討しております需給調整市場ができましたら、公募ではなくその時々において入札して、安いものから使っていくという仕組みになるということでございます。では、需給調整の仕方にはどの様なものがあるかを6ページでご説明申し上げます。先ほど、ΔkWはkWを上げたり下げたりする能力と申し上げましたが、それもいくつかの時間断面、速く動くものとゆっくり動くものとございます。一番速いものが、赤い線で書いてありますガバナフリー(GF)というものです。ガバナとは燃料の弁と考えていただければいいのですが、燃料の流れる量を調整し、細かな周波数の変化に応じて発電機の出力をかなり速いスピードで上げたり下げたりする。これがガバナフリーといわれる一番速い応答速度を果たすものでございます。二番目が、負荷周波数制御(LFC)というものでございまして、周波数50Hz又は60Hzを一定に保つものでございます。下の図でいいますと、緑色の斜線で表しているところで、ガバナフリーと比べますと比較的ゆっくりとしたものでございます。また、さらにゆっくりとした動きのものとして、経済負荷配分制御(EDC)がございまして、これらの時間断面が違うものを組み合わせて発電機の調整をしておりまして、それぞれのスピードに応じた市場を設計しているところでございます。7ページをご覧ください。私ども検討していると申し上げましたが、後ほどご説明申し上げます容量市場とは異なり、運営主体が今なお一般送配電事業者いわゆる旧電力会社という形でございまして、電力会社の中央給電指令所が今申し上げたようなコントロールをしております。運営主体は一般送配電事業者となりますので、私どもは一般送配電事業者と連携を取りながら、もちろん資源エネルギー庁や電力・ガス取引監視等委員会とも連携を取りながら、全体の市場設計、技術的検討を行っているところでございます。冒頭申し上げましたように、当初想定されていなかったタスクが広域機関にも入ってきており、当初、この需給調整市場に関しましては、広域機関は技術的検討のみを行う予定でした。しかしながら、公平性・透明性を確保する観点から、広域機関が入り、委員会を開催して決定することが、8ページにありますように、第14回制度検討作業部会で決定されたということでございます。このような流れを受けて、需給調整市場一つを取りましても、当初想定されていたよりも、我々の検討内容はかなり増えているということでございます。以上が、需給調整市場の検討内容及び検討体制の拡充ということでございます。

続きまして、9ページから始まります容量市場についてご説明申し上げます。これは前回ご説明申し上げましたので要略してご説明申し上げますが、もう一度背景からご説明申し上げます。10ページをご覧ください。容量市場はkWをどのように確保するのかという市場でございますが、その背景として何があるかと申し上げますと、平成28年度供給計画では、まず一つ目の矢じりですが、自然変動電源である風力・太陽光の導入がどんどん進むということは、火力発電所の稼働率は低下するということでございます。現に、ヨーロッパなどの例を見てみますと、再生可能エネルギーの導入に伴って火力発電所の稼働率が下がり、場合によっては、火力発電所が成り立たなくなっているという例もございます。また、中小規模の小売電気事業者からは中長期の供給力が調達先未定とする計画が多く出されております。すなわち、中小規模の小売電気事業者からは将来のkW確保のめどが立っていなということでございます。このような中で、日本全国として、kW、発電能力をどのように確保していくのか、そういう観点から容量市場を検討すべきだということになっております。11ページをご覧ください。これは第3回電力システム改革貫徹のための政策小委員会の資料でございますが、この小委員会の中で、容量市場を広域機関で検討するということが決定されたということでございます。では、容量市場を簡単にいうとどういうことなのかと書いてあるのが12ページでございます。真ん中の四角が特に重要でございまして、小売A、B、Cから、ピンク色の費用支払と書いてございますけれども、税金のようにお金を取り、それを発電A、B、Cに振り分けて、発電A、B、CからkW価値を提供してもらう。kW価値を提供してもらうということは、具体的には、発電所を持ってきちんと発電してもらうということでございます。このように、発電A、B、Cに対しましてお金を支払うことによって、発電事業者にとっては、新規電源の開発の足しになる、あるいは既に持っている発電所の除却を少しでも遅らせることができる、このような働きを見込んで、容量市場を検討しているわけでございます。

13ページをご覧ください。容量市場を導入しなくても、kWを確保できるという考え方もあります。右側に、措置無し、Energy Only Marketと書いてある欄がございますが、どういう仕組みなのかと申しますと、このグラフは横軸に供給力・予備力と書いてありますが、全体のkWの量でございます。これが左側に行く、つまり供給力・予備力が少なくなっていきますと、世の中の電力が足りなくなってきますのでkWhの価格が高くなります。すなわち価格スパイクが起きますが、電気料金が高くなれば発電事業者はもうかりますので、そうすると、発電機の導入促進が自然と進んでいくだろうと。このように価格スパイクが起きたり、価格が下がったりすることを繰り返しながらkWは確保されていくので、容量市場を導入しなくてもいいのではないかという考えもあるわけです。現に、ノルウェー、スウェーデン、オーストラリアなどはこのようなシステムを導入しています。一方で、左側にありますように、アメリカのPJM、イギリスなどは、価格スパイクができるだけ起きないように安定した価格で電気を使えるような容量メカニズムという仕組みを導入してございます。このように、各国いろいろな方策によって容量を確保するという仕組みを取り入れてございます。その関係図を示したのが14ページでございます。中長期的な供給力を確保しなければならないというのは左側に書いてあるとおりですが、これに対応するのに今申し上げたような、人為的な価格スパイクを起こすような方式、あるいは容量メカニズムを導入するというような大きな二つの方法がありまして、容量メカニズムを導入するにしましても、少し右側に目を移してもらいますと、ドイツのように戦略的予備力という形を採っているもの、あるいは、日本と同じような容量市場を導入していくものなどいくつかのやり方がありまして、諸外国の例なども参考にしながら容量市場の設計を進めております。最後に15ページでございますが、容量市場の簡単な仕組みをご説明申し上げます。容量市場という名前が付いておりますが、一般的な市場と少し違っておりまして、どう違うかと申しますと、普通、供給曲線と需要曲線が交わった所で量と価格が決まるのが一般的な市場でございます。供給曲線は発電事業者等が入札と書いていますが、どの発電事業者がいくらの入札をするかというのを安い順に書いていったものが供給曲線でございます。これは一般的な供給曲線と変わりません。変わりますのが、青色で書いた需要曲線でございます。これは需要に基づいて引くというよりは、市場管理者が人工的に引いたものでございます。すなわち、人工的に引いた青色の曲線とそのときの供給曲線の交点で、緑色の星になりますが、約定価格と量が決まっていきます。この青色の需要曲線をどう引くかというのは非常に大きな課題で、我々もそれに向けていろいろな知見を蓄えながら、現在検討しているところでございます。以上、簡単ではございましたが、需給調整市場と容量市場の検討状況についてご説明申し上げました。

●藤岡部長

続きまして、コネクト&マネージにつきまして、私からご説明申し上げます。コネクト&マネージの取組は先ほどの電源とは違いまして、流通設備形成や電源のアクセス検討に係る取組でございます。17ページをご覧ください。この取組は昨年度策定いたしました広域系統長期方針にひもづいて実施している検討項目でございます。その中身を簡単におさらいしますと、今後想定される環境変化としまして、大きなものとして、電力需要の伸びが鈍化しているということです。一方で、電源のアクセスの方につきましては、再生可能エネルギーを中心としまして新設計画が増加しているということでございます。こういった状況下で、従来のやり方、基本的には容量に合わせて設備をつくり、広域機関がそれを主導するという役割があるわけですけれども、実際に設備増強を実施していくと、膨大な流通設備の増強が必要となり結果として流通設備効率が低下し、託送料金ひいては小売電気料金の上昇圧力になるという課題がございます。今後の取組の方向性としましては、電源側と流通側コストの総合的な国民負担の抑制が大きな方向性でございまして、流通設備につきましては、増強を主体とするのではなく、できるだけ効率的に活用していくことを目指します。二つ目の丸にありますとおり、これまでの電源連系容量に応じて系統増強してきた考え方から、大きく発想を転換し、既存設備の最大限の有効活用を図るという取組でございまして、そこから、想定潮流の合理化、コネクト&マネージの取組につながっていくわけでございます。

それでは具体的にどういうことに取り組んでいるのか、18ページでご説明いたします。まず、現状と書いている所に青い線で運用容量とございます。これが送電線の現状の運用容量として見てください。グレーで囲っている所が、どれだけの容量を見込んでいるかとういことでございまして、ここの例でいいますと、空容量がない状態です。既存のアクセスされている電源でいっぱいになっているということです。想定潮流の合理化というのは、このグレーで囲っている所が本当にそうなのか、実運用を考えたときにはもう少し少ないのではないかと、想定潮流をもう少し蓋然性の高い計画をすることによって、白い枠である空容量をつくるというものでございます。具体的にどうしているのかについて、20ページをご覧ください。左下の系統図ですが、丸で囲っております放射状系統には需要のLと四つの発電機がつながっています。こういう系統ですと、放射状系統には需要で消費しきれない部分が、発電機の潮流が放射状系統を経由してエリアのネットワークに突き上げていっているというイメージでございます。この場合、従来ですと、放射状系統に流れる電気が最もたくさん流れるときというのは、需要が一番少なくて一方で発電機の出力がフル出力のときが放射状系統にたくさん潮流が流れますので、そういうことを前提に設備形成をしておりました。しかし、実際にそういう潮流が流れるのかといいますと、右側のグラフにありますとおり、この線路に流れます8760時間のデュレーションを示したものですが、右側にあります需要が小さいときには当然発電機の出力も絞られている状況です。そして、だんだん需要が大きくなっていくと、発電機の出力も大きくなっていく、一般的にこういう傾向があるわけですが、そういう傾向をとらえまして、いわゆる需要と発電出力の差分、これが系統に突き上げてくるわけですから、赤色の両矢印の部分の最大値を使うということでございます。従来であれば、最少需要のときにフル出力が出るということですので、右側に書いてあります黒色の両矢印を送電線の必要量と見ていたわけですけども、実際には赤矢印部分の潮流しか流れないということであれば、その差分を空容量として新規電源をお使いいただけるという考え方になります。これが、想定潮流の合理化でございます。

18ページに戻っていただきまして、ここまではコネクト&マネージではなく、設備形成の考え方、潮流の想定の仕方を変えたものです。以降が、コネクト&マネージの取組ですけれども、N-1電制という取組を実施しております。これは簡単に申し上げますと、現状の青線の運用容量を赤線まで上げてあげるということです。これは、送電線等の設備増強をせずに運用容量を上げるということでございまして、こちらの説明が21ページにございますのでご覧ください。N-1電制がない場合の図をご覧いただきますと、通常、送電線は2回線で構成されておりまして、そこの図にありますとおり、例えば、1回線あたり100MWの容量ですと、2回線合計で200MWの容量があるということでございます。通常、設備の考え方にN-1基準というのがございまして、一つの設備故障に対しまして安定供給が維持できること、つまり、1本の送電線が事故のときですので、残りの1回線で安定的に供給できることを前提に設備形成をしております。その関係で、従来の考え方でいいますと、設備容量としては200MWあるわけですけれど、1本事故が起こっても大丈夫なようにということですので、そこにつながる発電機は100MWの容量しかつなげないというのが従来の設備形成の基準でした。それを右側にありますとおり、N-1電制といいますのは、平常時は200MW送れるわけですが、事故が起これば100MWしか送れないということであれば、事故が起こったときに、200MW接続した内の100MWの発電機を抑制しようというもので、この場合は、電制というのは瞬時に遮断させるということですので、これは何らかのリレーシステムで瞬時に解列することを条件としまして、常時200MWの発電機をつなぐという考え方でございます。こういう考え方を採ることによりまして、従来ですと100MWの運用容量を200MWまで上げられるという考え方でございます。18ページに戻っていただきますと、青線の運用容量を赤線の運用容量まで上げることによりまして、この部分は新規の電源のアクセスに使っていただけるということでございます。さらに進めまして、ノンファーム型接続といいますのは、平常時の抑制を前提としております。N-1電制は事故時の抑制でしたけれども、ノンファーム型接続というのは平常時の抑制でございまして、設備形成も、先ほどのデュレーションを見ていただきましても、8760時間全てが満杯に埋まっているわけではなくて、当然夜中とか端境期等には系統に空容量がございます。そういった空容量は平常時使っていただくが、混んでいるときには抑制していただくという条件で、いわゆる隙間利用していただくというのがノンファーム型接続でございます。これら三つの取組を順次検討を進めているところでございまして、最初に申しあげました想定潮流の合理化につきましては、標準的には来年度から適用しますが、一般送配電事業者の方で、先行的に順次適用していっているという状況でございます。N-1電制とノンファーム型接続につきましては、今、広域系統整備委員会の方でルール化に向けた検討を進めているという状況ございます。説明は以上でございます。

○野間口議長

はい、ありがとうございました。それでは、ご意見、ご質問がある方はお願いします。

○村上評議員

需給調整市場ですと、調整は一般送配電事業者が行い、一方調整するための電源というのは、需給調整市場で新電力の電源やネガワット等により調達するという話ですが、これは一般製造業でいうと、原材料部品の調達と同じということになって、結局自分が必要な部品を調達する場合、一番合理的な調達方式を選んで、いろいろな所から必要な物を集めてきたり、もちろん自家製で作る場合もあれば、アウトソースでそこから購入したりする場合もある。そのときには基本的には日本のメーカーの調達実務からいうと、その事業者が自分のリスクと判断で一番効率的な購買システムを利用すると考えるのですが、これを、需給調整市場を作って外から口を出さなきゃならない、調整をしなきゃならないという意味はどこにあるのでしょうか。

●金本理事長

理事長としてではなく経済学者としての発言になりますが、基本的に一般送配電事業者は独占なので、勝手にやらせられないということが最初の問題だと思います。ですから、独占者が自分の利益を最大にしようとすると困るということで、パブリックの領域に入ってくるということです。それだけですと、資源エネルギー庁や電力・ガス取引監視等委員会が監督すればいい話ですが、調整力の市場は技術的にかなり難しい。調整力や予備力を確保するために、発電設備の余力をとっておいて、実際に必要となったら供給する。それは普通の発電機でできることですので、普通の発電機で普通に電力を送って、市場で収入を得ることもできますが、それを減らして、例えば、GFやLFCを付け、そちらの量を増やすと、電力市場で得られたはずのもうけ分が減るということがありますので、その間の関係をうまく設計しなければなりません。といったことで、かなり難しい市場設計になります。

○村上評議員

独占だからというのは理由になりますか。独占事業者であるとしても、調達を効率的ににせざるを得ないという点は変わらないような気もするのですが。

●金本理事長

簡単な話ですと、例えば、独占規制でプライスキャップ規制やレベニューキャップ規制を入れて、あとは任せるという方策もあるのですが、それでうまくいくほど簡単なマーケットではなさそうだということで、どこの国も政府が介入して一生懸命取り組んでいる、そういう世界になっています。

○野間口議長

似たような観点なのですが、需給調整市場になりますと、LFCやEDCがどんどん世代が変わって、バージョンアップしていくと思うのですが、進化させるインセンティブというか、それをどういうふうにサポートしていけばいいのでしょうか。これは元々発電所並びに中央給電指令所が持っている機能ですよね。こういった機能は、これまで一般送配電事業者が改良、改善してきたと思いますが、これからはどうなっていくのでしょうか。

●内藤理事

周波数制御において、GFは発電所の自端(制御)といいまして、発電所の周波数を自分で検知して出力、調整する機能でして、基本的に発電機に多く付いているものですけれども、LFCやEDCになってきますと、中央給電指令所と通信のやり取りをして、中央給電指令所から指令を出すという仕組みです。そのため、そういう通信手段等はご自身で、新電力が参加するのだったらその企業自身で具備しなければならないので、需給調整市場に入るための要件をしっかり定義していくということになると思います。出力の制御の速度などを要件化していく、技術の進歩に応じて、さらに周波数制御を進化させること、あるいはその要件をさらに上げていくこともあるかもしれませんけども、かなり成熟した技術だと思います。発電機そのものの出力の制御速度が、いわゆる機械的なもので決まってしまうものが相当ありますので、少しずつは進歩すると思いますけども、要件化していけば従来の電力会社以外の事業者もできるのではないかと思います。今までは旧一般電気事業者だけが周波数調整していましたので、発電所を作るときにあらかじめ考えられていなかったということもありましょうが、そういうものを初めからこういう条件ですよと、説明していくということになると思います。

○野間口議長

分かりました。今日は江﨑評議員がおられませんが、組み込み型のソフトに変なものが入ってくる時代なので、セキュリティ対策など今後いろいろ出てくるのではないでしょうか。その辺これからの制度設計の段階で検討されるでしょうけど、よろしくお願いいたします。他にご質問、ご意見ございますでしょうか。

○倉貫評議員

基本的なことを教えていただきたいのですけど、コネクト&マネージが進むと、再エネが入りやすくなって、その結果、火力発電所の稼働率が下がり、電力会社にとって厳しい状況になると思いますが、そのときに、需給調整市場も容量市場もまだ動いていないと思うのですけれども、このタイムラグは何か問題として起こることはあるのでしょうか。

●遠藤理事

需給調整市場は2020年を目途に、コネクト&マネージはできる限り早い時期からということですけれども、今、調整力の検討の中で必要な調整力の量を検討しております。需給調整市場になると、年間で必要な断面できちんと調達していくということになっていますし、それまでの間も調整力公募をさせていただいております。これも、電源IやI′という形で必要な調整力についてはその都度見直して量を毎年考えることになっておりますので、需給調整市場までの間においても、調整力公募の検討の中で必要な調整力については不足ないように調達していくことを考えています。

○野間口議長

他にございますか。

○高村評議員

この間、非常に重要な施策をとってくださっていると思っておりまして、二つほどお尋ねいたします。一つは容量市場について、前回も発言させていただいたと思うのですが、最近、日経さんの報道で、非常に大きなコストの負担になるという試算を独自でやってらっしゃる記事を拝見いたしました。おそらく先ほどご説明があったように、どれだけの容量を確保するかという点に非常に大きく起因すると思っておりまして、その意味で大変苦労されていると先ほどありましたけど、できるだけ需要家の負担を下げるような形での容量市場の運営というのをご検討いただきたいというのが要望でございます。

それからもう一つ、コネクト&マネージで、特に再エネの発電事業者含め新規の事業者のところにはすごく大きな期待が高まっておりまして、まず、想定潮流の合理化から話を始めていただいているのはありがたく思っております。先ほどの日経の話ではないですけど、コネクト&マネージもどちらのどういうルールになるかによって変わってくるということを前提にしつつ、どれくらいの新規の電源にとって、アクセスが促進をするようになるのかといった試算というようなものがおありになるのかどうかという点です。もし、ございましたら教えていただければと思います。ちなみに、このコネクト&マネージの議論は別のところでもしておりますけども、今回いただいた報告が一番わかりやすかったです。どうもありがとうございます。

●遠藤理事

容量市場での需要家への負担の件につきましては、まだ具体的にはやり方が決まっていないですけども、経過措置をまずは設けようと思っております。小売電気事業者の負担がいきなり増えるのではなく、数年間かけて徐々に増やしていく形を考えていますし、その間に、スポット市場の価格の低減も中長期的には見えてくるのではないかということで、そこら辺の年数とか程度については今具体的な検討を進めているところでございます。

●寺島理事

コネクト&マネージの件のご質問については、私からお話させていただきます。N-1電制とノンファーム型接続とそれぞれ方法がありますが、これらを導入すればどれくらい新規の電源が、それが再生可能エネルギーであるかないかにかかわらず、どのくらい入るのかということについての試算というものは、正直申しましてまだ実施していません。今、広域系統整備委員会で議論していることは、今までの送電線に接続する要件の変更、見直しです。見直しすることによって、信頼度を毀損してはいけませんので、そのためにはどの様な措置を採ればいいのかにもよると思います。その結果、今までの既存の連系者にとっては、新たな事業者が隙間に入ってくることになり、一定程度窮屈になるわけです。窮屈になることで、既存の事業者にとってはどれくらいのコスト増になるか、不都合が生じるかということに対して、新たな事業者にどの程度負担するべきか。今までだったら送電線を作らなければ入れなかった人が、そうではなく、制御装置とか通信装置だけで入れるようになるのであれば、その人は何を負担すればいいのか、実はそういうところのルールを決めませんと、ただいたずらに「どうぞ」とやってしまっては、実際に運用に入って問題が生じます。お互いに、「そんなつもりではなかった」ということになってしまいますので、今、ルールの整備を一生懸命しているところです。言い換えれば、それによりけりのところがあると思います。極端なことですが、ノンファーム型接続では、混んでいるときは事前に通告し、運転を控えていただくことになりますが、事業者はその控えなければならない運転の量がどれくらいなのか、その予見性がないと判断ができません。例えば何十%も年間に抑制されるのなら、事業者はいくらノンファーム型接続といっても躊躇されるでしょうし、電源の設備投資もされないでしょう。そういうルールなり、実際の予見性なり、そういうものをお示しした結果として、どれくらいのスピードでどれくらいの方が連系してくるかとなりますので、現段階では一概には計算しにくいと考えております。まずは、ルールなどそれらの点を整備していくことを最初にやっていきたいと思っています。また、先ほど倉貫評議員からもお話がありましたが、N-1電制にしてもノンファーム型接続にしても、その辺のルール整備や万一発生した費用の精算方法、それを妥当な費用だと評価する方法など、それについて、いくばくかの時間がかかると思いまして、全国的に一つのルールで統一するのに、すぐ今年、来年に導入ということにはなりにくいところです。それと並行して、2020年に向けての容量市場や需給調整市場の導入に向けての準備が進んでいるわけですが、このコネクト&マネージが導入された後、新規の再エネ電源が一斉に出来上がってくるかと申しますと、発電所側の設備建設も順次進むことになりますので、そこはミスマッチがないようには、双方連携取りながらやっていかなければいけないと考えています。少し長くなりましたけど、私から補足までです。

○野間口議長

現状の容量と電制有の容量、青と赤の部分これを何倍にするとかといったところは段階的に増やしていくと。電力の安定供給を毀損してはいけませんので、それを確保しながら増やしていくということですか。

●寺島理事

はい。今までの基本的な信頼度の考え方を変えてしまって、何かしら毀損してまでやっていくというのは、良くないだろうと考えております。今、考えている信頼度は必ず維持していかなければいけない。そのための必要な制御装置なり、信頼度を維持するための措置をとりながら、既存設備を最大限有効活用していくというものです。何もかもが一気にできるというものではありません。

○野間口議長

他にございますか。

○石川評議員

我々、夏季の需給調整契約をしているのですが、例えば1万kWで契約しているときに8000kWにして2割減らして、その減らした分を買い取っていただくということの延長線上の需給調整市場と考えてもいいのでしょうか。

●遠藤理事

いわゆるデマンドレスポンスのことだと思うのですが、それも今回の需給調整市場の商品の対象には入っておりますので、その要件にあえば、市場取引ができることになっております。

○石川評議員

もう一つよろしいでしょうか。現状では電気が十分足りていると思います。夏季調整も行わないように各電力会社もそういう方向性で進んでいる。将来のルール作りとしてはいいが、今非常に電源が余っている状況がこのまま続いていくのか。もし足りなくなったら困るからということでルール作りをやっていることはわかるのですが、現状は非常に余っている状況だと思うのですが。

●遠藤理事

現状はおっしゃるとおりだと思います。ただし、特に古い電源や稼働率の低い電源については電力会社も廃棄していこうという動きがあります。そういった電源が本当になくなってしまうと、いざというときには足りなくなってしまうおそれがありますので、それを何とか抑えたいということで、やはりこの容量市場が必要だということで、数年後に導入するのですが、検討を進めております。おっしゃるとおり、現状の足元だけで見るとそんなに需給がひっ迫しているわけではございません。

○石川評議員

将来のためのルール作りということでわかります。古い火力発電所を動かして厳しい発電をしている所もたくさんあると思うのですけど、結局、原子力が動けば同じことで、また余るのではないかなという気持ちなのですけど。果たして、需給調整市場は今後機能していくのでしょうか。

●遠藤理事

需給調整市場の方は、再エネがどんどん増えてきて、それを調整するための電源が減っていく可能性があるので、必要な量を確保したいということです。需給調整市場はこれからどんどん必要になってきます。

○石川評議員

よくわかりました。

●金本理事長

今のところですが、容量市場につきましては最短で2020年に取引をスタートさせて、実際にお金が動くのはそれから4年後ということになります。今からしばらく先で、みなさん懸念されているのは、これから5~10年後くらいに本当に必要な電源が建つかということを心配して設計している状況でございます。すぐに利用者に負担がかかるという話ではございません。

○野間口議長

他にございませんでしょうか。市場といいますと金融市場ですが、金融機関という立場から、どういうふうに電力改革のありようを見ておられるかいかがでしょうか。

○渡辺評議員

伺っていて、やはり全体感をなかなかこの市場はとらえられにくいので、先ほどおっしゃったようにシミュレーションが大変難しいことは分かるのですが、こういうマーケットを作っていくと、こういう前提で、こういうエネルギーミックスになって、全体的な国民の負担がこうで、最終的にはエネルギーミックスでいろいろ国際的な公約のCO2はどうだとか、こういう鳥瞰図がないと局所的に見ていてもなかなか我々としては分からない。マーケットを見るときに、やはり予測可能性というものを常に考えて見ているので、今伺っていると局所局所でテクニカル的なこともいいし、局所局所で同時並行的に進んでいるのですけども、やはりこの国の施策として全体感をもった鳥瞰図を国民に早い段階で示していただかないと、我々も含めて一体どうなるのだろうという全体感が分からない。そういうときは安定供給とともに国民経済的にネットでプラスになっていくのかマイナスになっていくのか、あるいは、エネルギーミックスの中で、もちろん原子力は非常に大きいのですけど、国際公約のCO2削減とか、こういったことに対してどうかとか、マクロ的なシミュレーションモデルをラフで結構なのでどこかで示していただくと、より国民としては透明性が高い予測可能性がある議論ができるのではないかと思います。

●金本理事長

どこまでできるかはこれからの我々の努力次第という面もありますが、最近、イギリスが容量市場も含めて調整力市場の大改革をしているところでございますが、その際に、今おっしゃったような絵をしっかりと出して、それが正しいかどうかはいろいろ議論があるのですが、大きな絵を出すようなプロセスでやっているということがあります。そういうことを学びながらできる限りのことをしていきたいと思います。

○野間口議長

評議員会は各界を代表する方、有識者の方が集まっておられますので、よく意見を聞いて、より良い仕組み、設計になるように、他の研究会も含めて提案できるようによろしくお願いしたいと思います。それではよろしいでしょうか。村上評議員どうぞ。

○村上評議員

一番わからないのは、他の分野では、こんな時代ですから、アメリカを見てもヨーロッパを見ても国際標準的な動きがあるような話で、大体共通の認識が出てくるわけです。ただ、今の話を聞くと、こと電力に関しては各国ごとに全然制度設計が違って、国際標準的な見通しなりルールがあるのではなくて随分違うという印象なので、それはほかの材というか、それと比べて何がそれだけ各国ごとの対応性なり、制度、システムとしての差が出てくる原因になっているのでしょうか。

●金本理事長

なかなか難しいご質問ですが、結構どこの国も過去を引きずっているということと、政治の問題があります。アメリカですと連邦制であって、過去たくさんの大中小いろいろな電力会社がいて、その中から自由化をしていく。ISOといっていますが、競争市場にした地域についてはだいたいPJMに近いものに落ち着いている傾向にあります。一方でまだ自由化していない州も残っているといった状況で、それは政治の選択となります。ヨーロッパについては、EU政府がいろいろなことをやっていますけど、国の間をまたぐ所はなかなかスムーズにはいかないというところがある。また、制度設計上、TSOといいますが、送配電の設備を持っているところが、系統の運用者の場合。そういうモデルがヨーロッパで主流ですが、最近はそれではうまくいかないのではないかという議論があって、イギリスはISOを分離するということを決めたようです。そういう中でベストは何かという具合に、まだまだ各国探っている状況かと思います。実際上のオペレーションはかなり難しい、いろいろな違うタイプの発電設備がありますし、最近、よくいわれるのは、需要側のデマンドレスポンスをどううまく使っていくかということがありますし、変動電源でふらふらする発電設備があります。その中でどうすれば一番安く済み、しかも停電を起こさずにできるかと、そういうところをみなさん今探っているといったところかと思います。日本は後から来た人でして、その先端を見ながら少しずつ固めていくといったことだと思います。

○野間口議長

広域機関からの最初の二人の説明が、高村評議員がおっしゃったように、非常にわかりやすかったので、大変良い議論ができたのではないかと思います。この仕組み作りはまだまだ大変ですけど、頑張っていただきたいと思います。次に進んでよろしいでしょうか。

それでは、報告事項(2)活動状況報告をお願いします。

●桑原部長

9月から11月までの広域機関の活動についてご報告申し上げます。参考資料として付けてあります1のパワーポイントの資料を脇に置いて、適宜ご覧いただければと存じます。まず、理事会の審議につきましては参考資料1で124回から134回の主な審議事項をまとめております。上からまいりますと、124回には北海道本州間連系設備のマージンにつきまして、これを変更することを決議しております。125回につきましては、平成30年度向けに調整力の公募にかかる必要量等について議論をして決議しております。これはいわゆる、最大3日間平均の7%を電源として確保しましょうですとかを決めたものでございます。127回の理事会ではクライアント証明書に関する変更覚書の締結について決議しております。クライアント証明書といいますのは、広域機関システムですとかスイッチング支援システムをいろいろな事業者さんに提供して、こちらにアクセスいただいて情報をやり取りしておりますけれども、それを使うにあたって、正しいユーザーであるというのを証明する必要がありますので、そちらにつきまして来年度以降、多少の値引きも含めて決議をした次第でございます。128回では、セキュリティログ監視等業務委託に関する契約締結について決議してございます。これは、いわゆるセキュリティオペレーションセンター、サイバーセキュリティ対策の一環として、既存のウィルス、既にわかっているウィルスだけでなくて、広域機関の中のシステム上にあるログを取り出しまして、それがおかしな振る舞いをしていないのかを検知するという仕組みでございます。こちらに関しまして、環境を構築し、そういう監視を実際に引き受けていただくベンダーさんと締結をしたいということで決議いただいたものでございます。129回は電力需給検証結果の取りまとめについてでございます。こちらにつきましては、夏以降、抽象的ないい方ですが無事に乗り切りましたということと、この冬の厳寒の状況を考えましても大丈夫であろうという結論について広域機関として取りまとめをして決議してございます。130回は広域機関主催として、初めて完了した電源接続案件募集プロセスについて、こういう結果になりましたということと、それを公表することについて決議しております。対象エリアは鹿児島県の入来エリアでございます。131回は電気の質、周波数滞在率ですとか電圧、停電の状況について報告書で28年度分を取りまとめてございます。また今年度上期につきまして、苦情及び相談対応について取りまとめをして、こういう内容で公表したいというのを決議してございます。133回の29年度年次報告書につきましては、質以外にも供給計画ですとか、調整力公募の状況などを全般的にまとめまして公表するというものを決議してございます。また30年度の供給計画に向けまして、需要想定の前提となる経済見通しについて決議をしてございます。134回間接オークション導入に伴う連系線利用計画の取扱いにつきましてですが、間接オークション、連系線の新たな使い方のルールが来年度下半期、早ければ運用を開始する予定でございます。連系線利用計画、長期といいますのは少々先のものでございますし、年間計画は30年度、31年度を対象とするわけでございますが、新ルールになるということで一部不要になるものもございますので、取扱いをこうしたいということを決議しております。

以上が理事会の審議事項の概要でございまして、紙の方の元々の資料の方に戻っていただきまして、1の23でございますが、会員への指示ですとか、指導勧告等、新たなものはございません。ただ、前回F-Powerに対する指導についてご報告いたしましたけれども、こちらにつきましてはその後再発防止策が提出されて、今状況を注視しているところでございます。4系統アクセス業務につきましては、表でいつものように、受付、回答済件数を事前相談、接続検討などの類型に応じて表に示してございます。やはり4月から8月の方の受付、回答が必要になってくる件数が多いということでございます。2の苦情処理、紛争解決業務につきましても11月までの実績を表のとおりまとめてございます。あっせん・調停につきましては新たなものは特段発生してございません。3の全国及び供給区域ごとの需要に対する適正な供給力の確保状況の評価でございますが、こちらまたカラーの参考資料1の2スライド目をご覧いただけますでしょうか。こちらで左に北海道電力、右側に沖縄電力と10エリアに分けて並べてございます。一番低いところの予備率も7%ということで、適正な供給力が確保できていたと認識してございます。そのまま参考資料1をめくっていただきまして、3スライド目、スイッチングシステムの利用状況ですけれども、こちらに示しておりますのは11月末で、一番下合計で577万件スイッチングが行われたということでございます。かなりの数に上ってきたということでございます。また本体の資料に戻っていただきまして、こちらスイッチング支援に関するシステムに関して、実務者会議でより利便性を高めるなどの観点から議論を行っていただいておりますけれども、いろいろ運用も含めて対応済の件数などを紹介してございます。システム改良につきましては前回もご説明いたしましたが、事業所の情報をまとめて変更できるようにするというシステム改良1件と、スイッチング支援システムに関して周知事項があるわけですけれども、こちらをメールで知らせてほしいという要望が強かったので、こちらの方につきまして対応しておるとこでございます。こちらの本体資料の方めくっていただきまして、5では委員会、検討会等の活動状況をご説明しています。広域系統整備委員会では、先ほどもございましたコネクト&マネージを含めまして議論をしております。流通設備の向上というのが先ほどご説明のあったところでございますが、あるものを使っていくというのを最大限進めていくわけですけれども、どこかでは設備形成が必要になってまいる局面がありますので、そのキックとなるのはどういうことなのかというのを次の費用対便益評価のところで示しております。また、今アクセス検討が非常に多いわけですけれども、都度都度検討しておくのと比べ、まとめて検討した方がより合理的な全体的な中長期的な視野に立った設備形成ができるのではないかということで、アクセス業務の在り方についても議論がされておるところでございます。2は調整力等に関する委員会の審議状況でございます。調整力公募につきましては、先ほどの理事会でもご説明したところでございます。三つ目の中黒、需給調整市場につきましては割愛をさせていただきます。四つ目、こちらも先ほど簡単にふれましたので飛ばしまして、最後、合わせて北海道本州間連系設備順方向、北海道から東北エリアの方に向くマージンの減少策ですとか、北海道エリアは風力の接続希望というのが多いわけでございますが、こちら拡大する方策等について議論をしておるところでございます。3は、地域間連系線及び地内送電系統の利用ルール等に関する検討でございます。こちらにつきましては矢じりがございますけれども、こちらにありますとおり将来的な作業停止、ネットワークもメンテナンスのためにどこかでは止めて、メンテナンスを行う必要があるわけですけれども、こういった情報につきましてどのくらい先まで情報共有ができるか、するべきかという論点ですとか、止めるときに、どの事業者のどの電源というのをどのくらい止めるのが公平かといったところを、発電制約量の分担方法といったところで検討しているところでございます。分担方法につきましては、継続協議が必要な状況でございます。4は容量市場の在り方に関してでございます。こちら説明がありましたが、細かな論点としては矢じりのところにありますとおり、二つ目の矢じりにありますような容量市場に参加していただく方々にどのような要件を求めるのか、それを事後的にどうアセスメントするか、評価するか、適切に行ったか確認するかですとか、適切に行っていない場合にどのようなペナルティを課すべきかなど議論をしております。調整係数というのは計画外停止とよく申しますけれども、点検のためではなくて時々トラブルなどによって止まったりいたしますので、そのあたりをどのような形でいろいろメカニズム上に反映するのかですとか、精算につきましては、先ほど進士の方からお金のやりとりが発生しますと申し上げましたが、請求から債権回収に至るまで、どのような手続きでどこに論点があるのかというのを整理してございます。他制度の整合性とは、まさしくスポット市場ですとか需給調整市場、他の市場などなどとの整合性、事業者ヒアリングは事業者に対してヒアリングを行ったというところでございます。最後、情報セキュリティに関するところですが、標的型メール攻撃訓練を完了してございます。またこちらにつきましては、前年度よりは、きっかけのための訓練をやるわけですけれども、ひっかかった要員数というのは大幅に削減しております。また、10月末と書いてありますけれども、今12月、今週から順次実施に向けやっておりますけれども、外部に委託をいたしまして、私どもの重要システムですとか、その他職員の運用も含めてセキュリティ上きちんと対応なされているのかというのを監査いただいている状況でございます。セキュリティオペレーションセンターにつきましては割愛させていただきまして、三つ目は、会員向けの啓発活動として、1000社事業者がいらっしゃるわけですけれども、セキュリティレベルを測るための自己診断ツールというのをお送りいたしまして、回答いただいております。こちらにつきまして、いただいたデータの中ですけれども、事業者の中でどういうポジショニングにあるのかというのを踏まえて、助言内容を含めて順次回答しておるところでございます。また、脆弱性に関しては電力ISACという組織がございますので、こちらからいただいた情報というのを今年度中に18回提供しておるということでございます。報告以上でございます。

○野間口議長

はい、ありがとうございました。9月から11月までの活動状況報告をしていただきました。それでは、ご質問ございましたらお願いいたします。

○高村評議員

9月6日の理事会での北本のマージンの変更の言及がありますが、その内容について教えていただけないでしょうか。同時に、調整力の委員会でも北本のマージンの話が議題になっていて、リンクしているのかどうかわからないまま伺っておりました。

●桑原部長

理事会の方の審議事項は、調整力の委員会で議論しておるようなところとはちょっと別の要因によっておるものでございます。どのようなものかといいますと、北本と通称いわれているこの連系設備につきましてマージンを決めるときに、北海道エリアの中で単機最大の発電所がどこかというのが、この算定上影響してくるわけですけれど、こちらにつきまして、それまで70万kWとしていたのですけど、当面の間68万kWになりそうだということで、それを受けて、フォーミュラに当てはめ直しました。ただこちら、理事会の決議が必要でございますので対応したというものでございます。

○高村評議員

ありがとうございました。

○夏目評議員

私も少し教えていただきたいのですけども、130回理事会の広域機関主宰で電源接続案件募集プロセスの結果および公表についてということで、初の案件と先ほど説明があったのですけども、どういう内容だったのか少し教えていただければと思います。

●藤岡部長

無事成立で終わっているものでございます。

●桑原部長

初めてというのは、電源接続案件プロセスというのは、28年度中に仕組みとしては広域側が主宰をするということで新たに始まっておったのですけれども、やはり11か月ぐらいは最低でもかかるのではないかと見込んでおりまして、それまでは電力会社が主催したりしていたのですけれども、広域側が主催としてまずやり始めたというのが、私どもがルールを制定して以降になりまして、そこで初めて完了に至る追加ということで、今までかかったのが非常にトラブルがあったので遅れたということではございません。

○野間口議長

よろしいですか。

○夏目評議員

結構です。

○野間口議長

ありがとうございます。他にございませんでしょうか。

○秋池評議員

この資料の2の苦情処理と紛争解決業務につきまして、苦情と相談の件数が書いてあるのですけれども、苦情と相談で大分程度が違う感じがするのですけれども、どんな推移なのか、相談レベルのものが多いのか、かなり苦情があるものなのか、お差障りのない範囲で教えていただけますか。

●桑原部長

厳密にはあまり区別しておりませんで、ただ苦情相談といっている中にもやはりなかなか話がまとまらずに、ある程度時間がかかっているものもございますが、苦情と相談とそれぞれ厳密に分けて数字を計上しているわけではございません。

●寺島理事

私から補足といいましょうか、秋池評議員のご質問に対して、こんなお返事ができるのではないかと思っています。事業者間で発生する問題というのは、その当事者間でやっているなかで解決すればいいのですが、この広域機関に相談に来るというときには、どちらかに不平不満があるわけです。不平不満があるという意味では、「苦情」です。そして、どうしたらいいのかという点では「相談」になっているところです。その点では、苦情と相談という言葉を見ますと、何かレベルが違うのではないかと思われるのですが、ここではあまり区別がなくて、正に、苦情があるから相談に来ているという感じです。言い換えれば、広域機関そのものに対しての苦情という性質のものではなく、今の制度、ルールの中での事業者間で生じている問題が、広域機関に来ているのだとご理解いただければと思います。

○松岡評議員

広域機関が間に入ることによって、割とスムーズに解決するということなのでしょうか。

●神田室長

広域機関はすべてのエリアを見ておりまして、ご相談に来られる方は、他のエリアではどうなのか、この考え方はどうなのか、例えば他の電力会社からこういうことを言われたのですがどうなのでしょうか、すべてのエリアを見ている方の立場からコメントをくださいという、いわば広い目で見てどうなのかというご相談が多いです。そのため我々は、ルール等に従ってこうです、他のエリアではこうです、といった具合にその事情をご説明することでご納得していただいております。

○秋池評議員

もう一つ別の話ですが、最初にご説明いただいた容量市場、需給調整市場その他の話なのですけども、2020年頃に導入するものとプラスX年というふうにあるものとがあるのですが、これはまた当然システムの改修が入ってくる、ITシステムの変更が入ってくるっていうことですか。そうしますと、そのシステムを作り上げることのご苦労もあるのだと思うのですけども、まだ2年はあるものの、2年しかないとも言えるわけで、今回は間に合うのでしょうか。

●遠藤理事

いろいろご心配おかけしていますが、逆に申し上げますと、システムができるところから始めていこうという考え方にしています。特に、需給調整市場は調整力ですので、失敗すると電気の安定供給に影響が大きいということもありますので、2段階で今回実施させていただきたいということで、2020年とプラスX年という2段階にしました。それはやはり、最終的にはX年のときにきちんとしたものを作りたいのですが、その前段として2020年のときにはできるだけのものは実施したいという考え方で取り組ませていただいておりますので、そのシステムも含めて実現可能なところから実施していくという考えで進めたいと思っています。

●内藤理事

少し補足いたしますと、需給調整市場のシステムの問題は、もちろん連携が一部ありますから広域機関システムが関係ないとはいわないですが、一般送配電事業者の方のシステムを多く変更しなければなりません。特にプラスX年といっているところは広域化を図りたいということなので、各社、今、中給システムなどがあるのですけど、全体的に更新しないといけないだろうというふうに思っています。これは相当時間がかかります。したがいまして、2020年はそこまでしない段階でどうしたら需給調整市場が始められるかということを今検討しているところでございまして、連携のところは一部広域機関システムが関係しておりますけれども、広域機関システムそのものがネックにはならないだろうと私は思っています。

○秋池評議員

はい、ありがとうございます。

○野間口議長

先ほど、私も少しそれが気になって質問したのですけど、コスト負担は各一般送配電事業者が行うわけですか。

●内藤理事

一般送配電事業者のシステム改修につきましては、一般送配電事業者の負担でございますから、託送費でもって回収するということになるわけでございます。

○野間口議長

なるほど、託送費で回収すると。日本国家のシステム改革だから、国の公費を使うというわけではないと。わかりました。

大分お時間もまいりましたけれど、よろしいでしょうか。はい、ありがとうございました。今日は、全出席者ご発言いただきましてありがとうございました。史上初でございます。最後に、金本理事長から一言お願いします。

●金本理事長

今日は報告事項だけでございましたけれども、今日ご報告いたしましたように、これから予想しなかった仕事に取り組むということで広域機関にとって大変な時期になるところでございます。精一杯やりたいと思っております。それらにつきましてもいろいろなタイミングでご報告申し上げますので、アドバイス、ご支援をよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

○野間口議長

それではこれで終了といたしたいと思います。ありがとうございました。

以上、この議事録が正確であることを証するため、出席した議長及び評議員2名は、記名押印する。

電力広域的運営推進機関評議員会

議長 野間口 

評議員 松岡 萬里野

評議員 村上 政博

第3回評議員会 議事録PDFファイル(523KB)

関連資料

第3回評議員会 議事次第PDFファイル(60KB)

報告事項(1) 広域機関が直面する新たな課題についてPDFファイル(1836KB)

報告事項(2) 活動状況報告(平成29年9月~11月)PDFファイル(222KB)

報告事項(2) 参考資料1PDFファイル(918KB)

報告事項(2) 参考資料2PDFファイル(767KB)

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