落札電源の決まり方

需要曲線の算定方法

需要曲線は、国の審議会などの意見を踏まえ、市場管理者(広域機関)が、オークションごとに公表します。需要曲線の各項目は、最新の供給計画や国などが公表する経済指標を用いて設定されます。

<需要曲線の形状>

需要曲線は、以下の形状となります。

  1. 図 需要曲線の形状
<項目の設定について>

(1)目標調達量
目標調達量は、最新の供給計画における実需給年度の全国H3需要(離島除き)に、偶発的需給変動対応分、持続的需要変動対応分、厳気象対応分、稀頻度リスク対応分、追加設備量を加えたものです。

  1. 図 項目の設定について
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項目 詳細
偶発的需給変動対応分 自然変動電源の出力変動、電源の計画外停止、気温などによる需要変動に対応する供給力。
厳気象対応分 10年に1回程度の厳気象(猛暑および厳寒)に対応する供給力。
稀頻度リスク対応分 想定したリスクを超える規模の供給力喪失若しくは需要増加のリスク、又は、これらを設定するときに想定されていないリスクであって過去の事象などをもとに想定すべきと考えられる大規模かつ長期間の供給力喪失のリスク対応する供給力。
持続的需要変動対応分 景気変動などによる需要変動に対応する供給力。
追加設備量 計画停止可能量を確保するために必要な供給力。

 

(2)指標価格(Net CONE)
指標価格(Net CONE)は、モデルプラント※の建設および維持・運営のため、容量市場に求める収益です。モデルプラントの建設および維持・運営のための総コストをコスト評価期間で均等化したコスト(Gross CONE)から容量市場以外の収益を差し引いて求めます。
※コスト算定に用いるモデルプラントは、コンバインドサイクル・ガスタービン発電(CCGT)の新設電源としています。

(3)上限価格
需要曲線における調達価格の最大値です。指標価格(Net CONE)の1.5倍に設定します。

(4)上限価格における調達量
需要曲線において、上限価格で調達する調達量の最大値です。調達コスト(調達量と調達価格の積)と停電コスト(停電量と停電単価の積)の和が最小となる点を結ぶ近似曲線(トレードオフ曲線)と上限価格の交点から設定します。

  1. 図 上限価格における調達量

(5)調達価格ゼロにおける調達量
需要曲線において、調達価格がゼロのときの調達量です。トレードオフ曲線を用いて設定します。

 

約定方法について

容量市場は、全国単一市場でオークションをおこないます。約定価格はシングルプライスオークション方式で決定します。供給曲線は応札情報をもとに応札価格の安い順に並べて作成します。ただし、需要曲線の目標調達量には、追加オークションで調達を予定している供給力※およびFIT電源などの期待容量分が含まれているため、供給曲線は追加オークションで調達を予定している供給力およびFIT電源などの期待容量分を加えて作成します。また、発動指令電源は、メインオークションにおける調達上限容量(全国H3需要比3%)を超えないように約定処理をおこいます。この供給曲線と需要曲線の交点が約定点となります。なお、約定点において同一価格の応札が複数存在した場合は、約定点の容量以上となる応札の組合せのうち、約定点に最も近い量となるよう約定処理をおこないます。
※2025年度から目標調達量に含みます。

  1. <約定点(約定価格と落札電源)の決定イメージ>
  2.  

 

市場分断について

容量市場は、全国大で約定処理をおこない、価格が安い電源から落札されるため、結果として落札電源が多いエリア、少ないエリアが生じることがあります。このとき、エリア単位でみると供給信頼度の基準が満たされていない場合があるため、基準が満たされていない不足エリアの供給信頼度を満たすまで、電源(容量)の追加処理をおこないます。これらの処理を市場分断と呼びます。また、容量を追加した場合は、基準が満たされている余剰エリアから減少できないか判断し、可能な場合は減少処理をおこないます。市場分断が発生すると約定点決定時において不足だったエリアの約定価格(エリアプライス)は余剰エリアと異なります。なお、市場分断の結果、市場競争が限定的なおそれのあるエリアについては、後述する方式により約定価格を設定します。

  1. <市場分断時のエリアプライスイメージ>
  2. 図 市場分断時のエリアプライスイメージ

追加処理の概要

供給信頼度が不足しているブロックの非落札電源のうち、最も安価な電源から供給信頼度の基準を満たすまで追加します。不足ブロックのエリアプライスは、追加した電源の価格に都度更新されます。なお、追加できる電源がなくなった場合は、処理終了となります。その場合、不足分について、必要に応じ、追加オークション(実需給年度の前年)などを検討します。

<追加処理のイメージ>

非落札電源のうち、最も安価なDエリアの電源は、余剰ブロックの電源のため追加せず、不足ブロックの中で最も安価なAエリアの電源から追加する。

  1.  

減少処理の概要

余剰ブロックの落札電源のうち、追加処理した容量の合計を上限に、最も高価な電源から減少します。減少処理によって、供給信頼度が不足に転じるエリアがないか確認し、減少処理をおこないます。余剰ブロックのエリアプライスは、減少した電源の次に高価な電源の価格に都度更新されます。

<減少処理のイメージ>

追加電源を除いた落札電源のうち、最も高価なBエリアの電源は、不足ブロックの電源のため減少せず、余剰ブロックの中で最も高価なDエリアの電源から減少する。

  1.  

市場競争が限定的なおそれのあるエリアの対応

市場競争が限定的なおそれのあるエリアとは、市場分断が発生した結果、応札された電源が全て落札されたエリア、または落札しなかった電源を応札した事業者が1社の独占状態となっているエリアをさします。
これらのエリアにおいては、追加電源の応札価格が隣接エリアの1.5倍を超えている場合、当該エリアのエリアプライスを隣接エリアの1.5倍としたうえで、応札価格がエリアプライスを下回る電源についてはシングルプライス、応札価格がエリアプライスを上回る電源についてはマルチプライスを適用します。

  1. <マルチプライスの適用イメージ>
  2. 図 マルチプライスの適用イメージ

FAQ

  • Q1.発動指令電源は、調達上限量を超えた場合は約定しないのか。
  • A1.
    発動令電源は、調達上限量を超えた約定はされません。