更新日:2016年10月18日
第3回評議員会 議事録
1. 開催日時:平成28年9月9日(金曜日)15時~16時45分
2. 開催場所:電力広域的運営推進機関 豊洲事業所会議室(東京都江東区豊洲6-2-15)
3. 議題
(1) 議事録署名人の選出
(2) 議案審議
第1号議案 東北東京間連系線に係る広域系統整備の実施案、事業実施主体及び費用負担割合案について
第2号議案 送配電等業務指針の変更について
第3号議案 需要想定要領の変更について
報告事項
- 活動状況報告(平成28年7月~8月)
- 電力システム改革第2段階への移行に伴って生じている諸問題について
- 地域間連系線利用ルール等に関する検討について
4. 出席者
(1) 評議員(18名中12名出席)
野間口評議員会議長、安念評議員、石川評議員、大高評議員、倉貫評議員、酒井評議員、鈴木評議員、高村評議員、夏目評議員、松岡評議員、松村評議員、横山評議員
(2) 電力広域的運営推進機関
金本理事長、佐藤理事、遠藤理事、寺島理事、内藤理事、桑原総務部長、石坂企画部長、藤岡計画部長、田村運用部長
5. 議事の経過及び結果
●佐藤理事
ただいまから、平成28年度第3回評議員会を開会いたします。
本日は、現時点で総員18名中12名の評議員がご出席しており、定款第45条第1項に定める過半数に達しております。
まず、評議員の交代がありましたことをご報告申し上げます。平成28年8月3日付にて、林田晃雄評議員の辞意が示されたことから、同日付で辞任を認め、定款第50条第2項に基づき、経済産業大臣に報告いたしました。また、定款第48条第1項に基づき、読売新聞東京本社論説委員である倉貫浩一氏を評議員として選任し、経済産業大臣に対する認可申請を行い、8月31日に認可を受けましたので、9月1日付にて評議員にご就任いただきました。倉貫評議員、よろしくお願いいたします。一言いただけますでしょうか。
○倉貫評議員
倉貫と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。
●佐藤理事
それではまず、お手元の資料をご確認ください。本日の議案は、議事次第に記載のとおりです。資料は、次第に記載のとおりですので、配布漏れ等がありましたら、事務局までお知らせください。また、ご発言の際は、お手元のマイクスイッチをオンにしてから、ご発言されますようお願いします。
それでは、議事進行を野間口議長からお願いいたします。
○野間口議長
それではさっそく始めさせて頂きます。議案に先立ち、定款52条に定める議事録署名人を指名します。松岡評議員と横山評議員に、お願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。お願いします。
それでは、第1号議案に入ります。「東北東京間連系線に係る広域系統整備の実施案、事業実施主体及び費用負担割合について」でございます。事務局から説明をお願いします。
●藤岡部長
はい、それではご説明申し上げます。まず、このプロジェクトですが、これまでの経緯を簡単に振り返りたいと思います。昨年4月に東北東京間連系線を活用して取引拡大を希望する電気供給事業者から提起を受けまして、このプロセスが開始されております。その検討にあたりまして、増強ニーズを広く探索する目的で、電気供給事業者の募集を実施いたしました。その募集結果をもとに委員会で検討を重ねまして、昨年9月の評議員会の審議を経まして、9月30日に東北東京間連系線に係る広域系統整備計画の基本要件及び受益者の範囲を取りまとめました。基本要件に基づきまして、実施案、事業実施主体を募集した結果、東北電力から応募意思の表明があり、5月9日に実施案を受領いたしました。この受領しました実施案につきまして、これまで広域系統整備委員会で検討を行ってきたところでございます。
本日は、この実施案、事業実施主体、費用負担割合の案をご審議いただければと思います。今後、実施案、事業実施主体及び費用負担割合の決定を経まして、平成28年12月を目途に整備計画を取りまとめる予定でございます。
なお、当初計画では平成28年10月に取りまとめを予定してございましたが、負担を伴う応募事業者への意思確認方法を変更したことに伴いまして、12月まで2か月ですが期間を延ばす予定でございます。
続きまして、3スライド目でございます。こちらが広域系統整備の実施案概要でございます。基本要件でまとめておりました検討の基本的な形は変わってございません。工事概要としては、150kmを超える50万Vの送電線の新設、50万Vの開閉所の新設等の工事がございまして、総工事費は1,530億円、増強完了時期は2027年11月末ということで、10年8か月の工期を要するというものでございます。
4スライド目にまいりまして、こちら基本要件からの変更でございますけれども、工事費につきましては、基本要件の時は1,590億円、こちらが今回1,530億円でございます。こちら詳細検討の結果ということでございまして、対策後の運用容量である東北から東京向けにどれだけ電気を流せるかということですが、当初の応募事業者の前提ですと1,120万kW以上としていたところですが、その後、応募事業者の取り下げがございまして、技術的な計算結果により運用容量が1,068万kWとやや下がったという状況でございます。応募事業者は当初の15社から9社に、取引の合計量が507万kWから416万kWに減ったという状況でございます。
次のスライドにまいりまして、実施案、事業実施主体の評価でございます。こちらは、業務規程でありますとか、指針に基づきまして評価を重ねてまいりました。評価項目として、公募要領等への適合性、経済性、対策の効果、事業実現性といったところを評価いたしまして、今回、良好であると評価をしてございます。実施案を提出いただきました一般送配電事業者の東北電力を事業実施主体としたいと考えてございます。
次に6スライドになりまして、実施案の評価として工事費と工期でございます。こちら先般ご審議いただきましたFCでも同様な評価をしてございますが、この評価の客観性、透明性を高めるため第三者に評価作業を委託しまして、評価を補強してございます。この結果、今回実施案にて提出された工事費、工期については、現在、机上検討の段階でありますが、工事計画として妥当な範囲にあるものと判断をしてございます。なお、計画決定後の実施段階におきましても更なる設計の合理化を目指すということでありますとか、調達方法の工夫等により、一層のコスト低減を目指すとともに、工程遅延リスクの最小化を図るということで、広域機関としてもフォローアップを継続していきたいと考えてございます。
7スライド目にまいりまして、評価いたしました工期の全体のスケジュールを簡単にまとめてございます。送電線として、M南幹線、M北幹線の二つの区間に分かれてございますけれども、総合いたしますと11年目、10年8か月という工程を見込んでございます。
続きまして9スライド目にまいります。費用負担割合の基本的な考え方を説明してございます。今回において、受益の程度に応じた割合とすることを原則として評価をいたしました。まず、大きく特定負担と一般負担の仕分けをしております。特定負担といいますのは、今回の系統増強によって、電気を送りたいということでプロジェクトを提起された、あるいは応募された事業者が直接負担する分です。そして一般負担というのが、今回の系統増強によりまして、結果的に供給信頼度が向上するといったエリアの需要家全体の受益となる効果が認められた場合、その部分はエリアの送配電事業者が負担するというものでございます。これらをどのように定量化するかという具体的な方法につきましては、国から費用負担ガイドラインというものが出ておりますので、今回はそれに沿ったかたちで整理をしてございます。
10スライド目になります。この仕訳をどのようにしたのかというのを少々詳しく説明していく事になります。今回の系統整備は、この絵にありますように青色の区間1と緑色の区間2に分けられます。区間2につきましては、東北電力エリアの地内基幹系統ということで、ガイドラインにありますように東北電力の一般負担ということでございます。一方、区間1、青色の部分ですが、こちら地域間連系線となりまして、細かな仕分けが必要になってまいります。左下にカラフルな絵が付いておりますけれども、区間1全体の設備を見た時に供給信頼度の向上に寄与することと、既存の設備が新しく置き換わるメリットが生じるところで二つに分けました。そして、それぞれの中を見に行きますと、例えば、信頼度向上であれば、ABCそれぞれを評価することになります。Aは今回運用容量が向上するという効果でありまして、この部分を実際に応募された電源が使われる量に応じて特定負担をいただくということになります。また、現時点では誰が利用するか分からない、決まらないという空容量の部分がございますが、こちらは一般負担となります。その仕分けは、後ほどご説明したいと思います。BとC、こちらは既存の送電線に事故が起こった場合に生じる発電機の脱落や停電といったところが今回の系統増強によりまして回避できる効果を評価するものです。こちらも後ほどご説明を申し上げます。
続きまして12スライドをお話しします。こちらですね、先程出てきました空容量の部分の負担をどのように考えたかを説明しております。空容量の受益ということを考えますと、ここの容量を使って送った電気を受電するエリアが受益することになりますので、送電先のエリアが費用負担するというように整理したいのですが、現時点でそれが誰であるのかというのを正確に予測することができません。ただし、託送料金には事業者間精算制度というものがございまして、15ページにございますが、左のエリアAに連系された発電機からエリアBの需要家に電気を送る場合、BエリアがAエリアに対して系統の使用量を支払うことになります。これが事業者間精算ということです。
12ページに戻っていただきまして、この事業者間精算の仕組みを上手く使いますと、最初の費用負担者が誰であるかに拘わらず、最終的には受電エリアが負担することになりますので、今回はこの制度により初期費用の負担が適切に精算されることを前提としまして、東北ではなく、受電する側の東京エリアの負担として整理をいたしました。
続きまして、13スライドでございます。こちらはですね、区間1の供給信頼度向上の効果がどのようなものかを簡単に示してございます。左側に現在の電力系統の絵を書いてございますが、東北から東京に流れる電気は、この常磐幹線、相馬双葉幹線を通るわけですけども、例えば、相馬双葉幹線の場合、ここは現在1ルートしかございませんので、ここが故障いたしますと東北では電気の行き場がなくなるということになりまして、その発電機が系統から解列されることになります。一方、電気を受けていました東京エリアでは電気が不足しまして、現在計画されています送電規模からしますと、相当規模の需要家が停電することになります。それらが、今回の系統対策を実施しますと、送電ルートが二重化されますので、このような事故時にも電気の送受電が継続できるという効果が期待できます。常磐幹線についても同様な評価をしてございます。加えまして、一番下に書いてございます設備更新による受益も評価しておりまして、これは、現在の設備が一部新しく置き換わる部分がありますので、これによって将来必要であった設備更新が回避できるといったところを受益と見なして評価してございます。
14スライドをお願いいたします。こちらはですね、区間2の先程申しました整備が、東北電力エリアの地内系統と整理されますので、東北エリアの一般負担でございます。また、その他として、エリア全体の系統安定化に資する装置につきましては、当該エリアの一般負担ということで整理しております。
続きまして16スライドでございます。以上のご説明を一覧表にまとめたものでございます。
17スライドは、この仕訳に基づきまして、総額1,530億円を振り分けますとどのような数字になるかということで、特定負担が382億円、一般負担として東北が1,044億円、東京が104億円ということでございます。但し、こちら試算値としてございますが、これは今後予定しております各応募事業者に意思確認を行いますが、全社が負担の意思を回答いただいた場合にということでありまして、もし取り下げなどがございますと、ここは変動するという事になってまいります。
そして、最後19スライド目でございます。短工期対策としておりますが、これまで説明いたしました全体の工事というのが10年8か月かかるという非常に大規模なものでございまして、しかし、応募事業者のニーズはもっと早い時期からの利用を希望される方が殆どということで、何とかこのようなニーズに応えられないかということで、規模は小さくても、より早く実現できる対策はないかと検討してまいりました。今回、提案できたものがこちらでございます。32億円の工事になるのですが、2020年には50万kW程度送電容量を増やせるというものでございまして、こちらですね、利用ニーズが高かったということで、入札によりまして利用者を決定したというものでございます。説明は、以上でございます。
○野間口議長
ありがとうございます。それでは、ただいまの説明に関して、ご意見のある方はお願いします。
○夏目評議員
4スライド目に対策後の運用容量の変更が記載されており、電気供給事業者が15社から9社に減ったことにより、基本要件から変更されていると思います。電気供給事業者の取り下げリスクは、1年前の評議員会のときには指摘をされていて、まず、工事の期間が非常に長いという理由が応募取り下げリスクに繋がっているということと、連系線の利用ルールというのもあるかと思います。応募取り下げリスクという非常に大きな課題があるということで、それに対し、広域機関としても様々な対応をされてきたと思いますが、結果として、9社、19から9発電所に減ったというのは事実ですよね。
その辺は、社会状況の変化もあると思いますが、今決められているルールというのが公平性、透明性を基に、先着優先のルールに決められているということもあると思います。どの様に理解したらよろしいでしょうか。
なお、被災地特有の対応についても注意書きがされておりましたが、取り下げに繋がる可能性があるということですよね。
●藤岡部長
そうですね。我々としましても事業者さんとは、常にコミュニケーションを取りながら、ご要望を聞いて検討を進めてきたということでございます。
確かにご指摘のように送電線の工期が長いというのは一つありまして、我々もなんとかできないかということを相当、実施案の提案をいただきました東北電力さんと協議を重ねてまいったのですが、現時点では、非常に長距離の送電線を作るということで、用地状況でありますとか不透明な部分が大きくて、工期が短くなるという約束が現時点ではできないということで、結果的にこのような事になってございます。そもそも、この工期が従来の工程から比べてどうかという評価もしたのですが、そんなに長い期間が設定されているわけではないという事もありまして、現時点ではこれで進めざるを得ないというところでございます。
あと、途中で撤退された電気供給事業者さんが15社から9社ということで、6社あったのですが、必ずしも送電線の工期が長いからという理由だけでなく、各社さんのそれぞれの発電事業としての判断というところもあったとお聞きしてございますので、必ずしもこの工期に直結したものばかりかと言うと、そうでもないというところでございます。
○野間口議長
夏目評議員の発言に関してですが、15社と判断した段階と、9社と判断したのは時期的にどのくらいずれているのですか。
●寺島理事
もともと、15社19発電所が申し込んできましたのは昨年の5月であり、今からすると1年半近く経過した間の出来事であるということは確かです。先程、夏目評議員からお話を受け、藤岡部長からも話ましたように、我々としましても色々と事業者の事情も聞きながら、計画が色々なニーズにマッチするようにやってきたのですけれども、個々の事業者の事情もある中で、こういう形になっております。ただ、ご覧いただくと発電所の数は減ってはいますけども、依然として420万kWと大きなボリュームの応募者と応募量がいるということもありますし、また、ご存じのように送電線につきましても平成33年度以降には、空容量がゼロになってしまうということもあります。そういうことからも、この事業者の数が今ぐらいに減ったからと言って、何か大きな計画を変更しなければならないという状況ではないと思っています。
ただし最終的には、今回の実施案、費用負担割合案をもって、事業者に確認をするという手続きに入ります。その辺、見通しはいかがなのかというのが最後にあったかと思います。確かに事業者、応募者等にとっては、10年先の事業に対する投資判断ということになりますので、色々な意味で事業者さんも慎重になっていることは確かでございます。その点、見込みはどうなのだとおっしゃられても、広域機関から何か予断をもって語ることは、今の時点ではできないかと思っております。ただ、事業者にとっては、非常に厳しい環境にあることも確かと思っております。
広域機関としては、これまでも彼らの事業展開の確実性、予見可能性を高めることは、色々な形でやってきたつもりですし、今後も、この判断の時期に際して、更にはその後、送電線整備をする東北電力さんと託送契約に入っていくのですけれども、その件においても広域機関としては、彼らの事業性を考えながら色々な形でサポート・関与をして行きたいと考えているところでございます。
○鈴木評議員
費用負担割合案ですが、ガイドラインに基づくことに反対ということではないのですが、一つの方法として申し上げたいのですが、スライド10で一般負担の算出でBとCの出力抑制の回避と停電の回避という割合を計算する際に、出力抑制の回避が可能となる発電設備の容量と、停電の回避となる需要の量という容量をそのまま割合として使っているようですが、出力抑制が起こるような故障ですとか停電というのは、常に起きるわけではないので、容量をそのままの使うことは、一般負担の割合を強めてしまっているのではないかと思います。停電の確率が低ければ低いほど、この増強による受益は小さくなっているはずですので、この容量をそのまま使うというのは少し違和感がありました。反対というわけではないのですが、今後、もう少し細かい計算方法などが提案されると良いと思います。
●藤岡部長
今回ですね、ガイドラインが示されたということで、それに則ってやろうという大きな方針の基でやってございますので、今回はこちらでさせていただいております。おっしゃっていただいたようなご指摘であるとか、発電抑制と需要の停電というところの意味ですとか、色々な課題、問題意識というのは、広域系統整備委員会でもご意見をいただいておりましたところでございまして、この辺りはどうしていくべきなのかというのは、我々も宿題として認識しているところでございます。
○横山評議員
先程、費用負担割合のご意見が鈴木評議員からありましたけれども、これは技術的な観点で、一般負担の部分の出力抑制の回避や停電の回避のところを先程のような確率的な話というのも技術的にはあり得るかと思います。そうすると、ここの割合がかなり減ってきて、特定負担の割合が増えてくるというようなことにもなりますので、これは非常に微妙な問題になるかと思います。これは委員会の方で、しっかりと議論していただければよろしいかと思います。
私は、費用負担の割合はルールと技術的な観点から妥当であり、きちっとされていて大変なご苦労があったのではないかと思います。ルールに従い、また技術的な観点からやられたということで、これでよろしいのではないかと思います。
先程、夏目評議員からもお話がありました10年というところで、寺島理事の方から広域機関としても10年ということに対して、色々関与していくというお話しがありましたが、6ページにも工程遅延リスクの最小化を図ることとし、広域機関としてもフォローアップしていくという記述がございますが、広域機関として、具体的にどの様な事が出来るのか教えていただければと思います。
●藤岡部長
まず、コスト面、工事費面におきましては、フォローのタイミングが、資材の発注のタイミングですとか、大きな工事ですので何回かに分けてされていくかと思うのですが、そういった時に、どういった形で設計・発注されるのか、どんな契約になったのか、といったところを広域機関なりのチェックをしていきたいと思っておりまして、工期面につきましても、ルールでも四半期ごとにといいますか定期的に進捗状況を確認していくということがございますし、そういったフォローをしていきたいと思います。
また、今回の送電線の工事を進めるにあたりましては、国から重要送電線の指定というような指定をいただきますと、非常に許認可が円滑に進むといったこともございますので、この工事の必要性、重要性といったところを、広域機関としても実施主体と一緒に取得に向けて取り組んで行くのかなと考えてございます。
●寺島理事
先程、鈴木評議員からAとBとCとの確率論という話がありました。おっしゃるように確率だけで言えばBやCは、非常に稀頻度ということにはなります。ただ、その信頼度向上という効果という意味合いでは、非常に大きな効果を持っているものであります。単に特定負担者のニーズから起因した系統整備であっても、それにより、広域連系系統のネットワークが2ルート化されたことでの信頼度向上というのを何かしらか評価して、一定の割振りをしていこうという一つの考え方であります。非常に大きな信頼度向上効果も同時に得られたのであれば、ネットワーク全体の効果として一般負担として評価していこうじゃないかという考え方ということで、ご理解いただければと思います。
○松村評議員
言い出したらきりがないのですが、信頼度が向上することの経済的な利益を金銭換算して、そのコストを全体のコストから引いて残った部分を特定負担とするのが、一番素直なやり方だと思います。こういうものに関して、どうやって正確に金銭を評価するのかが確立していない状況で、とりあえず分かりやすいこれでやるのだと思います。
これが不正確とのご意見はもっともだと思いますが、この評価を単純に量に確率を掛けて測るのは正しくない、明らかに過小評価だと思います。信頼度が上がる経済的な利益を正確に計れるようになるよう、皆で頭を絞って、長期的には改善していこうということだと思います。現行ではこれが合理的なやり方だと思います。
○高村評議員
ありがとうございます。二点ございます。一つは、夏目評議員のご意見でもあったと思いますが、スライド4のところの取り下げの理由について、それぞれ個別の発電事業者さんのご事情があると思うのですが、何が理由か、もし定型化できるものがあるとすれば、どのような問題があるかを検討いただきたいと思っております。これは広域系統整備委員会で見ていただけるとよいと思うのですが、発電事業者にとって投資の不透明さがあるというのが取り下げの理由だとすると、その原因は工期の遅延のおそれからくるのか、それとも今日の報告事項となります地域間連系線の利用の権利がどうなるかが不透明さの原因なのか、投資の不透明性に一定の背景、理由があるのではないかと思いまして、もし、それを制度的にきちんと担保できるところがあるとすれば、取り下げを減らしていける効果もあると思いますので、その点をご検討いただけるとよいと思います。
二つ目は、当然、特定負担をされた事業者は、少なくとも一定の期間、その増強に負担をした地域間連系線の利用ができるということを当然期待されていると思います。他方で今まさに議論をしていただいているとうかがっておりますけれども、それが長期の契約で固定的に利用権が設定されると、地域間連系線の利用がどうあるべきかという今ある議論に対しても影響があると思うものですから、どういうふうに、そこの折り合いをつけるかという点は、是非ご検討いただきたいと思います。もし、今の時点でご見解があればご紹介いただけると幸いです。
●寺島理事
取り下げの理由につきましては、千差万別だと思っております。個別の事情について、ここでご説明できないのは、事業者の事情ですのでご容赦願えればと思っております。そういう意味で、定型化という形は馴染まないものと思っております。送電線の工事期間の長さというものは、何らかの影響はあるかと思いますけれども、逆にだからといって発電計画自体を止めているということではなく、発電所をしっかり作っていくということを考えている方もいらっしゃいますので、一概に申し上げられないものと思っています。
もう一つは、高村評議員のお話の中には、いわゆる将来の連系線利用ルール議論の中での不透明性のようなものを如何に考えるかという話もあったか思います。おっしゃるように、今の先着優先ルールというのは、今後、変えていかなければならないのではないかという議論が、広域機関も含めて始まっていることは確かでございます。事業者さんには、そこの点については個別に丁寧にご説明しておりますし、公表されている委員会の資料でもご説明させていただいております。当然のことながら、この特定負担をした事業者さんには新しいルールの下でも、費用負担したことによる連系線利用については、変わらないような特別な措置はとるつもりです。具体的にどうするというのは、これからなのですが、連系線利用ルールの方で検討することになりますけど、しっかり考えていきますという前提で議論はさせていただいております。そのこと自体が変に影響しないように、しっかりしていかなければいけないと思っています。それは今後の議論ですが、逐次ご報告させていただく予定です。なお本件は、後ほどの本日の議題の報告事項「地域間連系線利用ルール等に関する検討について」の中にも入っておりますので、そこでも議論させていただければと思っております。
●佐藤理事
そこまで考えているのに抜けるということであり、なかなか難しいところがあるというように感じています。
○高村評議員
個別の事業者の事情を網羅的に伺うつもりはないのですが、制度的に何か改善をして、取り下げを小さくできる可能性があるのか、そういう点があれば議論いただきたいと思っています。
●寺島理事
はい、承知いたしました。
○倉貫評議員
今のお話で参考までに教えていただきたいのですが、FITの制度改正が影響して事業者が減ったということはあるのですか。
●寺島理事
FITの制度改正の影響とのことですが、ここで応募している事業者の中には、間接的にはどのように影響しているかまでは推測の域を出ないものですけども、基本的には影響のない、ないしは極めて少ないものと思っております。
○野間口議長
夏目評議員から始まりまして、大変この問題について、しっかりした仕組みになるためのご意見を出していただいたように思います。何しろ期間が長期に渡り、ビジネス環境は常に変化しますので、その中で、今決めて実施に移していかなければ、ますます期間が延びてしまうという事情もあります。難しいながらもここで踏み切って、大きな課題があるようであれば見直しとかを広域系統整備委員会等で議論していただく必要があると思います。
これで評議員会としての決を採りたいと思います。
○(一同)
異議なし。
○野間口議長
はい、ありがとうございます。それでは、第1号議案に対して貴重なご意見をたまわりましたので、今後は、ご意見を参考にしながら進めていくということで、原案通りといたしたいと思います。
○野間口議長
それでは、第2号議案「送配電等業務指針の変更について」でございます。事務局から説明をお願いいたします。
●石坂部長
事務局より、第2号議案について説明させていただきます。議案本体は新旧比較表でございます。説明は、別紙1で行っていきます。送配電等業務指針のうち、供給計画のスケジュールに関しまして、当年度実際に行った結果を踏まえて計画提出スケジュールの見直しをさせて下さいというものです。
現在の指針のスケジュールは、本機関発足前に書き込んだものでした。本機関になりまして、供給計画取りまとめに関しまして当委員会でも一度お諮りしましたが、この春に行ったものは近況の計画値をとらまえまして、今年度の供給計画を今年度に入ってからまとめるという、ゆったりとした特例の措置が行われましたが、来年からは本来のスケジュール、来年度の計画を今年度末にまとめるという通常のスケジュールに3年ぶりくらいに戻るものですから、それを踏まえて変更させていただきたいというものでございます。
変更の要点でございますが、2スライド目の矢印にございます。一つ目が、3月末までに計画を提出できるようにスケジュールを前倒しさせていただくということ。あと、提出する事業者が800社以上と大変多くございますので、それを踏まえて、供給計画(案)の内容確認及び調整に要する期間を長めに設定したいというもの。三点目、一般送配電事業者も供給計画を提出していただきます。一般送配電事業者は、小売・発電・送電・特定送配電事業者、その他の事業者の計画を見てから供給計画を作りますが、そのスケジュールの前後関係が上手く反映されていなかったので、それを反映したいというもの。あと、長期と年間の提出期日の規定は現在別にしているのですけれども、一回作業を回してみて同一にしたほうが良いという事務作業効率化への取り組み面から変更させていただくものでございまして、裏におめくりいただきましたのがスケジュールです。
現行指針に書き込まれているのが緑で、供給計画の提出が正版で3月25日、経産大臣への提出が3月31日までのスケジュールとなっています。今年度は経過措置として水色のようなスケジュールで回させていただきましたが、来年度分からは、変更後といたしまして、小売・発電・送電・特定送配電は2月10日に案を提出、3月1日に正版を提出、一般送配電は3月10日に案を提出、正版を3月25日に提出、経産大臣に3月31日に提出させていただくということでございまして、今回の議案本体は、提出対象者の事業者の提出期限について変更を行うものです。説明は以上でございます。
○野間口議長
ありがとうございました。パワーポイントでの説明を踏まえて第2号議案というかたちになっております。今の説明に対しまして、ご意見がある方はお願いします。
○野間口議長
第2号議案どおりでよろしいでしょうか。
○(一同)
異議なし。
○野間口議長
第2号議案は、原案どおりの議決とします。ありがとうございました。
続いては第3号議案、「需要想定要領の変更について」であります。事務局から説明をお願いいたします。
●石坂部長
第3号議案について、ご説明させて頂きます。議案本体は新旧対照表が一枚と、あとその後ろの方に、かなり分厚い帳票の冊子がございます。この冊子と新旧対照表の2つが議案本体でございまして、説明書きとして別紙2というものがパワーポイントでございます。別紙2に従いまして、議案を説明してまいります。需要想定要領、一般送配電事業者とか小売電気事業者に需要想定を作ってもらうための要領の変更でございます。変更の概要でございます。
まず業務規程の変更に伴う変更でございまして、昨年度末3月31日付の変更に伴う一部変更でございまして、昨年度までの業務規程には、全国需要想定水準というものを広域機関が作成するという風になっておりました。この全国需要想定水準と申しますのは、一般送配電事業者が想定した需要想定が妥当かどうかを評価するために、広域機関の中で作っておく、そういう立てつけのものでしたが、広域機関の内部で行う作業をわざわざ業務規程に書いておく必要もないということで、この条文を、事務的なことなので、削除させて頂きました。これに伴いまして、需要想定要領の中で、全国需要想定水準という言葉が残っていたものを削除させて頂くということでございます。
2番目に、第2号議案で審議させて頂きました供給計画のスケジュール見直しに伴いまして、そのスケジュールに沿って、日付が入っている部分を変更させて頂きました。
3ポチでございまして、業務効率化のための帳票類の改訂でございます。帳票類はかなり分厚いのですけれども、右肩3ページ目でございます。電力需要調書記載様式というものを定めておりまして、右肩4スライド目にある、左側にある、かなり種類が多い帳票類を一般送配電事業者にご提出頂いていたのですが、この帳票類が長期と短期に分かれている上に、長期と短期の記載項目が、非常に重複があって、非常に非効率だったということがありまして、ここを簡素化しまして、情報としては変えないのですが、簡素化して、帳票類の数を、数と記載の仕方を減らさせて頂くというものでございまして、この実際の帳票類が、この分厚いものでございまして、これについては随分細かくなるので、詳細については省略させて頂きまして、以上の変更に伴いまして、議案本体の新旧対照表でございまして、全国需要想定水準の比較というものを消したという所と、供給計画案の一般送配電事業者からの提出の日付を変更するものでございます。説明としては以上でございます。
○野間口議長
ありがとうございました。このドラフトと言うのは、電力需要調書記載様式、これは新しく改訂した案ですか。
●石坂部長
これが改訂した案でございます。変更前はこれよりももっと多くなっております。
○野間口議長
変更後のものだそうでございます。ご意見ございませんでしょうか。
電力計画提出に関しては、色々データの記入ミスとか何かがあったということですが、この調書に関しては、発電事業者さんには混乱はあるでしょうか。
●石坂部長
この様式は一般送配電事業者に記入いただくものなので、プロフェッショナルの方にお書きいただくものなので、そこについて混乱はないですし、これの案を作るにあたっても一般送配電事業者さんのご意見を頂いた上で調整しております。
○野間口議長
よろしいでしょうか。それでは特段のご意見は無いようでありますけれども、第3号議案は原案通りとすることでよろしいでしょうか。
○(一同)
異議なし。
○野間口議長
ありがとうございます。
それでは報告事項、広域機関の「活動状況報告」に入ります。今回は7月から8月までの報告となります。桑原部長お願いします。
●桑原部長
事務局から主として7月から8月の活動状況についてご報告いたします。資料はワードの文章とパワーポイントの資料がありますが、横において適宜ご覧いただければと存じます。
まずは理事会の審議でございますけれども、6月22日、第69回から77回まで計9回開催して議案として43件、報告15件審議しております。
ざっとはしりますと、負担金の一般負担の上限枠を追加設定するその内容ですとか、東京中部連系設備に係る広域系統整備計画について取りまとめましたので、それを決定しております。また、先程紹介のありました28年度の供給計画の取りまとめについても付議して決定してございます。また、東北東京間連系線に係る短工期対策につきまして、先程紹介がありましたけれども、こちらについて希望者の募集内容について決議してございます。また、今後連系線利用ルールについて審議いただくことになっておるわけですけども、それに先立ちまして、海外の調査も含めて業務を委託する、こうした点についても決定しております。その他、電力需給及び地域関連系線に対する概況の取りまとめ内容ですとか、電源接続案件募集プロセスについて開始することとか、募集要領の策定などについて理事会として決定してございます。概要は以上のとおりでございます。
それからワードの文章2、会員の指示でございますけども、昨日、8月ではございませんけれども、ございましたので、この場を借りてご説明申し上げたいと思います。
こちらにつきましては、パワーポイントのスライド2をご覧にいただけますでしょうか。昨日9月8日、中部エリアの需給悪化に関して融通を指示したものでございます。
中部エリアの27万5千ボルトの幸田碧南線という回線がございますが、雷によって1号2号ともに停止するということがございました。これに伴いまして碧南火力の5号機まで410万kwが脱落いたしました。410万kWでございますので、広域的な融通を行わなければ需給状況が悪化する恐れがあるということで、業務規程第111条に基づき、14時半から最終22時30分までの間、最大で300万kWの融通指示を行っております。
左のところに停電情報がございます。これは中部管内の話でございますが、12時53分に1号線2号線の停止がありまして、143万kW程度の需要が減り、停電戸数としてはだいたい36万戸程度と聞いております。ネットワークの停電といたしましては、13時28分で終了したわけですけれども、碧南の再起動はすぐにはできませんので、四角の枠囲みの中にあるような融通を指示して、実施していただいております。下の方から東京から中部へ、次の灰色が関西から中部へ、その上の橙色が北陸から中部へ、それで夜に入りまして、中国電力からも送れる、その必要があるということで送っていただいております。数字ですとか経緯につきましては、このグラフをご参照いただければと思います。最大300万kWの融通を行ってございます。
ワード文章の方にお戻りいただきまして、1の電気供給事業者への指導・勧告でございますが、8月までで該当事項はございませんでした。
また、系統アクセス業務につきまして受付件数、回答状況でございますけれども、こちらの表の通りでございます。苦情処理・紛争解決につきましても、表の中に件数、対応済件数等を示してございます。
続きまして3.全国及び供給区域ごとの需要に対する適正な供給力の確保状況でございます。こちらパワーポイントの資料3スライド目をご覧いただけますでしょうか。上の枠囲みの中にこの夏7月8月でほぼ出揃ったかと思いますが、実績を示してございます。グラフ左から、北海道から沖縄へと各供給エリアを並べまして、その下にエリアごとの最大発生の日時を示しております。棒グラフですけれども、紺色のグラフが最大需要電力、それに対して右側の赤い部分が供給力でございます。折れ線グラフの部分は予備率を示しておりまして、左の方から22%、24%とございますが、一番少ないエリア側でも中部エリアの9%ということで、9%以上が確保できておりました。ベージュ色の枠囲みの中に全国最大の部分を示してございます。15,585万kWに対しまして、予備率としては全体として12%が確保できていたということで、まずは全体及び各エリアで適正な供給力を確保できていたかと認識しております。
続きましてワード文章に戻っていただきまして、4でございますけれども、スイッチング手続きの円滑化を図る業務の状況でございます。
2つ目の中黒のところで、今年度スイッチング支援に関する実務者会議を4回開催してございます。その中で出てきた改善項目につきまして、システム改良1件は完了しておりまして、3件は改良案件としてあるのでございますが、今実施をしております。また、その他の改良についても調整をしているところでございます。
同じ資料の裏をめくっていただきまして、各種委員会等の状況についてご報告申し上げます。
広域系統整備委員会につきましては、都合2回開催しております。7月29日、8月31日です。こちらにつきましては、東北東京間連系線に係る実施案、費用負担割合などについてご議論いただいて、今回評議員会に審議いただいているところでございます。その他東京中部間ですとか、短工期対策の入札の件等を資料に記載してございます。
につきましては、調整力及び需給バランス評価等に関する検討委員会の開催状況ですけども都合3回開催してございます。内容といたしましては、2つめの中黒にございますが、供給計画の第1年度、今年度を対象とした需給バランス評価につきまして、猛暑時のリスク分析などを含めて検討しております。広域機関による電源入札の必要性がないことを確認しておりますけれども、第2から第10年度を対象とした検討は今後の課題としてやってまいります。
また、一般送配電事業者が行う調整力の公募に関しまして、調整力の必要量要件に関する議論を実施しております。こちらにつきましては、今、募集要項について、意見募集をしている段階でございますが、今年度に間に合わせるスケジュール感で進めてございます。
の情報セキュリティに関する取組みですけれども、まずはスイッチング支援システムにつきまして運用細則に関する規程を新たに制定しております。他にも重要なシステムがございますので、それを認定して順次運用細則を制定して参りたいと考えております。
また、情報セキュリティ関連の規定を政府の統一的な基準に準拠いたしまして改定を行ってございますけれども、その内容を含めて役職員に説明して、第1四半期に自己点検をやっております。また、会員向けに情報セキュリティ関する情報提供ですとかをやっておくという計画をたててございますけれども、電力ISAC提案というものが新たにまいりましたので齟齬が生じないように調整して進めてまいりたいと考えております。
は地域間連系線の利用ルール等に関する勉強会及び検討会でございますけれども、後程、8月12日に公表しております勉強会の中間のとりまとめの概要をご説明申し上げる予定になってございます。また9月1日には、こちらの検討会を公開で開催いたしまして、先着優先ルールのあり方について検討を開始しております。説明は以上でございます。
○野間口議長
ありがとうございます。それでは、何か意見はございますか。
○松村評議員
ここで聞くような話ではないかもしれないですが、碧南事故が、Nマイナス2の事故だったか、それとももっと深刻な事態だったのか。1号線が切れただけでNマイナス2なのか、1号2号切れてNマイナス2なのか。どんな深刻な状況だったのでしょうか。
●内藤理事
昨日の幸田碧南線の事故について、2回線に亘りまして雷が落ち、先生がおっしゃる通りNマイナス2の状況となりました。3相ある内2相に雷が落ちた稀頻度の例ではありますけれども、あり得る事態です。
○野間口議長
スライド2のグラフですけれども、右の方は階段状に落ちていますね。これは22時25分には融通指示は必要なくなったという意味でしょうか。
●桑原部長
22時30分までということで融通を行っておりましたけれども、復旧が進みましたので、融通というものが必要なくなってきたというものです。
○野間口議長
よろしいでしょうか。それでは報告事項、広域機関の「活動状況報告」は以上と致します。
続きまして、報告事項、「電力システム改革第2段階への移行に伴って生じている諸問題について」でございます。事務局から説明をお願いします。
●田村部長
前回ご報告後の主な状況変化についてご説明いたします。
まず、新たに運用開始した広域機関システムの主な機能について。連系線利用計画管理機能で二つございます。
一つ目は月間連系線利用計画の調整用機能。これは、事業者の皆さまに調整用の利用計画をご提出していただき、例えば作業停止等で運用容量が減った場合において、混雑処理が発生する見込みを事前にお知らせし、それを踏まえて更新用の利用計画をご提出していただく、このようなプロセスにおいて必要となる機能でございます。これを9月5日に運用開始しております。
二つ目は週間連系線利用計画の変更機能。更新機能については6月に運用開始しておりますが、ご提出していただいた利用計画の変更を受け付ける機能を本日の朝9時から運用開始しております。
また、計画に記載誤りがあった場合に計画データの再提出を促す整合性チェック機能を8月1日より運用開始しております。
なお、これらの新しい機能の導入や不具合改修については、6月に引き起こしてしまった不具合の反省を踏まえて立ち上げた広域機関システムリスクマネジメント会議で、運用部以外の職員の目によるチェックも受けた上で実施しております。
次に、計画値同時同量制度への移行に伴う問題への取り組みとして、事業者の皆さまに整合の取れた計画を作成、ご提出していただけるよう、事業者の皆さまからご提出していただいた最終計画に対して計画内不一致や計画間不整合をシステム外で、ツールを使った手作業でチェックし、不整合を生じた事業者の皆さまへメールや電話にて通知する、事業者によっては面会してアドバイスを差し上げるということを7月1日より連日行なっております。また、先程ご紹介した整合性チェック機能の運用開始に伴い、講習会を開催いたしました。
次に、インバランス精算についてですが、前回の評議員会では「具体的な業務に着手できていない」とご報告いたしましたが、7月1日の第7回電力基本政策小委員会で精算プロセスについて具体的にお示しいただいたことを受け、4、5月分については精算処理を終え、現在、6月分の精算業務を進めております。
また、将来の開発に向けた再発防止及びシステムの信頼性担保を目的として、第三者評価を行なう準備を進めております。
資料を一枚おめくり下さい。広域機関システムによる整合性チェック機能ついて少し詳しくご説明いたします。
各種計画の整合性等をシステムでチェックし、エラーがある場合は計画提出者の皆さまへ、実際に電力をやり取りする実需給の1時間前(ゲートクローズ)までの修正、再提出をお願いする旨のメールを送付すると共にエラー箇所をご確認いただくためのXMLファイルをご提供する、我々はこれを自動チェックと呼んでおります。自動チェックは、4月1日の段階ではファイル形式や各種コード等のチェックに止まっておりましたが、8月1日から計画内整合性チェック(一つの計画ファイル単体での合計値誤りやコード誤り等をチェックするもの)、計画間不整合チェック(複数の計画ファイル間で販売-調達の値が合わないこと等の状況をチェックするもの)、これらのチェックを開始いたしました。
次のスライドをご覧下さい。発電販売計画(どこの発電事業者がいくら発電し、どこの小売事業者へいくら販売するのか)、需要調達計画(どこの発電事業者からいくら調達し、需要を賄うのか)という2種類の計画がございます。計画内不整合とは、例えば発電販売計画内の発電計画内訳と発電計画BG計の不整合のこと、また、計画間不整合とは、例えば発電契約者Aの販売計画値と小売電気事業者Bの調達計画の不整合のことを指します。
続いて、計画内不一致についてご説明いたします。例えば、このスライドにある小売電気事業者Bの「需要計画と販売計画の合計」と調達計画の合計は一致しておりません。この差分についてはゲートクローズまでに1時間前市場で調達するというオプションが残されておりますので、差分があるからと言って直ちに「けしからん」と指摘するわけには参りません。計画内不一致についてはシステムでチェックするのではなく、最終計画値を対象としてシステム外で、ツールを使った手作業でチェックして事後的に注意喚起を行なっております。
続いて、システム外の取り組みについてご説明いたします。以前は週1回程度のペースで整合性チェックを行なっておりましたが、7月1日以降は連日行なっております。その他にも様々な講習会を開催し、事業者の皆さまとコミュケーションを取りながら、不適切な計画の撲滅に取り組んでおります。
こちらは、連日注意喚起するようになった7月1日以降の計画内不一致・不整合、計画間不整合を発生させている事業者数の推移であります。所々、旧一般電気事業者小売部門が常時バックアップ電力の記載誤りを起こし、取引先が多いため、たくさんのエラーが発生している日もございますが、これらを除きますと総じて一桁台まで減ってきたことがご確認いただけるかと存じます。
こちらは各月1日をピックアップして計画不整合発生状況の推移をお示ししたものです。4月以降、電話やメールでの注意喚起、講習会の開催、8月にはシステムによる整合性チェック機能の運用開始等、様々な取り組み進めて参りました。その結果として、偶発的に発生するものはございますが、需給バランスに大きな影響を与えないレベルにまで不適切な計画は減っており、制度開始当初に見られた不適切な計画提出を巡る一連の諸問題は解消されたと評価でき、現時点において報告徴収や指導・勧告の対象となるものはないと判断しております。これからも気を緩めることなく、しっかりと監視や注意言喚起等を実施して参ります。
インバランス精算に関して、広域機関が精算プロセスへどのように関与しているかをご説明いたします。ご存じのとおり、4月から6月分については計画の訂正及び協議を行なうプロセスが設けられました。まず初めに一般送配電事業者から事業者の皆さまへ実績が送付され、事業者の皆さまが内容を確認され、必要に応じて計画訂正の申入れを行ない、送配電事業者と事業者の皆さまの間で協議の結果、合意されれば修正計画をご提出していただくというプロセスでございます。広域機関は、この協議の過程で、訂正の妥当性を証明するものとして広域機関システムのログをご提供したり、各種問合せにご対応したりしました。また、合意された修正計画は広域機関経由で一般送配電事業者へ提出することになりますが、非常にタイトなスケジュールで、ご提出が遅れている事業者の皆さまへ電話フォロー等もさせていただきながら、何とか締め切りまでに修正計画を一般送配電事業者へ送り届けることができました。
最後のスライドは参考ではありますが、計画訂正及び協議を行なった結果、4月の制度開始当初の極端なインバランスが、訂正後は収束している様子がご確認いただけるのではないかと存じます。
私からのご説明は以上でございます。
○野間口議長
ありがとうございました。
今の説明に対しまして、ご意見、ご質問がある方はお願いします。
○野間口議長
スライド4のところで、「需要8と販売3に対して調達が10」と不一致になっているのですが、これは1日の平均で見ているのですか。需給は時々刻々と変わっていくと思うのですが。
●田村部長
差分については30分単位の1日48コマ毎に見ております。
○夏目評議員
最後のスライド(参考)にある計画値修正後の「※印」の箇所について、「四国エリアにおけるFIT特例の太陽光発電誤差による」とありますが、これは計画値訂正までに修正できなかったのでしょうか。これは4月のデータですが、それ以降、同様の事象は無かったのでしょうか。
●田村部長
FIT特例では、実需給2日前の予測を元に立てた計画をご提出していただくという運用になっておりますので、当日、予測時点と天候が異なれば計画と実績がずれる可能性がございます。この時以外も同様の事象が起きております。なお、今回の計画訂正は、システムの都合で正しく計画をご提出していただけなかったケース等を対象としておりますが、予測誤差はその対象となっておりません。
○野間口議長
他にありますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは報告事項、「電力システム改革第2段階への移行に伴って生じている諸問題について」は以上と致します。
続きまして、報告事項、「地域間連系線利用ルール等に関する検討会」の中間とりまとめでございます。事務局からご説明をお願いいたします。
●佐藤理事
ご報告をさせていただきます。報告事項、「地域間連系線利用ルール等に関する検討会」の中間とりまとめで、の資料がありますが、以降のみでご説明をさせていただければと思います。最初の議題からありますように、地域間連系線利用ルールにつきましては、前々から今のとおりで良いかという議論が相当あってですね、評議員会でもご意見を頂いておりました。それを念頭に置いて今から申し上げますよう検討会をやるということになって、一番は私共、評議員会の先生に普段お話させていただいておりますように、まさに中立、公正に運用を行っていくこと。この機関から見て、今のルールだとあまりに公平、公正性に問題があるのではないだろうかと思いまして、この勉強会を始めたところであります。それで中間取りまとめという一定の方向性が出ましたので、まだ中間取りまとめということで、評議員会でお決めいただくようなルール変更までに至っていないのですが、ルール変更に至る過程になりますので、その中間で取りまとめたものを、非常に複雑なところもあるのですが、是非ご報告をさせていただきたいという風に思っております。その中で、今回の評議員会の中では、松村先生にご指導いただきました。リップサービスという意味ではなくて、非常に議論をさせていただいてですね、こういった中間報告をまとめることができました。
それでは、今のルールはどうなっているのかということなのですが、先生方は非常に詳しい方もいらっしゃるかと思いますが、一応おさらいということで、60ページ、後ろの方なのですが見ていただければと思います。絵が付いておりまして、「先着優先」という風に書いております。どう容量が埋まっていくかということになると、早い者順ということであります。それで利用計画をどんどん積み上げていって、マージンと呼ばれるところ以外、これは空容量になるところになっていますが、空容量分まで登録ができるということであります。それは1秒でも早いと登録ができるということであります。一旦10年で登録できて、1年毎ローリングできるということで、一旦登録すると半永久的にというか、発電所が壊れるまで登録ができるというようになっています。ただ、空容量がある場合に関して、この場合全部利用計画で埋まっていても、何らかの理由で発電所が今、停止しているということがありますので、たまに空く場合も当然ありますし、そもそも色んな理由があり、需要が低いということで空いている場合もある。空いている場合は、まさにJEPXという別の組織がありますが、まさに電力市場のところで一番安い、低い価格を出した人がAエリアからBエリアへ通せるという形になっている。そうすると、全部計画で抑えられて、後からもっと効率の良い発電所をつくって、もっと安く流せるのに全部抑えられているから流せないのではないか、という批判が昔からあった。特に再生可能エネルギーとかが入ってくると、非常に限界費用が安いのにみんな抑えられているから、AエリアとBエリアが混んでいて送れないではないかと、こういうことがオールハッピーではないのではないかということで、今は空容量のところだけ市場で一番安いものから流せる、それを全部そうすればいいのではないか、という風に相当今まで議論をしております。
それに対する反論としましては、ただ、何十年という長い期間をかけて改修をしなければならない火力発電所とか、何千億もかかるようなものを、絶対流せるという風に決まったと、危なっかしくて造れないと、コストが計算できないから先着優先で絶対流せるという風にしてくれないと、そもそも火力発電所を建設する時に非常にコスト計算が難しいじゃないかということがあって、「止めてくれ」と言う人もいたということで、なかなかルールが変わらないということであります。この、「変えてくれ」と言った人も「変えてくれるな」と言った人も両方が間違っているということが分かったのですが、それも含めてご説明をさせていただければという風に思います。
まず前者の、せっかく安い電源が入ったのに流せないではないかというのはどういうことかというと、24ページを見ていただけますでしょうか。これはケース3の「先着優先」という場合なのですが、これは混雑をしていると、エリアAは市場価格6円で、エリアBは市場価格15円で混雑しているので、エリアAとBは価格が違う形となっています。それで、この発電事業者、売り側の人は、限界費用9円と市場価格より高いのですが、小売事業者で、10円で販売をするということで相対契約を結んでいるというので、混雑しているのですが、この人は先着優先で権利を持っているので、市場価格、本来だったら市場で値段を付けるのであれば負けてしまうのに、10円で買ってもらって、限界費用9円の火力発電所を動かしておくということです。これを批判する方というのは、本来だったら市場価格6.3円とか5.9円とか色々あるのに、それが全然送れないことは酷い状況である。送れないということは止めてしまうこととかいうことも多いわけですから広域メリットオーダーも全然成り立たないし、非常に非効率な事態が起こっているのではないかというご批判であります。それが、ケース3’、下にありますように間接オークション、先程言いましたように、全部オークションで決めてしまえば、限界費用9円のものは市場で負けて動かせなくなる。エリアBには売れないし、エリアAだと6円のものがいっぱいあるわけですから、これは止めざるを得ないということで、非常に良いではないかいうことを言っておられたわけであります。ただ、それが本当に正しいかどうかということですが、ケース3の上の方の先着優先でも、もし、限界費用9円の発電事業者(仮にCと名付けるとすると)、このCの人というのは、色んなルールは別にして、本当に利益最大化にしようと思ったら、自分の発電所を止めて、市場価格6円の電気を買って、小売事業者に売れば、今まで限界費用9円ですから、1kWh当たり1円しか儲からなかったのに4円儲かるわけです。そうすると、今度自分の発電所を止めて、市場価格6円のものを買って売ればもっと儲かるからそうすればいいじゃないか、と思うのですが、実は、もっと前の方に戻っていただいて恐縮なのですが、5ページをご覧ください。実は今年の3月31日まで私共のルールがそれを許さないという形になっていたのです。ちょっとごちゃごちゃ書いてあって恐縮なのですが、C卸供給事業者(さっきCと言った人)は、D発電所というのを動かしてBの小売事業者へ売っていたのですが、今までの私共の計画だと、連系線利用計画をつくる時に、CからBに売るということが書いてあるのは当然なのですが、D発電所じゃなきゃダメだと書いてあって、これは紐づけと言われているものですが、紐づけられていたので、D発電所の電気しか連系線利用計画で送れないということになっていました。そうすると、さっきの図に戻っていただいて、市場から全然違うF発電所の電気を買ってBに送ろうとしたら、今の連系線利用計画には送れないということになっていたのです。そうすると、市場にいくら安いがものあっても今までどおり、連系線利用計画、あとそれに関連して振替供給計画とか色んなものが全部紐づけになっていましたので、こういうより安い電源があると差し替えられないという状況でありました。
ところが、4月1日になってですね、6ページ、7ページにありますように、状況がガラッと変わって、紐づけというのは基本的に計画値同時同量になってなくなりました。それが、先ほどうちの田村の方からご説明させていただいたのですが、電力システム改革第2段階への移行に伴う課題というので、参考でこっちに付けさせていただいておりますけれども、計画値同時同量というのは、計画の中でいくつかの事業者の方というのが差し替えながらやるというのがむしろ当然なので、そうすると差し替えを許さない、つまり、発電所を決め打ちだとそもそも計画値同時同量にならないので、実は、先着優先がおかしいと思ってこのルールを変えたのではなくて、計画値同時同量を入れる時、紐づけだってそもそも計画値同時同量だとやりようがないので、紐づけを全部外したということなのですが、ただ結果としましては、これで託送契約みたいなものでありますとか、連系線利用計画、差し替えを許さないというルールがついになくなりましたので、そうなりますと、4月1日以降というのは、先着優先があると差し替えられないから、せっかく効率の良い発電所が入ってきても送れないというのは嘘であります。
ただ、もう1個の嘘もあってですね、今までは先着優先があるから発電事業をする場合に、非常に長期的に計算がしやすい、つまりずっと電気が流せるから、AエリアからBエリアへ流せるので、非常に価格がどれくらいになるかというのが長期的に価格を固定しやすいというのがあったのですが、今まではもっとどんどん後から効率が良い発電所があっても、それが連系線利用計画を使って出し抜いて送ることはできなかったのですが、これからは、もしB小売事業者がC発電事業者自身であったとしても、自分よりももっと効率の良い発電所があったら差し替えないと、それはむしろ損しているということですから、そういった事情も変わってきたので、先着優先でないと発電事業の安定性が損なわれるというのは、逆に言うと4月1日以降この部分が変わったことによって、そこでもう大幅に変わっている。つまりは発電事業を行っている方にとっては、4月1日にこんな契約を変えてもらっては困る、連系線利用計画を変えられると困るというはずだったのですが、そういうこともなく終わったということであります。ただ、今の話を聞くと、だったら今までの先着優先のルールって変えるのかどうかという話になると思うのですが、この中間報告では、まさに変えるということになっております。
で、なぜ変えるのかということなのですが、理由は大きく分けますと2つあります。1つは、差し替えれば良い、市場にもっと安いものがあれば差し替えれば良いと言ったのですが、これはシートで見ていただいて、9ページに書いてあるのですが、実はご覧のように市場の厚みが薄くて、全国でも約2%、これは欧州の例が書いてありますが10~30%と、市場の厚みが全然違っておりまして、いつでも差し替えられれば良いのですが、差し替えられるかどうかというのは、市場の厚みというのが無くて、本当はどうなるかは分からない。そうすると、すごく簡単な話を言うと、明日良いものがあれば差し替えようかと考えて止めたとしても、そもそも差し替えられる市場に玉がなければ非常に問題になってしまうということであるので、市場はある程度厚みがないと、そもそも今言ったことが全部絵空事になってしまう。ということで、もし全部間接オークション、全て市場を使うことになると、一種の強制玉出しですから、必ず市場の厚みが増すということになります。そういった観点からも、やはり先着優先だと市場の厚みがいつまでも厚くなりませんので、やはり間接オークション、市場を使うことを中心のシステムにすべきではないか、というのが一つであります。
あともう一つ、冒頭でなぜこの勉強会を始めたかという一番の動きが、公平、公正性が中立機関として保たれる部分かどうかということを申し上げました。これは、ある意味だと当然でございまして、1秒、1日でも早いと必ずAからBに送れてしまう。少なくともAとBが市場間価格で、6円と15円みたいに値段に差がある場合は、その分は全部、やはり連系線利用ルールがある人が利益を得られますので、そういったことがほんのちょっとだけ早く登録をできた人が良いのかどうかという問題が出てきまして、今実際に事業者間でそういうケースが水面下なのですが起こっていてですね、負けてしまった方の人が「こんなことで良いのですか」と中立機関の広域機関が言われた時に、相当説明がしにくい状況になっているのが一つと、あと、先程FITの話もありましたけれども、どんどん太陽光が出てくると、太陽光発電は限界費用が極めて低いのと、0円に近い程ですから、例で言いますと、九州で太陽光出てきますが、関門の連系線の権利を持っている人が徹底的に九州で太陽光を安く買って、石炭から今まで買っていた人が差し替えて、太陽光で買って、分断が当然していますから、それを中国地方でありますとか、更には関西地方へ持ってきた時に、相当大きな値差の差し替えができるということで、先着優先の権利を持っている人というのは、有利な状況になってしまう。これもやはり、公平、公正を確保する上では難しいということで、やはり基本的にはオークション、入札方式をすべきではないかということで、○年後に間接オークションを導入すると。ただ、やはり、多くの色んな権利を持っている方には配慮しなければいけませんので、○年間の経過措置を付与するというのを決めまして、具体的にいつからやる、○年間どういった経過措置をするというのが、先程ご説明がありましたが、9月1日から始めた公開の検討会でそういったことを決めていただければという風に思っております。
あともう一つ、先程第1の議題のところで、高村先生から、特定負担の場合はどう考えるか、この勉強会でも考えてくれというご指摘があったのですが、ちゃんと書いてありまして、44ページのところで、特定負担の場合は一般的な場合とは議論を分けて、その扱いを検討すると、特定負担、先程のところだと、東北東京間の場合の特定負担化された方に関しては、要するにタダで権利を得ている訳ではないですし、非常にクリアなところで応募者を募ったということなので、また別途違うというところで、この44ページに挙げるように、9月1日からの公開の検討会では、特定負担の場合はどうするかというルールをきちんと決めていきたいと思っております。私からは以上です。
○野間口議長
ただ今の説明に対しまして、御質問、御意見ございませんでしょうか。
松村先生よろしいでしょうか。
○松村評議員
ありません。
○高村評議員
ありがとうございます。質問というよりは応援をしたいと思って発言をしたいと思います。地域間連系線の利用のルールは、2030年のエネルギーミックスの実現にとっても、非常に重要な役割を果たしていると思っております。これは、これまでの様々な審議会の報告書等にも繰り返し指摘されている点で、今回一歩大きく踏み出していただいたことに、大変感謝しておりますし、期待をしております。もう既に佐藤理事から、現行のルールの下での広域メリットオーダーの実現には、かなりの前提、条件が満たされることが必要で、市場の問題や公平性の問題への指摘は、まさにそのとおりだと思っておりますので、是非検討会でよい結果を出していただきたいと思います。
○野間口議長
1年くらい前になりますかね、色々議員の皆さん方が貴重なご議論いただいています。広域機関としても真摯に検討してほしいと思っております。
15ページで諸外国における様々な方法とありますが、直接オークションと間接オークションの違いは。
●佐藤理事
直接はですね、例えば150万kWの地域間連系線で、10万kW分は例えば1千万円払って買うとか、普通に考えると送電権そのものを買うという行為ですね。先程、冒頭の第1議題でご説明させていただいたとおり、東京東北は特定負担を出して特定負担をするのだから、自分の発電する分は必ず流させてくださいというのは、ほとんど直接オークションに近いわけであります。間接オークションは、まさにJEPXが安い順に流すのを決めるということです。
○野間口議長
他に御意見や御質問はございませんでしょうか。
中間とりまとめとなりますが、今後どういう風に進めるのでしょうか。
●佐藤理事
9月1日に第1回を始めさせていただいて、年度内には最終的な結論を得たいということで、なるべく早く、年度内ではありますが、できれば早くやらせていただきたいと思っております。
○野間口議長
よろしくお願いいたします。他に御意見や御質問はございませんか。
○石川評議員
今、太陽光の話が出たのですけど、エネルギーミックスで、太陽光って非常に不安定な電力ですよね。それで、連系線の部分だけなので良いのですけど、不安定な電力が通る場合はどうなりますでしょうか。
●佐藤理事
今のところ原則、太陽光を安定化させたもののみを連系線を使って送るという仕切りになっています。
○石川評議員
安定化ということは、どこかでバッテリーか何かで溜めておくということですか。
●佐藤理事
おっしゃるとおりです。例えば、九州エリアから関門線を使って中国エリアへ送る時というのは、まず九州電力が自分の色んな揚水であるとか、そういったものを使って一度成形して、成形したものを、関門線を使って横に送るというのが原則です。これは、今の電事法に周波数調整義務も各電力会社に課されていますし、これが大原則です。ただ、もちろん広域機関をつくった時からの一つの目的ではあるのですが、例えば、北海道が東京へ全く成形されていない太陽光を送るという実験を始めようとしていますし、絶対に全てのものが成形したものしか送らないというわけではないのですが、原則はまず、各電力間で成形をしてそれを市場に出す。それが連系線を流れて通ってくることもあり得るという形になっています。
○石川評議員
我々工場は電気が止まったら大変。連系線のルールだけなので心配はいらないと思うのですけど。
●佐藤理事
まさに社長のおっしゃるとおり、そういったことがあると困りますので、成形したものしか流さないという形でまさにやっております。
○石川評議員
分かりました。
○野間口議長
よろしいですか。他にございませんでしょうか。
それでは、報告事項「地域間連系線利用ルール等に関する検討について」を以上とさせていただきます。本日予定しておりました議題は以上となりますが、評議員会として、理事長に対して伝えるべきご意見、ご要望等はありますでしょうか?
無いようでございますので、閉会の前に、金本理事長から一言ご挨拶をお願いします。
●金本理事長
本日は残暑の厳しい折、お時間を取っていただきまして大変ありがとうございました。
今日お認めいただきました東北東京間連係線に関するものについては、これから理事会で議決させていただいて、その後、各事業者の方々に同意を求めるという手続きになります。スムーズに進むように一生懸命頑張ってまいりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
また、連系線利用ルールとか色々な課題が山積しております。これからも一生懸命やってまいりたいと思いますので、アドバイス等よろしくお願いいたします。
どうもありがとうございました。
○野間口議長
ありがとうございました。それでは以上を持ちまして本日の評議員会を閉会いたします。
貴重なご意見どうもありがとうございました。
以上、この議事録が正確であることを証するため、出席した議長、及び評議員2名は、記名押印する。
電力広域的運営推進機関評議員会
議長 野間口 有
評議員 松岡 萬里野
評議員 横山 明彦
関係資料
- 第3回評議員会
- 議事次第(89KB)
- 第1号議案
- 東北東京間連系線に係る広域系統整備の 実施案、事業実施主体及び費用負担割合案について(1597KB)
- 第2号議案
- 送配電等業務指針の変更について(105KB)
- 第3号議案
- 需要想定要領の変更について(132KB)
補足資料 様式(611KB) - 報告事項
- 活動状況報告(176KB)
参考資料(815KB)
電力システム改革第2段階への移行に伴って生じている諸問題について(1343KB)
地域間連系線利用ルール等に関する検討会(989KB)
地域間連系線利用ルール等に関する勉強会(3876KB) - 別紙(1)
- 送配電等業務指針の変更について(第2号議案説明資料)(270KB)
- 別紙(2)
- 需要想定要領変更の概要(第3号議案説明資料)(310KB)