更新日:2017年2月28日
第5回評議員会 議事録
1. 開催日時:平成29年1月31日(火曜日)14時~14時55分
2. 開催場所:電力広域的運営推進機関 豊洲事業所会議室(東京都江東区豊洲6-2-15)
3. 議事
(1) 議決事項
第1号議案 定款の変更について(総会議決事項)
第2号議案 業務規程の変更について(総会議決事項)
第3号議案 送配電等業務指針の変更について(総会報告事項)
第4号議案 平成29年度事業計画について(総会議決事項)
第5号議案 平成29年度予算について(総会議決事項)
(2) 報告事項
電気供給事業者に対する指導について
4. 出席者
(1) 評議員(18名中13名出席)
野間口評議員会議長、秋池評議員、安念評議員、江﨑評議員、大高評議員、倉貫評議員、酒井評議員、鈴木評議員、松岡評議員、松村評議員、村上評議員、山地評議員、渡辺評議員
(2) 電力広域的運営推進機関
金本理事長、佐藤理事、遠藤理事、寺島理事、内藤理事、桑原総務部長、石坂企画部長、藤岡計画部長、田村運用部長
5. 議事の経過及び結果
●佐藤理事
ただ今から、平成28年度第5回評議員会を開会します。
本日は、現時点で総員18名中13名が出席しており、定款第45条第1項に定める過半数に達しております。
それではまず、お手元の資料をご確認ください。本日の議案は議事次第に記載のとおりです。資料は次第に記載のとおりですので、配布漏れ等がありましたら、事務局までお知らせください。またご発言の際は、お手元のマイクスイッチをオンにしてから、ご発言されますようお願いいたします。それでは、議事進行を野間口議長からお願いいたします。
○野間口議長
議案の審議に先立ちまして、定款第52条に定める議事録署名人を指名したいと思います。鈴木評議員と松岡評議員にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。お願いします。
それでは、議案の審議を行います。議事進行についてでありますが、今回の第1・第2・第3号議案の3件及び第4号・第5号議案の2件は各々密接に関連する内容ですので、第1号から第3号までの3件を一括して事務局説明及び審議を行った後に一件ごとに議決を行います。これに続きまして、第4・第5号議案の2件についても同様に一括して説明及び審議を行った後に一件ごとに議決を行いたいと思います。その後の議案は一件ごとに説明、審議、議決を行います。よろしくお願いいたします。
○野間口議長
それでは、第1号議案、定款の変更について、第2号議案、業務規程の変更について、第3号議案、送配電等業務指針の変更について、事務局から説明をお願いします。
●石坂部長
はい、それでは事務局より第1号議案から第3号議案までのご説明を一括して申しあげます。資料議案そのものは、第1号議案、定款の変更について、第2号議案、第3号議案とも新旧対照表がついてございます。これが議案本体でございますが、議案本体は非常に細かくなってしまいますので、ご説明の方は、後ろの方に別紙(1)定款・業務規程・送配電等業務指針の変更案の概要についてというパワーポイントの資料がついております。これに従ってご説明申しあげます。
右肩2スライド目、今回の変更でございますが、固定価格買取制度、いわゆるFIT制度の見直し及びネガワット取引、ディマンドリスポンスとも申しますけれど、それの開始、及び本機関への会員加入手続きの簡素化等を目的として変更を実施するものでございます。それ以外に用語の整理や意味の明確化、字句修正等を行っております。なお、今回の三つの議案でございますが、本日評議員会でご審議いただいた後、速やかに理事会議決を行いまして、通常総会の招集通知で議案として通達させていただきます。定款と業務規程につきましては総会での議決を得て、送配電等業務指針は総会での報告を経て、経済産業大臣に変更認可申請を行う、そのようなプロセスで進めてまいります。
それでは中身についてご説明申しあげます。おめくりいただきまして右肩3スライド目になります。まずは定款の変更でございます。定款の変更は主に一点のみでございます、本機関への会員加入手続きの簡素化でございます。会員への加入手続きを行っていただく際には、右下にございますけど、経済産業大臣による、小売電気事業者の場合は登録を受ける、送配電事業者の場合は許可を受ける、発電事業者の場合は届出を行う、そういったプロセスがございますが、それを受理された方々が、直ちに本機関にその旨を通知するというプロセスが今までございました。このプロセスについては、経済産業省から直接広域機関にご連絡いただければよいと整理させていただきまして、ポンチ絵でいうところの×が描いてあるところの手続きを一括して不要にしてしまおうというのが今回の変更でございます。具体的な条文につきましては、定款の第9条の第3号、第11条第3号の第4項を削除するという変更を行わせていただきます。定款につきましては以上でございます。
次に、業務規程及び送配電等業務指針の変更でございます。右肩5スライド目でございます。マージンの定義でございます。マージンと申しますのは、電力系統の異常時または需給ひっ迫、緊急時などにおいて連系線を使うために取っておくと、そういうものでございました。昨年度の冬の変更におきまして、これに電力市場の環境整備というものを付け加えさせていただきました。これは、市場取引で活用いただくためにあらかじめ取っておくというものでございます。これが現在のマージンの定義でございますが、この定義に新たに「調整力の供給区域外からの調達のため」という観点を追加させていただくというものでございます。この背景になるものが大きく二つございます。まず一つ目が一般送配電事業者が行う調整力の公募調達、来年度分から、一般送配電事業者が行う調整のために使う電源というのは、一般公募により入札で調達するということが決まりまして、この冬に実際に公募が行われました。その公募調達に係る考え方が、平成28年10月に公表されておりますが、その中で今後の課題といたしまして、供給区域外からの調整力の調達ができるようにすることが望ましいとされました。その整理に従いまして、そのために空けておくということが観念上できるという整理をさせていただきたいというものでございます。なお、これに関しては本機関で実施しております調整力及び需給バランス評価等に関する委員会においても、調整力のエリア外調達分というところでマージンの区分を追加するべきではないかという整理を議論させていただいております。また、国における新エネルギー小委員会系統ワーキンググループにおきまして、現在、北海道に設置される風力発電所につきまして、その変動を連系線を通じて本州側で変動を取るという実証試験を行う検討がございまして、この実証試験が実施可能となるように、広域機関において連系線利用ルールの整備を速やかに検討するように、と要請がございました。この要請に従いまして、マージンの定義を拡げることで、このような目的によってマージンを取るという余地を与える、そういう目的でございます。具体的には、業務規程第2条に様々な定義がございます。その中のマージンの定義を追加・変更させていただくというものでございます。続きまして、右肩6スライド目になります。本機関による計画値の変更でございます。今年度春から計画値同時同量制度というものが新しくスタートしまして、発電事業者と小売電気事業者の双方から計画を出していただく、発電事業者につきましては小売電気事業者にどれだけ売りました、小売電気事業者につきましては発電事業者からどれだけ仕入れました、そういう計画を出していただく制度に変更となりました。このような制度となりますと、発電事業者から出していただく計画と、小売電気事業者から出していただく計画に不整合が生じる、売ったという数字と買ったという数字が合わないということが生じる場合がございます。不整合が生じた場合に、計画の整合性を保つという観点から、広域機関におきまして、その計画の書き換えができるという条項として、昨年の春に追加させていただきました。この条項そのものは、イレギュラーなことがあった、不測の事態に備えて設けたものでしたが、蓋を開けてみますと、今年度の初めには相当数の事業者がかなりずれるという事態が起きまして、かなり収拾がつかない状態がしばらく続きました。この事態を踏まえまして、夏頃に行われました第8回電力基本政策小委員会におきまして、もはやイレギュラーな事態と想定するのではなく、託送供給等約款において、そのような清算はこのように行うと規定してはどうか、と整理されまして、現在託送供給等約款の変更認可申請を各一般送配電事業者が行われているところでございますが、それに併せて私どもの条文からも、計画値の整合性を確保するために書き換えるという部分を削除させていただく措置を取らせていただきます。ただ、本当に不測の場合に書き換えを行わざるを得ないケースも当然想定されますので、書き換えを行うという条文自体は残すということでございます。具体的には、業務規程の第109条の規定におきまして、送配電等業務指針に定めるところにより書き換えを行うことができるとしていたものを、需給状況の監視、その他の本機関の業務遂行のために必要と認める場合と書き換えまして、緊急時に行うという扱いに変更させていただくとともに、送配電等業務指針の第145条に計画値の整合性を保つための書き換えの方法について具体的に規定している条文がございましたが、この条文について一切を削除させていただくというものでございます。
続きまして右肩8スライド目、本機関による自然変動電源の出力制御時の検証に係る条項でございます。第9回系統ワーキンググループにおきまして、出力制御に関する広域機関の検証に関して提言がございまして、現状、再エネの出力抑制がかかった場合には、広域機関におきまして、その出力抑制が妥当であったかどうかの検証を行うこととされておりますが、この検証につきまして、妥当性に加えまして公平性、事業者に公平に抑制を行っているかという点の検証を行うべしと整理されました。それを踏まえまして、私どもの送配電等業務指針で、公平性の検証をするためのデータを一般送配電事業者からご提出いただく、そういう条文を追加させていただくというものでございます。
続きまして右肩9スライド目、FIT制度、ネガワット取引の開始に係る変更でございます。これが条文的には一番多いものとなります。平成29年4月にFIT制度の見直しが行われます。この見直しは多岐にわたっておりまして、いわゆる認定のやり方の変更であるとか、今年の秋には入札制度が導入されるなど、いろいろな変更がございますが、広域機関に関係のあるのは、FIT電源の買取先が小売電気事業者から一般送配電事業者に変更になるというものでございます。経過措置としまして、今までの小売電気事業者の買取は、現行契約があるものは続きますが、新たに買取になるものについては、一般送配電事業者の買取になる、こういう制度になります。この送配電買取の制度が始まることに伴いまして、一般送配電事業者が発電者としての計画を出すという、新しいプロセスが必要となります。一般送配電事業者から広域機関に対して計画を提出いただくというためのルールの追加及び低圧のFIT電源、家庭用の屋根等についている電源でございます、現在この4月から低圧も全面自由化になりまして、家庭用の需要家が供給元を選べるということになりましたが、家庭用の需要家が小売電気事業者をスイッチした場合には、太陽光の電気を買っていただいている場合には、併せて売電先の変更も行える。こういった手続きを私どものスイッチング支援システムを通じて行っていただいておりますが、新しい送配電買取になることに伴いまして、売電先を別の小売電気事業者にスイッチするという手続きがなくなり、スイッチングの対象外となります。これに伴いまして、関連する規定を削除するというものでございます。次に、この春に行われます改正電気事業法の施行、ネガワット取引、ディマンドリスポンスというものでございます、法律上は特定卸供給事業と位置付けられているもので、そういう仕組みがスタートすることになります。ネガワット取引と申しますのは、供給力が足りないようなケースにおいて、発電所を焚くのではなく、需要家の使用量を抑制することを働きかけることで、余った電気を売買するというものになります。特定卸供給事業者というのは、ネガワット取引を仲介する事業者を指します。そのような取引が開始されることに伴いまして、ネガワットの事業者からも、広域機関に需要抑制計画というものを提出いただく必要が生じます。この計画をお出しいただくためのルールの追加、及びネガワット事業者も需要家の情報を知る必要があるということで、私どものスイッチング支援システムを通じて、需要家の使用量情報等にアクセスできるようにするために必要な規定を追加させていただくというものです。
続きまして右肩10スライド目、リプレース案件募集プロセスというものでございます。現在、発電設備、10万キロワット以上の大きな発電所をリプレース、廃止して建て替えるという場合には、系統連系募集プロセスというものを行います。これはどういうものかと申しますと、リプレースする場合は、自動的に廃止と新設を行えるようにするわけではなく、一旦廃止すると、そこに連系する送電設備の容量に空きが生じます。リプレースをしようとする電源の近隣に、新しく発電をしたいという事業者が現れた場合には、空いてくる送電枠を既存の事業者が自動的に使えるのではなく、入札のような公平なプロセスを通じて、新規参入者にも使える機会を提供しましょうというものが、リプレース案件の系統連系募集プロセスでございます。この募集プロセスについて、もしリプレースをお考えの事業者がリプレースを止める、単に廃止だけをするということに変わった場合は、このリプレース案件の系統連系募集プロセスの要件に当てはまらなくなってしまいます。現在そのような場合には、私どもの業務規程上は該当しなくなった場合は、プロセスそのものを中止してしまうと規定しています。ただ、現実の世界においては、もう既に入札のための手続きが始まっているような場合においては、そのまま最後までやってしまった方が良いケースもございます。プロセスを継続した方が良いと判断される場合には、そのまま続けてしまってもよいのではないかということで、この中止の規定を、中止するではなく、中止することができると変更することで、プロセスを継続できる余地を与えるというものでございます。
続きまして右肩11スライド目、その他かなり細かい話になりますが、四点ほど書かせていただいております。まず、需給状況悪化時の指示になります。需給状況悪化時におきまして、広域機関において融通の指示を行わせていただくことがございます。その場合には、指示をする相手と量を確定するために、連系線の利用状況や各事業者の需給状況を的確に把握しなければなりません。私どもがそのような作業を行っている間に、取引をされるとか連系線の利用を変更されると融通指示の量が変わってきてしまうということがございますので、その間は連系線の利用登録の変更を中止させていただきたいという場面がございます。そのような規定につきましては、従来から個別の連系線利用者の通告変更と申しますけれど、計画の変更を行うものについては、中止することができるとさせていただいていたのですが、これに時間前市場の取引についても照会の受付を一旦止めることとさせていただきたいというものでございます。昨年度までは、時間前取引と申しますのは、一日3回だけオークションにて行われるという制度であったため、時間前取引に伴って連系線利用が変わるか否かは一日3回の決まった時間に把握できておりましたが、今年度時間前市場がザラ場方式に変わることによって、連系線利用の照会が不定期、ランダムに生じることとなりました。そうすると、通告変更と同じように、どうしても一旦止めさせていただかないといけない場面が生じますので、そのような措置を取らせていただくというものになります。この条文に、また、とございまして、そのような事象が起こった場合には、系統の利用者に対して、私たちはきちんと周知するという条項をつけさせていただいております。二点目、地域間連系線の管理について、北陸関西間、中部北陸間連系設備及び関西中国間連系線、これらの連系線は複数のルートで電気を通すことができるという連系線でございます。このような複数のルートを持つ連系線は、回り込み、双方のルートを電気が通り得るため、片方の通過量がもう片方の通過量に影響を与える、特殊な連系線でございます。そのような扱いをフェンス管理と呼んでおりますけれども、フェンス管理の扱いを明確化するような条文の追加をさせていただきます。これは特に新しいことを始めるわけではなく、現状規程上明確に示されていなかったものを明確にするものになります。三点目、需要者のスイッチング支援でございます。需要家の方がスイッチする際には、小売電気事業者を通じて使用量を紹介するということは往々にしてございます。その際に、小売電気事業者を介さずに需要家本人から、直接照会の依頼を受けてしまうことがございます。そのような場合も門前払いせずに、該当する小売電気事業者を通じてご回答差し上げることができる規定の追加でございます。二つ目は、同一供給地点におけるアンマッチでございます。ある地点で需要家が入れ替わる際に、従前の需要家は現行の小売電気事業者へ廃止の申込みと、次の需要家は新規の小売電気事業者へ開始の申込みを行なう必要がございます。この二つの申込みがきちんと揃っているか、スイッチング支援システムで確認を取っておりますが、その二つの情報の帳尻が合わないということが時々生じます。その場合には、一般送配電事業者と小売電気事業者の間でいろいろと情報のやり取りをしなければならない、そういうアンマッチの解消に協力くださいという努力規定がございますが、その主語が一般送配電事業者のみであったものを、当然小売電気事業者にも協力を求めなければいけないため、主語に小売電気事業者を追加するというものになります。
最後、附則でございます。先ほどもご説明申しあげましたが、北海道域内の風力実証試験につきまして、マージンを使う余地を定義上明確にさせていただきましたが、北海道の風力実証試験についてはルール上の整理を行うよう国からのご指示でもありますので、附則において、マージンを使うことを検討していきますということを追加させていただくものになります。以上が、業務規程及び送配電等業務指針の主な変更案でございます。
○野間口議長
はい、ありがとうございます。それでは、ご意見、ご質問ございませんか。
先ほどの説明、ネガワット市場取引というのは、この春というのは4月からということですか。
●石坂部長
4月からでございます。
○野間口議長
分かりました。それから、パワーポイントの8ページ目ですか。公平性の観点から検証とありますが、公平性のプロトコルというか、判断基準というのは、これはもう一つ上位の審議会等で決めていただけるということですか。
●石坂部長
はい、判断基準につきましては、国の審議会でご議論いただくものと承知しております。
○野間口議長
それに従って、きちんと検証しますということですね。
よろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。それでは、委員の皆さまもご納得のようですので、第1号議案の定款の変更については原案のとおりでよろしいでしょうか。
○評議員一同
異議なし。
○野間口議長
はい、ありがとうございます。原案どおりの議決とさせていただきます。第2号議案、業務規程の変更について、原案どおりでよろしいでしょうか。
○評議員一同
異議なし。
○野間口議長
はい、ありがとうございます。原案どおりの議決とさせていただきます。第3号議案、送配電等業務指針の変更について、原案どおりでよろしいでしょうか。
○評議員一同
異議なし。
○野間口議長
はい、ありがとうございます。原案どおりの議決とさせていただきます。
それでは次に進みたいと思います。第4号議案、平成29年度の事業計画について及び第5号議案、平成29年度予算についても、一括して事務局説明及び審議を行った後に、一件ごとに議決をしたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
●石坂部長
それでは事務局より第4号議案及び第5号議案を一括してご説明申しあげます。
まず第4号議案でございます。平成29年度事業計画につきましてということで、事業計画案の本体の文章がございます。これを横に置いていただきまして、あと最後のページの別紙2というもので、平成29年度の事業計画及び収入支出予算についてというご説明資料がございます。これを両方置いて、ご覧いただきまして、ご説明差し上げたいと思います。この事業計画及び収入支出予算につきましても、この後、広域機関の理事会と総会の議決を経た上で、経済産業大臣の認可を得るということになります。なお本議案につきましては、今後の総会又は経済産業大臣の認可等に際して、字句修正等はあり得るという旨はご了承いただきたいと思います。 まず、事業計画でございます。事業計画(案)につきましては、項目立てとか中身につきましては、基本的には昨年度議決いただきました平成28年度事業計画に沿ったものでございまして、一部新しい項目を追加、あるいは進捗したものを変更等もさせていただいているというものでございます。大きな変更につきまして、別紙2に五点ほど書かせていただいております。それに沿ってご説明させていただきます。 まずは、「連系線利用ルールの見直しに向けた検討」、国の審議会におきまして、連系線利用ルールのあり方を検討すべきと整理いただきまして、ご案内のとおり、前回の評議員会でもご説明申しあげましたとおり、連系線利用ルールの変更に向けた検討を広域機関で行っておりまして、いわゆる先着優先と呼ばれるルールから、間接オークション方式と呼ばれるルールへの変更の検討となっております。これに向けたいろんな種類の検討を行って参るというそういう主旨の追加をさせていただいております。具体的には、事業計画本体の1ページ目の1.「また」以降、「国の審議会において、より効率的な地域間連系線の利用ルールの在り方を検討すべきと整理されたことを踏まえ、間接オークション等の新たな制度の導入に向けた実務的な検討を進める。」この文章と、後は4. (4)、3ページ目になります、「連系線の管理」の一番下の行で、「さらに、今後の連系線利用ルールの見直し(間接オークションの導入等)に適切に対応できるよう、広域機関システムの変更等の必要な措置を講じる。」このあたりの追加をさせていただいております。
別紙2に戻っていただきまして二つ目です。「夏季及び冬季の電力需給検証」、短期間、この夏、この冬の需給が大丈夫かどうかというのが国において審議されておりますけれども、その審議を行うための基本的な分析の作業を広域機関に委託するという整理がなされました。それに伴いまして、そのための作業を行っていきますという追加でございます。具体的には本文におきまして、2ページ目の一番上、「夏季及び冬季の電力需給検証」、この部分を追加させていただきます。
続きまして別紙2に戻っていただきまして、三つ目の「容量市場の導入に向けた検討」、いわゆる国の貫徹小委員会におきまして、容量市場の検討を行っていくべきと、広域機関を中心に行っていくべきという風に整理されつつありますので、それにおきまして、私どもも、制度設計に向けた検討を行って参りますという内容でございます。具体的には2ページ目3(2)「容量市場の導入に向けた検討」、検討を行っていきますという追加、あと4(3)「調整力及び必要予備力のあり方の検討」、3ページ目ですけれども、その一番下、「また」以降でございますが、当然調整力の検討というのは私どももさせていただいておりますが、調整力の結果が最終的には容量市場の調達量に響いてくるものですから、それも踏まえて調整力も検討していくというそのような内容でございます。あと最後に9(2)、6ページ目でございます。「調査及び研究」、調査及び研究を、今後新しい制度がいろいろ入って参りますので、容量メカニズムに係る調査等、これから私どもも、必要な調査を行って参りますというそのような内容でございます。
続きまして、四つ目に参ります。「広域系統長期方針及び広域系統整備計画の推進」でございます。現在広域系統長期方針は今年度末に向けまして取りまとめをさせていただきつつあります。この中身の具現化でございますが、広域系統整備計画のあるべき姿の実現に向け、流通設備の効率向上、流通設備の最適化等に取り組むと、広域系統長期方針の具現化に向けてこれから検討を考えるという内容、あとこの秋に取りまとめをさせていただきました東京中部間の連系設備の整備計画、および、もう間もなく取りまとめを終わりつつあります、東北東京間連系線に関わる広域系統整備計画の推進状況を定期的に確認し、コスト検証等を行うというものでございます。具体的な本文で申しますと、4(1)であります2ページ目です。2フレーズ目、「広域系統長期方針に関しては」というのは長期方針に係る具体的な検討、また、最後から2行目の「なお」以下につきましては、具体的な整備計画の進捗の確認に関する確認でございます。
次、五つ目、別紙に戻っていただきまして、「システム開発の円滑な実施」、広域機関システム等の安定稼働を確保するための基盤強化を行い、広域機関ルールの変更に対応するシステム変更等を確実に行う、また、広域機関システム第三者評価委員会の提言を踏まえた改善に取り組む。詳細は予算の中でも申しあげますが、この春、いろいろ広域機関システムの稼働につきましては、一部稼働の遅れがございまして、事業者の方々に大変ご迷惑をお掛けしました。それに伴いまして第三者評価委員会と言うのを立ち上げまして、その原因究明と今後の対策について、現在ご審議いただいております。それに向けた改善と、安定稼働に向けた基盤強化等、システム変更を行って参るというものでございまして、具体的には本文でいきますと4(10)、5ページ目になります、「システム開発の円滑な実施」にその旨を記載させていただいております。
以上が大きな点ですけれども、ちょっと細かいところで何点か追加がございますので、追加してご説明申しあげますと、本文の4(3)、3ページ目ですけれども、「調整力及び必要予備力のあり方の検討」のところで、2行目、需給調整市場という言葉を書かせていただいております。これは現在、まだ国によって議論中ではございますけれども、今後調整力の議論を、この市場整備を念頭に置いていろいろ検討を行っていく必要があるという問題意識からこのような文言を追加させていただいております。あと4(5)、4ページ目でございます。「作業停止計画の調整」で最後、「また、平成32年度の電力システム改革第3段階に向け、想定される調整業務の増加等に適切に対応する」と、第3段階と申しますのは、旧一般電気事業者様の法的分離が起こるものでございます。現在、一体会社の場合は、送配電部門と発電部門との調整というのは社内調整となるのですけれども、法的分離になると社外調整になるということで、調整に係るプロセスが若干複雑化する可能性があるということで、そのための私どもの調整プロセスに係る業務プロセスが若干複雑になっていく可能性があるので、それに向けた対応を図っていくということでございます。それからあと「5.」5ページ目でございます。「また」以下でございます。今年度の春に大変沢山ございましたが、先ほどご説明申しあげました、複数の計画間整合性及び計画と実績の差についてチェックを行い、適宜注意喚起と改善を求めていくということをしていく必要があるということで、このような文言を追加いたしました。最後に「6.」でございますけれども、下から2行目、「さらに」以下でございます。「一般送配電事業者による再生エネルギーの出力抑制を離島以外で実施する場合に備え」ということでございまして、現状、出力抑制は離島だけでしか実績がございませんが、今後再エネが増えてくると、離島以外でも行われる可能性があると、その場合に備えました、私どもの広域周波数調整のスキームを新たに用意させていただきますので、そのようなスキームが上手く回るかどうかという訓練を実施して万全を期したいというのを付け加えさせていただいております。事業計画の主な追加変更は以上でございます。
続きまして第5号議案の平成29年度予算でございます。議案本体と先ほどの別紙2の裏面をお手元に置いていただきたいと思います。議案本体でございます。まず、予算総則と言うものがございます。予算の原則を述べたものでございます。これは毎年変わらないんですけれども、原則変わったところを申しあげますと、第3条の支出予算の流用の制限につきまして、昨年度新しく設けました電源入札拠出金の項目を追加させていただいております。
収入支出予算につきましては、二つおめくりいただきまして、第5号議案参考資料の収入支出予算内訳というところでご説明申しあげます。収入、支出ともに今年度約43億円だったものが来年度は約66億円で、約23億円、1.5倍ぐらいの増加になります。主な増加要因でございますが、支出をご覧いただきまして、まず人件費が1億円ございます。人件費は今後の容量メカニズムを始めとした色々な制度検討に伴いまして人員の増加をして参りますが、その人員の増加に伴う職員給与の増加と、それに伴う法定厚生費などの増加によるものでございます。
その次が、固定資産関係費が約16億円でございます。これはかなり大きなウェイトでございまして、ご覧いただきましてわかるとおり、無形固定資産の増加がかなり大きくなっております。広域機関システム関連費が有形・無形合わせまして18億円の増、OAシステムに係る費用の減でマイナス2億円でございます。広域機関システムの関連費用の内訳につきましては、別紙に書かせていただいております。まず、広域機関システム開発の増加分で6億1千万円。これは当初この組織ができる前、準備組合と呼ばれていた時代に契約を結びましてから、現在までにかかった増加分ということで、主には、準備組合の時代にはまだ制度が確定していなくて、新たな制度となった部分の拡充であるとか、計画値同時同量制度に関しまして、年度当初かなり混乱いたしましたが、そのチェック機能を強化するといった機能拡充のために6億1千万円の増加となったものでございます。二つ飛ばさせていただきまして、ルール変更等に対するシステム機能改良で6億5千万円でございます。これは今後の制度変更に対するものでございまして、先ほどご説明申しあげましたFIT制度の改正でありますとか、ネガワットの新しい開始でございますとか、私どもで現在検討しております連系線の利用ルールの変更にかかるものなど、来年度以降に新しく制度化される制度への対応といたしまして6億5千万円計上させていただいております。三つ目、一つ戻りまして、利用者及び運用者の利便性向上のための機能改良というところで、事業者様が私共のインターフェイスを用いまして計画をご提出いただくのですけれども、いろいろな混乱が起こらないようにインターフェイス機能を拡充するということで2億5千万円を計上させていただいております。最後、安定稼働を確保するためのシステム基盤強化で3億4千万円ございます。最後の二つのような機能改良を行っていきますと、当初準備組合の時に開発をスタートした時点からかなり機能が拡充しておりまして、現在のシステムにつきまして、冗長性を確保するとか基盤を強化しないと、今後のいろいろな制度変更に対応するのが辛くなっていくというのが予測されるために、システムの基盤強化をそれに先立って行わせていただきたいということで3億4千万円計上しております。
続きまして、運営費がおよそ5億8千万円の増加となりますけれども、内訳はまず委託費としまして広域機関システムの保守管理費用や問い合わせ受付等の運用者支援対応で3億円でございます。あと、容量メカニズムに関するものであるとか、今後の新しい制度に関する調査研究のために1.4億円、その他スイッチング支援システム等の運用保守費用の増加を1.2億円予定させていただいております。
その他の要因としまして、広域機関システムに係るリース支払利息、システムは複数年に渡る支出になります。民間企業と違いまして、減価償却という手法が取れませんので、リースの形態をとることで複数年にわたり債務を負担して参りますが、広域機関システムの本体の予算が増える関係で、リースの金利負担も増えるということ及び予備費の増加で約2億円の増加となります。あと、減少要因ということで雑損失で約2億円程度減少しております。これは昨年度に旧ESCJシステムの解約金として1.8億円計上されていたものがなくなったことによるものでございます。予算についてはご説明は以上でございます。
○野間口議長
ありがとうございました。それではご質問ご意見をお願いいたします。
第1号から第3号議案も含めてですけれども、広域機関のやるべき仕事の量・質ともに拡大しているように思うのですけれども、予算では人員が7名しか増えない形になっていますけれども、大丈夫ですか。
●佐藤理事
これは平均ということで、期末には10名増やす予定になっておりまして、平均と言うことで7名ですが、少数と言うほど少数ではないのですが、各社さんの出向でありますとか、あるいはプロパーの採用を考えておりますが、とにかくいい人を取りたいと思っておりまして、平均7名、年度末には10名ということで、なんとか回せるのではないかと考えております。
○野間口議長
我が国の重要なインフラ、社会的なインフラですから、しっかりやらないとだめですね。ご意見ありませんでしょうか。
前回もちょっと素人としてお尋ねしたのですけれども、調整力という説明で、例えば3ページの、第4号議案の本文の3ページの(3)で、調整力というのは需給の調整力、それから今回ご説明があった北海道風力発電の周波数調整であるとか、そういう調整を含んでいるということでしょうか。
●石坂部長
周波数の変動を抑えるための、かなり短期的な変動を吸収するための調整力も含まれますし、ここに「及び必要予備力」と書かせていただいておりますけれども、電源が大量に落ちたとか、突発的に高温になったとか、供給力自身が足りないときのために用意しておく、そういうのも含めて、検討させていただいております。需給調整市場、リアルタイム市場につきましては、主にその短期的な変動を抑えるための取引の市場整備でございまして、容量市場に向けた検討という意味では、供給力そのものを、全体を確保していくという観点から、このような中でもこれから検討をしていくと整理させていただいております。
○野間口議長
委員の皆さまも、調整力と言うときには、頭の中に少し幅広く調整幅を持っていただく必要があるのではないかと。私も何度も参加して、少しずつわかるようになってきておりますが。その他にご意見ないでしょうか。
○山地評議員
今回の予算はわかるんですが、今後の見通しはどれくらいであるかということと、広域機関はESCJやEIの業務を引き継いでやっているということなんですけど、広域機関ができる前のこういう業務の年間予算と比べて、現状どれくらい増分になっているかとかそういう情報はありますでしょうか。
●桑原部長
今後の中期的な予算の見通しですけれども、現状見えているシステム開発の動向から言えば、平成29年度の予算のような状況がここしばらく続くものと考えております。加えて、EIさんとか中立機関さんと比べてですが、すみません、今手元にデータがございませんが、効率性を失わないようにしながら、ただ、新たなミッションも加わっておりますので、そういったものにしっかり対応できるようにはやっておるつもりでございます。
○野間口議長
社会的なコストということで新たな研究課題のような気がします。
それではご意見ないようでございますので、ありがとうございました。議決に入りたいと思います。第4号議案、平成29年度事業計画についてでございますが、原案どおりでよろしいでしょうか。
○評議員一同
異議なし。
○野間口議長
ありがとうございます。原案どおりといたします。第5号議案、平成29年度予算について、原案どおりでよろしいでしょうか。
○評議員一同
異議なし。
○野間口議長
ありがとうございます。原案どおりで議決させていただきます。
○野間口議長
続きまして、報告事項「電気供給事業者に対する指導について」であります。事務局から報告をお願いします。
●桑原部長
通常ですと、他の事項もまとめて定期的にご報告しております。前回の評議員会が12月でございましたので、3月頃に次回評議員会を開催させていただこうと考えておりますが、そこでまとめて報告してもよろしいかと思いましたけれども、初めて広域機関として指導を行いましたので、簡潔にご紹介だけ申しあげておきます。
お手元の資料をご覧いただければと思いますが、対象となった電気供給事業者は中部電力でございます。事案につきましてですけれども、計画提出に関しまして、昨年11月3日分の需要調達計画、発電販売計画につきまして提出いただいたのですけれども、同日の0時から11時までの部分なんですが、本来1.4億kwhを計画値として出すべきところ、0.4億kwhしか提出されていなかったという事案でございます。これに関しまして、計画の重要性に考えまして業務規程179条第1項第7号に規定する、法令、定款、規程の業務指針に照らして不適切な行為を行っていることを認めまして、指導を行ったものでございます。指導内容としては3のところにございますけれども、認識としては、今回は提出にあたりましてシステムの操作を間違いまして、そういったヒューマンエラーがあったのですけれども、そういうものが起こりやすいシステム面であったですとか、担当者任せではなくて、組織的に正しい計画を提出する組織管理面での歯止めがなかったことというのが重なって発生しましたので、システム改善及び体制強化を確実に実施し、現時点で未実施の対策について、完了次第、広域機関に結果を報告することを求めております。また計画に関して、提出に関しまして、業務全般につきまして、同様の事象が発生することがないよう網羅的な点検を行って、やはり完了次第その結果を報告するよう求めております。簡単ではございますが、以上でございます。
○野間口議長
ありがとうございます。本件につきまして、ご質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本日の議案は以上でございますが、理事長から一言お願いします。
●金本理事長
12月に引き続きまして、評議員会に参加いただきまして大変ありがとうございました。
今日の議題は、規程の変更、事業計画、予算ということで、あまりご議論いただくような内容ではなかったのかなと思いますが、これは総会、それから委員会に向けて必ずやり遂げなくてはいけないものですので、評議員会にお集まりいただきまして大変ありがとうございました。
先ほど、山地評議員の方からこれまでのいろいろな所のコストと比べて我々のコストはどうかというお話がございましたが、ほとんどは新しい業務、新しいシステムでございまして、その分電気の需要家の方々にご負担いただいているということでございますが、我々の仕事がきちんと全体の電気供給コストが下がって、その分の見返りが提供できるということを目指しております。そういうことを肝に銘じてこれからもやっていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。3月にもこれも規程上、評議員会を開かないといけないということでございますが、それにつきましてもよろしくお願いいたします。
どうもありがとうございました。
○野間口議長
どうもありがとうございました。それでは以上を持ちまして本日の評議員会を閉会いたします。
以上、この議事録が正確であることを証するため、出席した議長及び評議員2名は、記名押印する。
電力広域的運営推進機関評議員会
議長 野間口 有
評議員 鈴木 彩子
評議員 松岡 萬里野
関連資料
第5回評議員会 議事次第(81KB)
第1号議案 定款の変更について(総会議決事項)(158KB)
第2号議案 業務規程の変更について(総会議決事項)(410KB)
第3号議案 送配電等業務指針の変更について(総会報告事項)(433KB)
第4号議案 平成29年度事業計画について(総会議決事項)(277KB)
第5号議案 平成29年度予算について(総会議決事項)(321KB)
別紙1 定款・業務規程・送配電等業務指針変更案の概要について(第1・2・3号議案ご説明資料)(1325KB)
別紙2 平成29年度の事業計画及び収入支出予算について(第4・5号議案ご説明資料)(162KB)