更新日:2023年4月19日
電気供給事業者に対する指導について
本日、電力広域的運営推進機関(以下「本機関」という。)は、電気事業法第28条の40第1項第6号の規定に基づき電気供給事業者に対する指導を行いましたので、お知らせします。
- 対象となった電気供給事業者の商号
電源開発送変電ネットワーク株式会社 - 事案の概要
本機関は、2022年6月23日付けで同社より報告のあった「『東京中部間連系設備に係る広域系統整備計画』における弊社実施工事の工事費増額について(報告)」について、電気事業法(昭和39年法律第170号。以下「法」という。)第28条の42第1項の規定に基づき、同社に対し、同年7月15日付け「『東京中部間連系設備に係る広域系統整備計画』における佐久間東幹線(山線)他増強工事の工事費増額に関する報告について」をもって、報告を求めました。そして、本機関は、かかる本機関の要請に関し、同年7月29日付けで同社より「『東京中部間連系設備に係る広域系統整備計画』における佐久間東幹線(山線)他増強工事の工事費増額の理由等のご報告について」のとおり報告を受けました。
本機関は、上記の同社の報告を受け、さらに追加で報告を求め、今般の事象について検証を行い、別紙のとおり取りまとめました。この取りまとめにより得られた事実関係から、同社は実施案策定時に工事費増額の可能性について言及していたにもかかわらず、適時に工事費増額を把握する仕組みが構築できていなかったことなどが明らかになりました。また、こうしたプロジェクト管理体制が、今般のコスト等検証小委員会における審議を踏まえてもなお、大幅な工事費増額が避けられない事態を招来した原因の一つとなっていたことも明らかとなりました。
東京中部間連系設備に係る広域系統整備計画は、東日本大震災での大規模な電源喪失における供給力不足により計画停電など国民生活に大きな影響を与えたことを踏まえて、稀頻度の大規模災害時における安定供給の確保の観点からFC増強を行うものです。
今般の事象は、同社内での適切なコスト管理が行われておらず、本機関及びコスト等検証小委員会への適切な報告を怠ったことが主たる原因であり、運転開始時期の遅延を引き起こす可能性がありました。すなわち、かかる事象に起因して、送配電等業務の円滑な実施その他の電気の安定供給の確保に影響を与えるおそれすらあったものであり、同社は事業実施主体としての責任を十分に果たしているとは言い難く、このような事態を招いたことを真摯に反省し、プロジェクトの管理体制等について、抜本的に改善を行う必要があると考えられます。
以上を踏まえ、本機関は法第28条の40第1項第6号の規定に基づき、本日、同社に対する指導を行いました。 - 指導の内容
今般の事象に対する原因分析及び再発防止策の検討等
・今般の事象について、改めて原因を分析し、その結果を踏まえ、(1)~(4)の内容を含む再発防止の
検討及び改善の取組みを行い、本機関に対して報告すること。
・なお、再発防止の検討に当たっては、経営層が十分に関与するとともに、今後のプロジェクト管理におけ
る経営層の責任体制を明らかにすること。
(1)プロジェクト管理体制について
(2)実施案(概略設計)等の設計精度について
(3)予報発注や調達等でのコスト抑制について
(4)その他(上記のほか、別紙を踏まえ、同社として改善すべき事項) - 添付資料
別紙 東京中部間連系設備に係る広域系統整備計画 佐久間東幹線(山線)他増強工事の工事費増額に関する検証結果について(検証とりまとめ)(3747KB)
以上